農業再興・食料安全保障の確立へ
JA全中会長 中家 徹
新型コロナで、農業分野でも、外食や業務用需要の減退により、米や牛乳などを中心として幅広い品目で影響が続いています。
一方、コロナ禍により身近な食への関心が高まってきています。こうした状況なども踏まえ、JAグループでは、「国民が必要として消費する食料は、できるだけその国で生産する」という「国消国産」を独自のキーメッセージとして活用し、国民理解醸成をすすめています。昨年、10月16日を「国消国産の日」に制定しました。
本年は、「国消国産の日」を契機に、皆さまに食料を生産する農業・農村などを支えたいと思っていただけるよう、さらなる情報発信を強化します。
JAグループでは昨年、第29回JA全国大会を開催し、「持続可能な農業・地域共生の未来づくり」に向け、「10年後のJAグループのめざす姿」として次の三つを掲げました。
一つ目は、「持続可能な農業の実現」です。中小・家族経営も含めた多様な農業者や関係機関とともに、農業者の所得増大と環境負荷の軽減を両立させ、農業生産を将来にわたって継続しうる地域農業の確立を目指します。
二つ目は、「豊かでくらしやすい地域共生社会の実現」です。組合員、地域住民や地域の組織・団体・企業等の組織・分野の違いにとらわれず、ともに世代を超えてつながりをつくり協働・共助をすすめます。
三つ目は、「協同組合としての役割発揮」です。JAグループの信頼と共感づくりをすすめます。
本年は、JA全国大会決議の実践元年となります。どのような環境変化があろうとも、JAグループの各組織が、それぞれの事業活動を通じ、地域の実態を踏まえて組合員・地域住民の期待にこたえ、「食と農を基軸として地域に根ざした協同組合」として、「なくてはならない」存在であり続けるため、持続可能な食と地域づくりに貢献してまいります。