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自主・平和・民主のための広範な国民連合
『日本の進路』地方議員版21号(2003年11月発行)
金沢市(9/22)、福島市(9/22)、向日市(9/24)、三鷹市(9/25)、青森市(9/25)、熊本市(9/26)、横須賀市(9/29)、加須市(10/1)の各市議会でも日米地位協定の抜本見直しを要求する意見書が採択された。(これは、全国事務局が知り得ている範囲である。これ以外の市区町村議会で意見書採択があれば、ぜひ全国事務局までご一報下さい。括弧の数字は月/日。)意見書採択に奮闘した市議会議員からの報告です。
埼玉県加須市議会議員 笠井博之
7月30日、31日の2日間、第一回地方議員全国交流会が、川崎市で地方議員60名が参加して開かれ、日米地位協定の抜本的改定を求める意見書を全国の都道府県議会や市区町村議会で採択する活動を進める決議案が全会一致で可決された。沖縄の議員からの状況報告によると、米軍の沖縄占領以来、米軍人が引き起こす犯罪は多くの沖縄県民の人権を侵害し、そして安全を脅かしており、1972年の本土復帰後だけを見ても米軍人による犯罪件数は5160件を超え、女性に対する暴行事件の検挙数は112件にのぼっている。このような蛮行は断じて許せるものではない。この問題は沖縄県や米軍基地を抱える地域のみの問題でなく、日本全体が抱える問題である。交流会では政府に対して、国民の生命、財産と人権を守る立場から日米地位協定の抜本的改定を求められていくことが緊急の課題であり、議会で意見書を採択することを確認した。
私は早速、9月の加須市議会に意見書を提出する準備に入り、資料調査など多忙の日々を送った。加須市議会では意見書提出は、請願での提出、各政党・会派で議会運営委員会に提出する方法がある。今回は、社会民主党が議長に提出し、議会運営委員会では提出者(笠井)が全国交流会で話された内容も含めて提案趣旨を説明した。他政党・保守会派の理解を得て全会一致で採択され、最終日の本会議に提案して全会一致し、加須市議会として成立した。米国の従属国から脱却して戦争のない平和な国・日本を築いて行こう。
埼玉県加須市
沖縄県駐留米兵による女性暴行致傷事件並びに日米地位協定の見直しに関する意見書
石川金沢市議会議員 森 一敏
9月22日、金沢市議会9月定例会最終日の本会議において、二つの意見書「自衛隊のイラク派遣に関する意見書」「日米地位協定の抜本的な見直しを求める意見書」が全会一致をもって採択された。
金沢市議会40人中4人で構成する私たちの会派「社民」は、いうまでもなく圧倒的少数派である。社民党中央や沖縄からの要請を踏まえ、意見書採択の今日的な必要性について会派内で議論し、少数否決や文言修正の可能性も念頭に置きながら提出したものであった。会派間調整での政審会長の奮闘があり、議員団一致した協議のもと、自民党の修正要求を一部受け入れた形で全会一致の採択にこぎつけた。
金沢市議会は、二つの最大会派、かなざわ議員会(かつて自民から離脱し、ローカルグループを結成した保守会派「新進」に、この5月民主が合流)と自民が15人ずつを擁し、公明が4人、共産が2人という構成である。
今回二つの意見書に保守最大会派がそれぞれ共同提案、賛成に回ったのである。市民に一番近いところにいる市町村議員には、中央政府の日米軍事同盟体制が対米従属を加速化している事態に危惧が生まれているのではないか。
泥沼化しているイラク戦争。開戦より4カ月も前にアメリカの大手ゼネコンがブッシュ政権とイラク戦後復興に関する受注契約を結んだと報じられている。ここにイラク戦争の血生臭い真実が現れている。
蹂躙されたイラク民衆にとり、米英軍は解放軍などではなく、侵略占領軍である。今日、5月1日ブッシュ大統領の「戦闘終結宣言」時の4倍もの米兵の戦死者が生み出されているという。そこにイラク民衆の真の解放への深い思いがある。内外で批判が強まる米英は焦っている。派兵は許されない。
