国民へのアピール
消費税増税に反対する国民世論と国民運動を盛り上げよう
政府は2月17日、2015年10月までに消費税を10%へ引き上げることをうたった「社会保障・税一体改革」大綱を閣議決定しました。その中で、増税後5年を目途に次の改革(追加増税)を実施することも明記しました。「2020年代半ばまでに、税率を10%台後半(18%)に引き上げなければならない」という経団連の要求にそったものです。消費税18%は税収にして45兆円以上となり、それだけで2010年度の税収総額(41兆円)を上回る大増税です。政府はこの大綱をもとに、3月中にも消費税増税法案を国会に提出しようとしています。
消費税増税は財政再建のためだと、政府は言います。それならば、財政が悪化した原因を国民に明らかにし、その原因を取り除くべきですが、なんの説明もありません。
財政が悪化したのは第一に、消費税導入の頃から今日まで、大企業の法人税と高所得者の所得税を何度も減税して、法人税収を19兆円から9兆円に、所得税収を26兆円から13兆円に減らしたからです。税収減はあわせて23兆円にのぼりました。所得税の累進制、再配分機能は失われ、格差が拡大しました。
第二に、アメリカに言われて、1991年から10年間に430兆円(後に630兆円に拡大)という、無謀な公共投資をやったからです。その結果、当時はGDPの60%(270兆円)にすぎなかった国と地方の借金が、今や200%(1千兆円)寸前となりました。
消費税増税は社会保障のためだと、政府は言います。消費税導入の時も、3%から5%に増税した時も、福祉(社会保障)のためだと言いました。実際には、病院での患者負担を1割から3割にするなど社会保障をどんどん切り下げてきました。消費税は「福祉のため」ではなく、大企業と高所得者の減税の穴埋めに使われました。そもそも、生活困窮の要因となっている消費税を、社会保障の財源にすること自体が本末転倒です。
財政再建のためにやるべきことは、大企業と高所得者の減税を元にもどすことではないでしょうか。それだけで23兆円の増収となり、消費税増税の13兆円を上まわります。そして、アメリカ言いなりはやめ、国民のための自主的な財政運営を行うべきです。社会保障の財源は、大企業と高所得者の増税で確保すべきです。
大企業や金持ちの大減税、アメリカ言いなりの無謀な財政支出のつけを、国民大多数と次の世代に押しつける消費税増税に反対の声をあげましょう。真実を周囲の人に知らせ、消費税増税反対の国民世論と国民運動を盛り上げましょう。それこそが、この不合理、不当な消費税増税を阻止する原動力です。
2012年3月17日
「消費税増税に断固反対 国民世論と国民運動を発展させるための集い」参加者一同