平和を創る道の探求
東アジア共同体研究所長(元外務省情報局長) 孫崎 享
1 反撃能力、敵基地攻撃をどう考えるか
岸田政権は2022年12月、安保関連3文書の閣議決定をした。3文書中、国家安全保障戦略と国家防衛戦略は、敵のミサイル発射基地などをたたく反撃能力を保有することを明記している。反撃能力は従来敵基地攻撃能力と呼ばれてきた。安保関連3文書の改定を受けて、日経新聞が行った世論調査では5年間で防衛力を強化する計画を支持するとの回答が55%で、支持しないが36%である。
日本の多くの人はこれで日本の安全が高まったと思っているようだが、全く逆である。