h3. 2011年統一自治体選挙にあたって880万府民の皆さんへのアピール
h1. 強者のための「大阪都構想」―大阪維新の会の野望を頓挫させよう!
府民のみなさん。
4月の統一地方選では、橋下徹知事を党首とする大阪維新の会が、「大阪都構想」を実現するために大阪府議会・市議会で議席の過半数を取ると気を吐いています。
橋下知事は「大阪都構想」の真の狙いを巧みにごまかし、隠しています。
ご存じのとおり、巨大銀行を頂点とする多国籍独占企業は、激しさを増す国際競争に勝ち抜くために国内コストの削減、小さな政府の実現をもくろんでいます。地方分権、道州制の推進は、彼らの願望を具体化する道筋の一つであり、橋下 知事の「大阪都構想」はこうした財界の要求実現に向けた布石です。
大阪市をつぶして二重行政の無駄をなくせば府民の暮らしがよくなるかのような幻想を振りまいていますが、実際は府民に犠牲を強いる危険な改革にほかなりません。
大阪維新の会はマニフェストで「大阪都構想(『ONE大阪』)を実現することで、大阪の景気と雇用を回復し、市民を貧困から解放する」「企業に儲けてもらい、従業員の給料を上げる」と述べています。
しかし、労働者の賃金は2001年をピークに、「いざなぎ超え」といわれた景気回復期でさえ下がり 続け、今やピーク時の5.1%減というのが 実態です。さらに、2010年10~12月決算を見ると、国内上場企業の売上高・経常利益は軒並み改善しており、企業は手元資金である「現金・預金」を2010年9月末時点で過去 最高の205兆9,722億円もため込んでいるのです。この事実ひとつとっても、大阪維新の会のマニフェストのウソは明らかではないでしょうか。
強力な運動なしに何一つ解決できないというのが、私たち広範な国民連合の考えです。
大多数の府民に今必要なのは、生活・営業の危機突破のための緊急かつ具体的な支援であり、それを実現する府政です。
ところが、橋下知事に惑わされてか、自民党、民主党、公明党のマニフェストにも似たような言葉が躍っています。「ONE関西に向かって―府も市も目指すはひとつ『関西州』―」(自民党)、「ALL関西の力で関西再生」(民主党)、「ひとつの大阪、関西は一つ」(公明党)……といった具合です。たしかに、いっこうに収まらない世界経済危機のなかでの中東諸国の激変、破れかぶれのわが国の政治といった厳しい環境の中にある大阪に私たちは生きていて、今の生活・営業の危機をどう突破すればいいのか、先行きはどうなるのか、不安に駆られて当然です。だからといって橋下知事の空念仏に付和雷同するのは危険です。
共産党は自党の利益を優先させ、自民、民主、公明、維新の会を同列に並べて共通の敵としています。しかし、このような態度は大阪維新の会を利するだけです。
府民大多数のための府政をどう実現すればいいのか、ここはひとつ踏みとどまって冷静に考え、 真面目な議論を巻き起こすべきだと考えます。
踏みとどまるには、来る府議選、大阪市議選で大阪維新の会の過半数取りを阻止しなければなりません。各党は、先に挙げたような橋下亜流のスローガンでなく、府民のためになる政策を熟慮して訴え、自らの候補者の当選を勝ち取るため に熱中すればいいのです。そのことが、結果として大阪維新の会の野望を頓挫させることにつながります。
そのうえで、大阪をどう再生させるか、府民の生活・営業の危機をどう突破するか、労働組合を はじめ各種団体を含めた超党派の真剣な議論をすべきです。
その議論のなかでは、いまだに尾を引いている巨額の財政赤字を生み出した1990年代の苦い経験――対米従属政治ゆえに日米構造協議に縛られた630兆円に上る国の「公共投資基本計画」とバブル崩壊後の「景気対策」 に府や市が動員され、大企業や大銀行などは地方財政を食い物にしてぼろ儲けしたこと――などをきっちりと総括し、二度と繰り返させない府 政の仕組みづくりも必要でしょう。
府民のみなさん!
大阪維新の会の主張に惑わされることなく、来る統一地方選挙で彼らの野望――大阪府議会、大 阪市議会での過半数取りを阻止するため、力を合わせようではありませんか。
「大企業栄えて、民滅ぶ大阪」ではなく、「民栄えてこそ、発展する大阪」の実現をめざして闘いましょう。
2011年3月2日
自主・平和・民主のための広範な国民連合・大阪
代表世話人 浅田義信 岡元浩一 加来洋八郎 冠木克彦 村上シヅ 吉田伸