「朝鮮半島危機。政局と総選挙」10/3緊急討論会 簡単な報告

共有(シェア)Share on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn
  • トランプ政権による朝鮮核戦争危機。日本の安全と国民生活の危機。
  • 「平和と自主」対抗軸を鮮明に、国民生活の危機打開をめざす新たな政権をめざし、
  • 総選挙で安倍政権を追い詰め打ち倒す、国民運動を発展させる対抗軸明確な政治勢力をつくろう

 自主・平和・民主のための広範な国民連合は、10月3日、東京都内で、「朝鮮半島危機。政局と総選挙の課題」緊急討論会を開催しました。

 トランプ政権の朝鮮半島で核戦争にも結び付きかねない軍事挑発。そうした下で、安倍政権による、「疑惑隠しで延命」のための突如の衆議院解散。小池百合子都知事による「希望の党」の結成、「改革を引っ張って行く」と維新の会との連携推進。希望の党への民進党の合流と反発による分解、立憲民主党の結成、等々。議会政治、政党をめぐる構図が劇的に変わる新たな政治・政党再編が始まりましたが、日本の安全についても、国民生活の危機にも明確な政策方向は示されていません。

こうした状況下で緊急討論会は、政治闘争の方向と総選挙での争点を明らかにし、広範な連携を促進する機会となりました。以下は、その簡単な報告です。

 冒頭に、主催者を代表して西沢清・広範な国民連合代表世話人が「戦争の危機、改憲の動きが強まるなかでの重大な状況の中での選挙。また、アベノミクスはすでに破綻し、青年などの貧困問題、経済危機への対処が問われている。ここでしっかり議論していきたい」と提起しました。司会は、山本正治事務局長代行が務めました。

アメリカ・トランプ政権が朝鮮半島で核戦争挑発を強めています。安倍政権は、この危機をもてあそび最大限に利用し、国民の危機感を最大限得票に結び付け突破しようと策動しています。私たちは、この戦争の危機にどう対処し、日本の安全を確保するか、これが今回の総選挙の最大の争点だと考えます。もう一つは、アベノミクスの結果貧富の格差が急拡大し、破綻して国債暴落・金融危機も迫ったといわれる中で、国民生活の危機をどう打開するかが問われ、そのためにも財政危機を誰の負担で打開するかだと提起してきました。

 緊急討論会では、角田義一(元参議院副議長)、鈴木宣弘(東京大学教授)、柳澤脇二(国際地政学研究所理事長、元内閣官房副長官補)の三氏の問題提起と議論を通じて、争点は鮮明となり、安倍政権に対抗する政策軸もこれまでになく明確となったと評価できます。また、そのため総選挙で安倍政権を追い詰め打ち倒すとともの、国民運動を発展させる対抗軸が明確な新たな政治勢力の形成の課題も提起されました。

朝鮮半島核戦争危機
米国の抑止力依存、ミサイル迎撃体制をつくるか。
米朝間の緊張緩和、外交で朝鮮の敵意をなくすか。

■ 朝鮮半島の核危機をどう打開するかについて角田義一さんは、「アメリカによって戦端が開かれたらわが国は戦争当事国になり、日本、韓国、朝鮮は壊滅的な被害を受ける。安倍がやるべきは戦争をやらせないことだ。本当に日本の財産、国民を守るために、ピョンヤンに行って交渉すべきだ。朝鮮の体制を認めて平和共存するべきである。核については、アメリカだけが持っていていいのかと迫る、そうした政府を作るべきだ」と提起しました。

■ 柳澤協二さんは、「朝鮮戦争は休戦状態、戦争当事国の一方が核をもっているのだから、朝鮮が核開発するのはいわば当然ともいえる。安倍政権は対話でなく、圧力を主張し、PAC3迎撃ミサイルの配備、J-アラート、避難訓練などを繰り返し行い、日本だけが戦争に備えているように見える」と話され、「安倍首相の通常国会での『ミサイルを撃ち漏らせばアメリカが報復する』旨の発言は見逃せない。撃ち漏らせば、その時点で日本にミサイルが落ちている。アメリカが日本の後ろにいて、やられたら報復するという核抑止力で日本が守れるわけではない。日本が戦場になることを前提にしている」「この米国の核による抑止という考えで、北朝鮮を挑発をしている。朝鮮を追い詰め、危険を増している。アメリカの意思もよくわからないからこそ米国と一体化するという考え方間違っている」「日本が戦術核を持つことになれば、国際的な拡散になって、核の恐怖が現実のものになる」と状況を批判しました。

