石破新政権の課題一覧

中国・グローバルサウスとの平和協力関係へ

日中共同声明は、今も生かすべき日本外交の原点

『日本の進路』編集長 山本 正治

 石破茂新首相は衆議院を解散してその足で10月10日未明、ラオスに向かった。ASEAN首脳会議に参加し、李強中国首相と首脳会談を行った。日中関係打開に向けて、「台湾問題において『日中共同声明』を堅持するという日本の立場に変更はない」と明言した。これは当然のこととはいえ、最近の政府首脳からは聞かれぬ立場であり、英断と言える。
 命脈尽き内部対立も激化する自民党中心の連立政権であり、しかも政治状況は総選挙結果でどうなるか分からない。 続きを読む


中国側の評価と期待は高い

石破政権の誕生 その対中外交政策はいかに?

福井県立大学名誉教授 凌 星光

 中国のネット世論では、石破茂氏は平和憲法改正論者のタカ派国防族、中国にとっての「敵対的存在」と見られている。ところが、10月10日、ラオスでの石破・李強会談で、李総理は「私たちが大きな関心を持っている所信表明演説の中で、中国との戦略的互恵関係を引き続き推進し、と述べたことを、中国は高く評価している」と語った。これは一般の予想を上回る評価と期待を表している。 続きを読む


「運をつかんだ」 石破新総理に期待する

最大の課題は「台湾有事は日本有事」にさせないこと

元自民党副総裁・山崎 拓 氏 語る

 自民党総裁選挙は紆余曲折がありましたが石破茂さんが逆転勝利しました。小泉純一郎元総理が「息子は出さない」と言ったのは、3月7日と5月14日でした。もしそうであれば、石破さんの勝利はかなり堅いというふうに判断した時期もありました。しかし実際には小泉進次郎さんが出馬したために、大混戦になったという経過なんですね。 続きを読む


総選挙 自民党史上最悪の敗北

半壊状態の自公政権を引きずる役割の石破茂

ジャーナリスト 高野 孟

 自民党単独で解散時勢力256から65も減らし、過半数233を42も下回る191議席。自公の与党合計ですら過半数に18も足りないという大惨敗で、普通なら石破茂首相は即刻辞任して然るべきである。ところが、石破は9月27日に自民党総裁に選ばれて、早ければ早いほど有利だろうという党利党略以外に何の理由もなく、したがって国民にとっては意味がないどころか迷惑千万でしかない解散・総選挙に、最短期間でバタバタと持ち込んで、勝手にこけたわけなので、ここで惨敗したからといって今さら辞めるとは言い出せない。すでに半壊状態に陥った自公政権という荷車を引きずって行くしかないのである。 続きを読む