日本青年団協議会 会長 中園 謙二
日頃より労働者や商工自営業者、農林漁業者をはじめ広範な国民の連合を発展させるべく運動に取り組まれている貴団体の皆さまに深く敬意を表し、全国の青年団を代表してメッセージを送ります。
新型コロナウイルス感染症によって世界規模で起こる未曽有の事態が、私たちの生活を大きく脅かし続けた2020年。大きく変化する環境の中で、私たちは常に何かを選択し、決断しながら生きていかなくてはなりません。私たちを取り巻く生活環境、職場環境、社会環境は一年前とは大きく変わりました。日青協では、多様化が多様化を生み、社会が複雑化する今だからこそ、あらためて私たちの運動の原点は何か、足元は何かを考え直す良い機会と受け止め、今一度組織再編に向けて動き始めました。
私たちは地域を基盤に活動する青年団だからこそ、故郷と呼べる地元で安心して生活を送り、日常が楽しく豊かになることをめざし様々な地域づくりの実践を地道に積み上げ続けてきました。孤立も孤独も生まない地域、仲間がいる地元の存在は、大きな活動の支えになります。青年は、地域の担い手としての役割を担い、また地域からも期待されている存在です。思考を止めず、失敗も経験しながら学び合い、思いを同じくする多くの仲間たちとのつながりが、豊かなわが国の礎になると確信しています。
世界に目を向ければ、アメリカ大統領は、ジョー・バイデン氏に決まりました。ドナルド・トランプ氏の後任として、どのような発信をするのかを世界中が注目しています。また、核兵器の開発から使用までを全面禁止する核兵器禁止条約が50カ国の批准を獲得し、1月22日に発効することが決まりました。核兵器のない世界の実現をめざす私たちの想いが大きく前進しました。一方で世界唯一の被爆国である日本が批准しようとしていないことは由々しき事態に他なりません。条約を批准することこそが日本が世界を平和へと先導し、核兵器のない世界を実現する一歩となります。
日青協が掲げる真の平和とは、単に戦争のない社会の実現だけでなく、様々な貧困を生み出す構造的暴力のない社会です。私たちの先輩はかつて戦争に加担したことを真摯に反省し、二度と銃を取らないことを固く誓い合い、戦後いち早く青年団を再建し、実現をめざし活動してきました。平和への努力を希求する青年団の精神は連綿として私たちに受け継がれています。だからこそ、私たちは現政権の動きを看過できません。
私たち青年団は設立当初から、自分づくり、仲間づくり、地域づくり、そして世界平和を掲げ運動を進めてきました。いつの時代も真実は現場にあります。国民一人ひとりの暮らしに根ざした住みよい地域づくりと子どもたちの未来のために、微力ではありますが、私たち青年団も引き続き取り組んでいきます。皆さま共に頑張りましょう。
貴団体のますますのご発展を心より祈念いたします。
2021年 元旦