新年のメッセージ
沖縄県知事 玉城 デニー
ハイサイ グスーヨー イイソーグワチデービル
新年明けましておめでとうございます。
自主・平和・民主のための広範な国民連合に集う皆様には日々のたゆまぬ御活躍とご努力に対し深く敬意を表しますとともに、沖縄における諸課題へのご理解と私どもへの温かいお力添えを賜りまして、心から御礼を申し上げる次第です。
私が知事に就任して約6年が経過しようとしておりますが、皆様のお力添えにより、沖縄県が抱える様々な分野の課題について、着実に取り組みを進めることができたものと考えており、重ねて御礼申し上げます。
さて、先般9月の知事訪米において、国務省・国防総省、連邦議会議員や補佐官、連邦議会調査局、有識者など、多くの方々と面談し、辺野古新基地建設を反対する県民の意志を伝えるとともに、今般、相次いで発覚した米軍人による性的暴行事件などの沖縄における多くの基地負担の現状や、沖縄県独自の地域外交の取組について直接伝えることができました。
また、共和党系のシンクタンクでの講演や、ジョージ・ワシントン大学やコロンビア大学でのシンポジウム、プログレッシブ議員連盟(GPC)定例会でのスピーチ、議員補佐官向けのブリーフィングなど、これまでにない新しい取組を行う事で、より多くの米国の方々に沖縄の基地負担の現状について発信し、連邦議会議員などとこれまでよりもより深く議論ができました。
さらに、国連中満次長との面談や、有識者の沖縄への招へいについても目途がついたことなど、様々な成果が得られたと考えております。今回の訪米活動の成果をより具体的なものにするべく、引き続き、ワシントン駐在と連携し、面談議員や有識者への情報提供をはじめとしたフォローアップなど、基地負担軽減の取組や沖縄県の地域外交の取組の発信に向け取り組んでいきたいと考えております。
私は、知事に当選して以降、こまでもこれからも「子どもの貧困問題」について、社会の一番の宝である子どもたちが、その生まれ育った環境によって左右されることなく、夢や希望を持って成長していける「誰一人取り残さない優しい社会」の実現のために取り組んでいます。
そして「離島振興」について、離島の条件不利性に起因する様々な課題を克服し、島々が個性と潜在力を発揮する、活力と希望にあふれる地域社会の実現のために取り組んでいるところです。
それから、物価高騰により影響が懸念されている県民生活や経済活動への対策、人手不足対策も、最優先課題といえます。また、産業DXの加速化、スタートアップ、イノベーションの推進、経済循環の促進、人材への投資、農林水産・商工・観光分野の官民が連携した「おきなわブランド戦略」の推進なども最優先課題です。
地域外交については、我が国とアジア諸国・地域を結ぶ拠点として発展し得る沖縄独自の優位性を効果的に活用し、潜在力を顕在化させるとともに、アジア太平洋地域の平和構築と相互発展に向けて沖縄県が積極的な役割を果たすため、様々な分野における取組を戦略的に展開します。さらに、ウチナーネットワークの活用を含めた人的交流と経済施策の連携に向けた取組を推進し、自立型経済の構築を図ります。
「辺野古新基地建設反対・米軍基地問題」について、過重な基地負担の解決を図る上で、普天間飛行場の一日も早い危険性の除去とこれまでの県知事選挙や辺野古の埋立ての是非を問う県民投票で県民が一貫して示してきた辺野古新基地建設反対の想いを実現するために、最優先課題として取り組んでいます。
最後に、令和7年度は、沖縄戦終結から80年の節目となります。これまでの歴史を振り返り、先の大戦の犠牲者を追悼するとともに平和を希求する「沖縄のこころ」を継承するほか、長期的な視点に立って将来を見据え、「平和で豊かな沖縄」の実現に向けて戦略的に取り組みます。
世界中の人々がそれぞれの立場や違いを認め合い、協力し、信頼し合うことにより、心穏やかで真に豊かな生活を送ることができるよう、国境を越えて、あらゆる場面でつながっていくことが今こそ重要だと考えています。
私は、こうした様々な課題の一つ一つに職員と一丸となって、これからも県民の安全安心な暮らしを守るため、全庁あげて取り組んでまいります。
結びに、皆さんが健康で笑顔に満ちた日々を過ごされ、それぞれの場所や地域から、これからの未来について自分たちで考え、立ち上がり、行動し、共に歩んでいかれることを祈念いたします。
マジュン、チバラナ、ヤーサイ~一緒に頑張って行きましょう。
イッペー、ニフェーデービル~誠にありがとうございます。