再生産可能となる直接支払などの実現に向けて
粘り強く運動展開する
北海道農民連盟委員長 中原 浩一

新年あけましておめでとうございます。令和8年の新春を迎え、謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。
さて、昨年の本道農業を振り返りますと、1~3月期は暖冬傾向にありましたが、2月には十勝地方において短期間に120cmを超える記録的大雪を観測し、6~7月にかけての高温・干ばつ、9月には北海道で初めてとなる線状降水帯の発生によって集中豪雨に見舞われるなど、温暖化の影響は各地で農産物の品質・収量の低下のほか、農地の損失等を及ぼしました。
また、温暖化による生態系の変化が指摘されており、想定しない病害虫の多発に加え、中山間地域や住宅生活圏にまで及ぶクマの出没で人命は脅威に晒され、シカやアライグマなどによる鳥獣被害とあわせて、農作物・家畜被害は年々増え続けています
一方、終わりが見えない世界情勢の不安定化や円安の影響による物価高騰は、燃油・肥料・飼料など生産資材価格の高止まりを招き、農業を取り巻く環境は一層厳しさを増しており、人口減少や高齢化も相まって離農者が増えています。このような状況が続けば、食料危機に瀕するなど深刻な問題として、国民生活や経済活動にも大きな影響を与えることとなります。
他方、2024年6月に改正「食料・農業・農村基本法」が施行し、理念法の柱として「食料安全保障の確保」が明記され、改正基本法を基に25年4月には農業政策の中長期的なビジョンと具体的な政策の方向性として、新たな「食料・農業・農村基本計画」が閣議決定されました。改定にあたってわれわれは、国内農業生産の増大を図る施策への転換など生産者の意見を十分踏まえた計画となるよう、関係機関・農業団体とともに農水省や与野党の国会議員へ強く訴えてきた結果、北海道が「主要穀物などの主産地」であることが明記されるなど、北海道の地の利を生かした潜在力を発揮し、日本の食料安全保障を支える役割を担うこととなります。
しかしながら、本道農業に大きな影響を与えた水田活用の直接支払交付金の見直しにより、水田地帯の衰退が懸念されるなかで、27年度からの新たな水田政策の議論が進められています。方向性として、水田を対象として支援する水活を、作物ごとの生産性向上等への支援へと転換するとしており、農業者からは「営農計画が立たない」など、頻繁に変わる農政への不満や不安の声が挙がっています。また、水田政策の見直しとあわせて、畑作物の直接支払交付金(ゲタ対策)や日本型直払制度等の見直し議論も進めるとされています。
このため、われわれ組織が掲げる「真の農政改革」をもとに、食料安全保障を強化する観点から、将来にわたり多様な農業者が営農を継続できる経営安定対策の確立と農村の再生を図る政策の構築が不可欠と考えています。
本年も農政運動を通じて盟友の皆様と意思疎通を図り、農業課題が山積している中にあって、再生産可能となる直接支払などの実現に向けて、組織一丸となって粘り強く運動展開する所存です。
最後になりますが、本年が皆様にとって、健康で希望に満ちた年となることを心よりご祈念申し上げ、年頭のご挨拶といたします。
