部落解放同盟中央本部執行委員長 西島 藤彦 様
自主・平和・民主のための広範な国民連合第25回全国総会の開催にあたり、日頃よりの部落問題の解決をはじめとした差別問題・人権問題への共同した取り組みに感謝申し上げ、総会の成功を祈念して連帯のメッセージをお送りいたします。
この間の新型コロナウイルス感染症の世界的な拡がりは、新自由主義政策による格差や貧困の問題をいっそう深刻なものにしています。さらに、ロシアによるウクライナ侵略は、いまだに収束せず、激しい戦闘が続いています。このような国内外情勢のもとで、岸田内閣は、沖縄新基地建設や軍事費の増大を強行し、「敵基地攻撃能力」の保持の検討を明言するなど、憲法改悪の策動を強めています。
私たちは、いまこそ、闘いの一致点を拡げる努力をしながら、人権と平和、民主主義、環境を基軸にした政治勢力の結集にむけて全力で取り組みをすすめていくことが求められています。また、中国や朝鮮半島との緊張状態を克服するためにも、日米軍事同盟強化に反対し、対話を基調にした、北東アジアにおける自主的な平和外交の必要性を訴えていかなければなりません。
本年は、全国水平社創立100年という大きな節目の年でもあります。これまでの闘いの総括をふまえ、新たな運動の展望を切り拓きながら、共生社会の実現にむけた取り組みを前進させていかなければなりません。今日、非正規労働者の増大や不安定な生活を背景にして、ヘイトスピーチやヘイトクライム(憎悪犯罪)をはじめ、鳥取ループ・示現舎のように、確信犯的な差別事件、人権侵害が多発しています。私たちは、連帯・協働の闘いを強化し、「部落差別解消推進法」の具体化や狭山第3次再審の闘いなど、部落差別をはじめ、あらゆる差別の撤廃と人権問題の解決にむけた活動をすすめていきたいと思います。
最後になりましたが、第25回全国総会が成功裏に終えられ、組織拡大と運動強化にむけた活動がますます前進することを祈念して、メッセージといたします。