書評や著者インタビューから本書の読みどころの一端を
東京大学大学院教授 鈴木 宣弘
平凡社新書の『農業消滅』が話題を呼んでいる。まだお読みでない本誌読者の皆さんに向け、著者の鈴木宣弘氏に頼んで、この間マスコミなどに掲載された書評や著者インタビューに触れながら、本書の〝読みどころ〟を紹介していただいた。(編集部)
鈴木宣弘著『農業消滅 農政の失敗がまねく国家存亡の危機』(平凡社新書、2021年7月発行、968円)
東京大学大学院教授 鈴木 宣弘
平凡社新書の『農業消滅』が話題を呼んでいる。まだお読みでない本誌読者の皆さんに向け、著者の鈴木宣弘氏に頼んで、この間マスコミなどに掲載された書評や著者インタビューに触れながら、本書の〝読みどころ〟を紹介していただいた。(編集部)
鈴木宣弘著『農業消滅 農政の失敗がまねく国家存亡の危機』(平凡社新書、2021年7月発行、968円)
JAICOWS会長 羽場 久美子(神奈川大学教授、青山学院大学名誉教授)
現代日本の高等教育が非常勤講師という名の非正規雇用者によって支えられていることに多くの人は気が付いていないでしよう。非常勤講師の実態については、文部科学省の「学校基本調査」や総務省の「労働力調査」にも詳しく取り上げられることがなく、ほとんど知られていません。
このたび、「女性科学研究者の環境改善に関する懇談会(JAICOWS)」が、非常勤講師を対象とする調査を実施し、その結果を小冊子にまとめました。 続きを読む
嘉田由紀子 著 風媒社刊 定価(本体1800円+税)
由良 隆(自営業者、広範な国民連合・京都会員)
私の古い友人である嘉田由紀子さん(前滋賀県知事)が滋賀県政の政策形成過程を振り返って、現在の問題意識をつづった本を最近出版した。非常に興味深い内容なので、ぜひご一読を願って紹介したい。
ジャーナリスト 竹信三恵子
少子高齢化の進展にもかかわらず財政難の中で社会保障は行き詰まり、中間層の地盤沈下によって、「低所得層への救済」どころではないという空気も強まっている。そうした中で、「大きな政府」による国民の安心を目指してきたリベラルは、どうすればいいのか。本書は、その対策として、広く薄く負担する消費増税を通じ、中間層も含めた幅広い層に基礎的な公共サービスを手厚く保障する政策を提案する。合言葉は、「みんながみんなのために」。ただ、そこで湧いてくる疑問は、「みんな」とはだれのことか、ということだ。 続きを読む