日本は自主外交で平和・国交樹立へ
アメリカは、3~4月の米韓合同軍事演習集終了後も、5月に入って横須賀基地を母港とするロナルド・レーガンを日本海に派遣、ジョージ・ワシントンとともに2隻の原子力空母打撃群態勢で、朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)への軍事威嚇・圧迫を強めている。朝鮮側は、発射を探知されにくい移動式で在日米軍基地を射程とするミサイルを発射して対抗する意思を明らかにし、金正恩委員長はミサイル量産を指示したという。
米軍は、南シナ海での「航行の自由作戦」を再開、中国への圧力も強めている。
米国の朝鮮敵視攻撃と、それに追随し脅威を煽る安倍政権の緊張激化策動に反対し、自主的な外交で、平和、日朝関係の改善、国交正常化をめざさす闘いを強めなくてはならない。
幅広い呼びかけで緊張緩和をめざす緊急集会
情勢が緊迫している中で、4月27日、東京の日本教育会館で、「米国は朝鮮への威嚇をやめよ! 安倍政権は独自外交で緊張を緩和せよ!」緊急集会が開催された。
集会は、角田義一・元参議院副議長、亀井静香・衆議院議員、鈴木宣弘・東大大学院教授、松本耕三・全港湾委員長など、各界からの幅広い80人以上の呼びかけで取り組まれた。広範な国民連合からも、西澤清、原田章弘、武者小路公秀の3代表世話人などが呼びかけに加わった。
集会では、角田義一氏、山田正彦氏(元農水大臣)、日森文尋氏(朝鮮の自主的平和統一支持日本委員会議長)、唐澤武臣氏(国労中央本部書記長)、野平晋作氏(ピースボート共同代表)、西澤清氏、富山栄子氏(新社会党朝鮮半島問題プロジェクトチーム代表)、秋山秀男氏(日本労働党中央委員)、横田昌三氏(社民党全国連合常任幹事)ほかが発言した。共通して、軍事威嚇を強化しながら一触即発の状況をつくり出しているトランプ政権を非難し、安倍政権が米国の戦争策動に追従・協力するのでなく、緊張緩和のために自主的に役割を果たすべきだと強調された。
集会には、鳩山由紀夫氏、鈴木宣弘氏などからメッセージが寄せられ紹介された。最後に、集会アピールを芦沢一明氏(渋谷区議会議員)が提案し確認された。
今後、朝鮮半島と東北アジアの緊張緩和、平和のため自主外交を実現し日朝国交正常化の早期実現に向けての世論を高めていく方向を共有した。
流れに抗して広範な連携を
衆参両院の全会一致決議をはじめ朝鮮敵視、非難の大合唱である。共産党のような野党まで、朝鮮が「宣戦布告だ」と反発する、「経済制裁強化」を声高に主張している。政府・自民党は、明らかに「専守防衛」安保政策を超えるトマホーク導入など敵基地攻撃能力獲得に前のめりである。
こうした時だけに、平和と自主外交を要求する声を上げたことはきわめて重要である。呼びかけられた人びと、賛同された人びとの決意と努力に敬意を表する。流れに抗して声を上げれば、同じ志の人が至る所にいることが分かる。韓国では、自国の運命は自国が決める、アジアのことはアジア人の手でと主張し、この流れが大統領をつくり出すまでに発展した。これが時代の流れである。全国的に連携を強め、平和と自主外交を要求する声をとどろかせよう!