第14回全国地方議員交流研修会が、7月18日から20日まで、北海道で盛大に開催された。沖縄から北海道まで全国31の都道府県から180人を超える地方議員が参加した。この交流研修会は、広範な国民連合が提唱し呼びかけ、全国の超党派の地方自治体議員による実行委員会が主催した。
18日午後1時半から、全体会合を札幌市の北海道自治労会館大ホールで開催し、6時からは名刺交換会がホテル札幌ガーデンパレスで行われた。全体会合では、現地実行委員長の高橋亨北海道議会議員が歓迎のあいさつをした後、中村進一全国実行委員会代表(三重県議会議員)が主催者挨拶を行った。続いて来賓あいさつを日本労働組合総連合会北海道連合会の出村良平会長、北海道農民連盟の中原浩一書記長、北海道商工連盟の峰崎直樹会長、札幌市長代理の町田隆敏副市長から受けた。
記念講演を「トランプ政権と日本――地域の自立、自主の日本。アジアの平和」と題して亀井静香衆議院議員が行った。続いて特別報告を、「北海道の現状と地方自治体の課題」について逢坂誠二氏(衆議院議員、元ニセコ町長)、「沖縄の現状と課題」について吉田勝廣氏(沖縄県政策調整監、元沖縄県議会議員、元金武町長)が行った。また、「辺野古基金」運営委員長の山内末子氏(元沖縄県議会議員)が、沖縄の闘いへの連帯と支援を呼びかけた。
広範な国民連合全国事務局の山本正治事務局長代行が問題提起を行った。
二日目19日は朝から、5つの分科会に分かれて地方自治体と日本の政治課題についての熱心な議論が行われ、その後、再び全体会合を持って、その討議内容が報告され、引き続き議論が深められた。
全体会合では、第2分科会「PFI・コンセッション。新たな民営化で地域経済は活性化するか」の議論を踏まえた、「国が地方に求めるPPP/PFI(コンセッション)推進方針に対する声明」が提案され、満場の拍手で確認された。
また、第4分科会「地方自治体・地方議会からアジアの平和と共生に取り組む」の議論を踏まえて、露木順一氏(日本大学教授、元神奈川県開成町長)が、朝鮮半島の緊張緩和の突破口を全国の地方議員が切り開く必要があると問題提起した。この提起を受けて、福岡県日朝友好協会会長の北原守氏(元福岡県議会副議長・公明党)から、「朝鮮半島の緊張緩和、日朝関係の打開をめざして、朝鮮のことを知り理解を深めるために全国地方議員の訪朝団を送ろう」との呼びかけがなされ、満場の拍手で確認された。
20日は、夕張市を視察訪問した。夕張市鈴木直道市長のあいさつの後、厚谷司市議会議長から、炭鉱閉山に伴う市財政破綻の経過・原因とその後の「財政再建」の現状と課題について報告を受けた。その後、夕張市内を視察したのち、解散した。
今回の全国地方議員交流研修会は、全国どこでも地域の疲弊、住民各層の貧困化が著しいが、中でも「21世紀日本の縮図」とまで言われJR廃線計画なども出され深刻な状況に直面する北海道で開催された。貧困化する国民各層の不満と怒り、要求の最も身近で政治に携わる全国の地方議員が、地域から政治に発言していくことがこれまでになく求められた。
とくに、朝鮮半島情勢など戦争の危機も高まる中で、地域住民の安全に責任を持つ立場の地方議員が、党派を超えて国に対し、日本独自の自主的な平和外交を求め、全国の地域が平和で豊かに暮らせる政治実現のため奮闘することが強調された。
また、沖縄県が翁長雄志知事を先頭に、県民生活の安定向上と平和な環境づくりに日々奮闘している経験に学びながら、全国どこでも地域住民とともに、地域経済と暮らしの安定向上、地方自治と民主主義のために汗を流し、国にも物申す知事など首長を実現すべきだとの発言も目立った。
全国の地方自治体議員が党派を超えて経験を交流し、議論する中で地域と国の政治を変えていく連携を確認する重要な交流会となった。