日本農業と食料を守るために
農業振興こそ安全保障の要
鈴木宣弘先生の問題提起
第18回全国地方議員研修交流会(7月24日・川崎市)の第1分科会「日本農業と食料を守るために」の要旨を紹介します。鈴木宣弘東京大学大学院教授の問題提起、3人の現場報告、それに討論要旨です。危機的状況にある農業と、安全安心の食料自給の闘いを発展させる上で重要な問題提起になっています。(見出しとも文責編集部)
鈴木宣弘先生の問題提起
第18回全国地方議員研修交流会(7月24日・川崎市)の第1分科会「日本農業と食料を守るために」の要旨を紹介します。鈴木宣弘東京大学大学院教授の問題提起、3人の現場報告、それに討論要旨です。危機的状況にある農業と、安全安心の食料自給の闘いを発展させる上で重要な問題提起になっています。(見出しとも文責編集部)
本誌編集長 山本 正治
「経済安全保障法」が5月11日、野党を含む賛成多数で成立した。
高度な先端技術の海外流出を防ぎ、経済や生活に欠かせない物資を確実に確保するため、政府が企業の活動を罰則付きで監視、あるいは助成するという。
実質は米国の対中戦略に沿ったものだ。バイデン政権の「専制主義」との闘い、経済サプライチェーンの分断、経済のブロック化を前提にしており、東アジアの緊張激化と経済混乱を促すだけだ。しかもわが国の、経済面での対米自主を妨げ、従属関係からますます抜け出せない構図である。犠牲はわが国企業と国民に押しつけられる。
中国をはじめアジア諸国との共生をめざす自主的平和外交だけがこの危機からの脱出の策である。
『日本の進路』編集部
物価高騰が国民生活を直撃している。
全国消費者物価の先行指標、東京都区部3月中旬速報値では2月と比べてわずか1カ月で、都市ガスが4・4%、電気代3・4%など上昇幅が急拡大。食料品全体も2月は前年比2・8%増、とくに生鮮食料品は10・1%増。3月以後、とくに4月は値上げラッシュだ。
ロシア・ウクライナ戦争での資源・食料価格高騰、経済制裁と3月米国の利上げを引き金にした円安急加速などで輸入コストは増大、物価がさらに押し上げられる。政府小麦の売り渡し価格の大幅な引き上げで、すでに食パン(2月、前年比+8・2%)などが大幅値上がりだが、小麦の世界輸出の3割をロシア、ウクライナで占め、9月の売り渡し価格大幅引き上げは避けられない。
この物価高騰が続いたら国民生活は破綻だ。とりわけ、所得が少ない世帯は生活必需品の支出ウェイトが大きく、すでに大きな打撃を受けている。