そこで、「アメリカの抑止力に依存して圧力をかけ、ミサイルを迎撃する体制をつくる国か。それとも米朝間の緊張を緩和させ、ミサイルが飛んでこないように朝鮮の意思・動機をなくする国にするのか。これが対抗軸であり、選択肢を示す必要がある」と具体的に明確に提起しました。

■ 朝鮮を訪問中の福岡県日朝友好協会の北原守さん(協会会長、元公明党福岡県議会議員・副議長)からの、「日本は制裁ではなく、アメリカに緊張緩和のために平和協定を進めるよう要求すべき。皆さんと一緒に東アジアの平和、日朝関係の改善のために奮闘します」といった趣旨のメッセージが紹介されました(なお、広範な国民連合は、北原さんの提唱で、日朝関係の緊張打開に向けて、来年初夏に、大規模な全国地方議員訪朝団を派遣することを決めています)。

国民生活の危機
国民を苦しめるアベノミクス、規制改革に反対する
アジア共生のビジョンを

■ 鈴木宣弘さんは、「規制緩和、グローバリズムの自由貿易の下で、アメリカへの従属が進み、大企業への便宜供与が図られた。その中で、企業経営層の富裕化が進み、国民の貧困化が進んでいる」「農業でも、既存農家のほとんどが潰されても、大企業が農地を奪い取り利益を上げて、農業所得倍増を図ろうとしている」と批判しました。さらに「小泉改革以来の規制緩和の先頭にたっていて財界、官僚と結託し、個人的にも1億数千万円の年収があるアメリカべったりの竹中平蔵東洋大学教授(元総務相兼郵政民営化担当相)が、小池新党の方が改革を徹底すると期待している」と、希望の党の、規制改革の徹底推進の政治を実現する反動的な役割を暴露しました。

■ 国民生活危機では、会場発言でも、相模原の社会福祉施設での事件も例に引きながら「貧困な高齢者や障碍者を貧困なわれわれが支えている」貧困の実態、自民党農政の下でコメ作りも限界にきている農家の実態と学校給食などに地元産の農畜産物を利用する地産地消で打開を目指しているなどの経験も報告されました。

 鈴木さんは、政策問題さらに踏み込んで、「一部の企業への利益集中をもくろむ時代遅れのTPP型のルールではなく、共生をキーワードにして、命・環境・人権を尊重し、あまねく行き渡る均衡ある発展と富の公平な分配が確保できるように、特に、食料・農業については、零細な分散錯圃の水田に象徴されるアジア型農業が共存できる、柔軟で互恵的な経済連携協定の具体像を明確に示し、実現に向けて日本とアジア諸国が協調すべきときである。思考停止的・盲目的な米国追従から脱却するには、アジアと世界の人々の共生のためのビジョンと青写真を早急に提示する必要がある」と提起しました。

■ 日本政治の現実の最大の課題といってよい沖縄の米軍基地問題、新基地建設問題については、吉元政矩・代表世話人(元沖縄県副知事)が参加。基地撤去のためにも、本土では東京を中心にものが考えられ、沖縄が差別され放置されている現状を打開する必要がある問題を訴えました。

小池新党の役割は何か
改革推進徹底の別動隊

■ 小池新党、「希望の党」については、安倍政権の「補完勢力」というより、反国民的な「改革推進勢力」として警戒すべき動きだ、として批判する必要を強調する意見が、小池百合子都知事と闘ってきた東京の世話人で労組活動家の谷口滋さんや斉藤ゆうこ荒川区議などから出されました。東京では、「国際金融都市構想」と称し、石原慎太郎前知事がやり切れなかった金融中心の都市づくりが「規制緩和」を最大限駆使して進められていること、特区制度を利用した「混合介護」事業なども報告されました。また、築地問題等々、小池都知事の欺瞞的な政治手法も明らかにされました。