軍隊は民衆を守らない。戦争の被害者はいつも民衆である。自衛隊員にも命と家族がある。イラクに動員されようとしている自衛隊員は、卑屈にアメリカに尻尾を振り続ける小泉政権の「捨て石」ともなりかねない。イラクの人々と敵対しないで、殺されないで、殺さないでのメッセージを届けたい。
私は、教員を辞し、今春の統一地方選に初めて立候補した。強行された米英軍のイラク攻撃と選挙戦が重なった。政策の柱の一つに「非核平和都市宣言を更にすすめ、金沢に非戦平和条例を」と訴えて、議席を得た。10月25日にアメリカの反戦運動ANSWERが世界に向け、イラク派兵反対、イラク占領即時停止の反戦行動を呼びかけている。ここ金沢でも、市民のピースウォークが準備されている。労働団体の平和運動センターもイラク派兵反対の行動を準備している。
有事法制の一環、偽称「国民保護」法制が急がれている。日本の津々浦々の戦時体制化が目指されていく。「戦時下」でずっと闘い続けてきた沖縄の人々と今こそ連帯を強める時がきている。市議会も市民・労働者の運動に呼応して、非戦と平和創造の責任を果たしていけるよう、私も力を尽くしたい。
金沢市 自衛隊のイラク派遣に関する意見書
神奈川県横須賀市議会議員 原田章弘
7月末、川崎市を会場に「地方議員全国交流会」が開催されました。私も発起人として開催準備をしてきましたが、全国で特に社会民主党の方や無所属の方々が、頑張っている取り組みを交換しようと集まりました。
全国各地、北海道から沖縄までの約60人の参加で2日間にわたって討議しました。
地方自治、平和、住民生活の8テーマで分科会形式はとらず一会場で行いましたが、討議のの中心は地方自治、特に全国の自治体が、いわゆる「平成の大合併」の渦に巻き込まれ、合併を強制されているということでした。私は、法律(合併特例法)の期限切れ(2005年3月)が迫ってきていることに、参加者の経験を聞きながら「危機感」を抱きました。
9月議会一般質問は、何の動きもない横須賀当局に、「動きがないことが合併問題に対する意思である」ということを確認しようと考えました。
さて、私はコーディネーターをしていて、討論参加は何度もはできなかったのですが。沖縄県から来られていた新川秀清県議と名護市長選にも出られて惜敗された玉城義和県議の訴えは、地位協定改定の問題でした。まとめの中で、お二人に呼応する発言を行い、さらに終了後のパーティの中でもお二人と親しく交流しました。この中から9月議会では「日米地位協定の改定についての意見書」を採択させようと自分の課題を決めたところです。
8月中の準備を経て、9月5日、会期前の事前議運が開かれましたが、同時にそれを受け、私たちの会派は「団会議」を持ちました。
いくつかの課題を論議した後、私から「日米地位協定の改定についての意見書」を横須賀市議会として採択するよう働きかけたいと提案しました。
まさに、地方議員全国交流会での新川、玉城両県議の発言を受けての連帯行動として。
9月12日、議会運営委員会は定例会初日に、私の会派から提案(文案を示して)をしてもらいました(今年は私は議運のメンバーではないので)。通常、各会派代表の議運メンバーは団へ持ち帰ります。新たな提案は、会派(団)で相談しますから…。この意見書案が採択できるかどうか、私はいくつかの会派のメンバーと話し合いました。「おおむね、いいと思う」というような答えで「いける」と判断しました。
9月29日、最終日の本会議前に開催された議運では、文案にあった「抜本的」という言葉が削除されました。「政府におかれては」の部分は「国におかれて」と変更されましたが、ほぼ私が作った文案どおり了解されました。議運発議で本会議に上程されることになりました。本会議では、全会一致で「日米地位協定の見直しを求める意見書」が採択されました。
最終は安保
下記のような意見書が採択されましたが、もちろんこれですべてではありません。国内に外国の軍隊が駐留していることなど誰も同意しません。安保条約の廃棄こそが最終目的ですが、
現状打開の積み重ねが重要だと思います。
行政にも…
市当局とも話しましたが「行政も何もしないという訳にはいかないと考えている」といっていました。(「原田あきひろ議会報告」03年9月 第3定例会報告より)
神奈川県横須賀市 日米地位協定の見直しを求める意見書