特集■米軍・「核の傘」に依存しない、安全保障・防衛の対抗軸をめざす

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 日本の安全保障問題の局面は急展開している。戦争の策源地米軍に依存しない真の安全保障確立へ国民的議論が必要である。
 米軍は今年に入って毎月、南シナ海での「航行の自由作戦」を実施し、地域の軍事緊張を煽っている。「南シナ海の軍事衝突は時間の問題」と題して元米海軍大将・元NATO(北大西洋条約機構)欧州連合軍最高指令官のジェームズ・スタブリディス氏が、「一時的な措置により、21世紀初めの2つの大国による海洋をめぐる争いという根本まで解決することはできない。今後10年の主要なリスクになるだろう」と発言した(6月1日付「日本経済新聞」)。この中で氏は、「米国は現在、同盟国との対抗策を主導している。具体的には英国やフランス、オーストラリアの海軍と日本の海上自衛隊が人工島周辺の巡視を計画・実施している」と、すでに自衛隊が介入していることを公にした。
 南シナ海だけでない。中国の不可分の領土で最も敏感な台湾をめぐっても挑発がエスカレートしている。今年に入って毎月、米艦隊は台湾海峡を通過し軍事威圧・挑発を繰り返してきたが、米国防総省は6月1日発表の「インド太平洋戦略報告書」で台湾を「国家」として表記し、いわばレッドラインを越えた。トランプ政権は台湾の求める戦闘機や戦車の輸出にもゴーサインを出した。「台湾」問題は中国の、まさに核心中の「核心的利益」である。
 さらに米国は、ホルムズ海峡での「有志連合軍」を打ち上げ、日本への参加を求めた。
 他方、トランプ大統領は「日米安保条約は不平等だ」と。もっと金も人も基地もよこせ、アメリカの軍事戦略に協力せよ、そうでなければ「日本を守らない!」ということだ。
 「日米同盟に頼っていれば安心だ、米軍が『核の傘』で守ってくれるから」という安全保障観がまったく成り立っていないことが公然化した。むしろ、アメリカの戦争政策に巻き込まれるだけだ。
 日米同盟強化の安全保障政策に代わる、真に地域の平和を確保しわが国の安全を保障する対抗軸が求められている。
 「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)の川崎哲氏も、「対抗軸を示せ」「日本の安全は米国頼みという発想がしみついている」「日米安保は岐路に立っている。新しい安保ビジョンが必要だ。核抑止力に頼らない安保のあり方を野党は示すべきだ。ほとんどの政治家の頭の中は冷戦時代のままだ」(「東京新聞」7月7日)と、と野党に求めていた。まったくその通りだ。
 広範な国民連合は昨年11月の全国世話人会議で「日米同盟強化路線に代わる対抗軸を明確にする」ため、「米軍に依存しない日本の安全保障」「軍事力に頼らない平和保障」政策について国民合意をめざすことを確認した。
 本誌は今回、元防衛省で小泉政権時の安全保障担当の内閣官房副長官補を務めた柳澤協二さん、元外務省で経済協力局長や外務報道官を務めた英正道さんの二人に提起してもらう。(提起は順次公開します。)

 活発な議論が国民合意形成に寄与すると確信する。

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