「日中関係」一覧

日中関係の打開へ

国交以来最も深刻な日中関係をどう乗り越えるか

名古屋外国語大学名誉教授 川村 範行
(東海日中関係学会会長、元東京新聞・中日新聞論説委員)

 

 

1、外交のボールは日本側へ

 昨年11月、国会で高市首相が〝台湾有事〟に関して「存立危機事態(集団的自衛権を行使する)になり得る」と答弁したことを契機に、中国が反発し、日中関係は冷え込んだままだ。政府間交流が一切途絶えていること(外交機能不全)が、1972年の国交以来、最も深刻な事態である。地方・民間交流、経済貿易にもさまざまな影響が出ている。対立が長期化すれば、安全保障面での緊張が高まり、偶発的な衝突のリスクが懸念される。中国側が8月以降、民間訪中団や議員訪中を受け入れて窓を開き、日本国際貿易促進協会訪中団団長の岩屋毅前外相と王毅政治局員・外相、何立峰副総理が会談したことは、中国側のシグナルである。高市政権がきちんとボールを投げ返せば、関係修復への糸口となる重要なチャンスである。 続きを読む