■2022年新春メッセージ  高良 鉄美

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半世紀の地政層―沖縄返還と日中国交正常化

沖縄社会大衆党委員長 参議院議員 高良 鉄美

 

 本年5月15日、沖縄は復帰50年・半世紀を迎える。中途半端な5月15日というのは、日米の年度開始日の4月1日と7月1日の中間日に落ち着いたからである。まず、この点に沖縄は日米関係の狭間にいることが如実に表れている。


 日米関係の狭間は他にもある。沖縄分離に関わる米国の施政権を承認する対日平和条約(サンフランシスコ講和条約、日本と48カ国)第3条の中身は実質的には日米関係の狭間である。分離は多数国間条約でありながら、返還は日米2国間の協定だからである。対日平和条約の発効により、1952年4月28日に沖縄が日本から分離されてから、今年は70周年になる。ちなみに、沖縄社会大衆党は50年10月31日、沖縄分離までの2年弱の間で急ピッチで、「自立経済に入り、日本国憲法の精神を堅持しながら、真の地方自治の確立により新琉球を建設すべし」と結党宣言を発した。
 もう一つの70年は、対日平和条約と同時発効した日米安保条約(旧)である。この条約は改定(1960年)後も、日米間の対等関係構築の羈絆(足手まといとなる身辺の物事)と化してしまってはいないだろうか。米中対立関係の中で日米安保の桎梏によって、戦争を望まない沖縄が自動的に日中の戦場となり得るのではないかと強く懸念する人は少なくない。
 ちなみに沖縄の憲法空白期間は25年、四半世紀であり、空白の存在自体も日米関係の狭間にあったが故である。沖縄に対し「潜在主権」の語を用いながら、憲法から適用除外することを考えたのは、日本政府の主権意識の欠如と主権概念の無理解の証左である。
 沖縄が東西南北を米中台日に囲まれた地理的環境にあるのは変えようのない現実であり、この地は現在最も国際的緊張の高いベクトルの交差点の一つでもある。しかし、むしろ沖縄の歴史からすれば、沖縄のこの位置はリアルな「万国津梁」の力を発揮する最大のチャンスかもしれない。琉球は、中国・朝鮮国、日本と親密な関係を持ち、これらの国の中間に位置する南海の蓬莱島である。万国の架け橋となり、各国の宝に満ちあふれ人々の心も日本や中国のすぐれた徳の教化をまねくというのが「万国津梁」の云われである。
 日本を文字通り米中が挟んでなされた沖縄返還協定と日中国交回復という国際的意義のある国家行為が重層的に半世紀を迎えることに、日本政府はきちんと意義を見出すべきであり、千載一遇の好機ともいえる。しかも実際に日米安保と日中平和協力が沖縄を中間線に綱引き(Tug of War)している構図なのである。もう一つ半世紀を迎えることになるのが、形式的にせよ復帰により沖縄に憲法が適用されるようになった期間である。憲法前文に高らかに謳われている平和理念には、日本の国際的立ち位置と役割が一点の曇りなく描かれている。
 日本が絡みながら半世紀を迎える二つの層が重なり、その隙間にも70年や四半世紀までもが重なっているのは、歴史の偶然ではないのかもしれません。形式的「復帰」はあっても、沖縄が平和憲法の下へと求めた、真の「復帰」はいまだ実現されていない状態に置かれている。幾重にも半世紀迎える今年こそ主権者国民の力で、憲法の理念を体現し、沖縄復帰と日中国交回復の理念を融合させていきましょう。チバリヨー、グスーヨー、マキテーナイビランドー。

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