■ 希望の党は、憲法改悪や安保法制では安倍政権と変わりません。しかし、安倍自民党を「しがらみ」と批判しているように、大企業のための徹底した改革を旗印にしています。ですから、単なる「安倍補完勢力」ではなく、むしろ農民や地方や商工業者などを引きつづき支持基盤とする自民党ではやりきれない「改革」を徹底推進する多国籍大企業のための「別動隊」とみるべきとの評価も出されました。

小泉改革以来の「改革」を推進した竹中平蔵氏が、「規制緩和などが不十分」「第4次産業革命の中で政府の構造改革が後手に回っている」などと安倍政権を批判し、徹底した改革を推進するために小池党首と日本維新の会の松井一郎代表を結び付けたという事例も紹介されました。

したがって、安倍でも、小池でもない、新しい政治勢力形成が急がれると呼びかけがなされました。立憲民主党もできたが、新しい期待される政治勢力は、政党の離合集散だけではできないのではないか。政治家も先頭にたって進めてほしいが、鈴木先生や柳沢先生のような知識人のかたをはじめ広範な国民の中からの政策提起も進め、国民運動も起こして、新しい動きをつくっていこうと呼びかけがありました。

政党の離合集散では展望は生まれない
アジアの平和、日本の安全。日本国民の生活安定の対抗軸を明確に
国民的努力で新しい政治勢力をめざそう

■ こうした議論を踏まえて、元神奈川県開成町長の露木順一さん(日本大学教授)は、「小池新党ができたが、もしも、安倍政権が倒れても小池さんの方も続きはしないのではないか。ではどうするか、本当の日本をどうやって作っていくか、考えていくチャンスが生まれた。安倍と小池と「敵」同士が戦っている間に、「アジアの平和と日本の安全を守るのか、日本国民の生活を守れるのか」、具体的で分かりやすい対抗軸を作る必要がある。そして、良質な保守勢力と力を合わせてまともな日本に変えるチャンスが生まれた」と、オール沖縄のような闘い、勢力形成を呼びかけました。

 集会には、前衆議院議員の初鹿明博さんから「小池都知事の希望の党は自民党と変わらない政党である。本当の対立軸を明確にして、対抗勢力をつくらなくてはならない」といった要旨のメッセージも寄せられました。

また、片岡健さん(前 東京都日中友好協会理事長)、大西聡さん(部落解放同盟中央本部総務部長)をはじめたくさんの方がたからの賛同が寄せ要られたことが紹介されました。

■ 最後のまとめでは、安倍自民党政権打倒へ、希望の党の動きなどに右往左往せず、「平和と自主」「国民生活の危機突破」の対抗軸を鮮明にし、広範な国民の怒りと力を結集して新しい政治勢力を促進していくことが改めて強調しました。また、当面する総選挙では、自民党安倍政権に反対するとともに、希望の党にも与せず主張を貫いて闘おうとしている候補者を激励、応援のメッセージを送ることが提案され、了承されました。

最後に、原田章弘・広範な国民連合代表世話人が閉会のあいさつを行い、問題提起をしてくれた3人の方がた、会場発言の方がた、お忙しい中お集りいただいた参加者に感謝し、討論会を生かして明日から闘うことを呼びかけ散会しました。

 この討論会は解散総選挙が決まり、政治政党再編が急テンポで動く中で、「平和、自主」の政治方向、政策方向と新しい政治勢力形成を示す、有意義な討論会となりました。

ご協力下さったすべての皆さまに深く感謝申し上げます。

当記事は10月5日夜にアップしましたが、編集不十分のため6日12時に全面更新したものに入れ替えさせていただきました。
また当討論会の内容は、追って動画にて公開予定です。(編集部)

共有(シェア)Share on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn