国民連合第23回全国総会が三重県伊勢市に於いて開催される

動画

歓迎のあいさつ
 中村進一 氏(三重県議会議員・三重県代表世話人・全国世話人)

主催者あいさつ
 西澤清 氏(広範な国民連合代表世話人)

来賓あいさつ
舟橋 裕幸 氏(三重県議会議長、三重県日中友好協会会長)
川内 博史 氏(鹿児島県第1 区、立憲民主党)
大谷 篤史 氏(全国農団労書記長)

各界からの発言
角田義一 氏(元参議院副議長)
北原守 氏(福岡県日朝友好協会会長)
山内末子 氏(前沖縄県議会議員)
萱原成樹 氏(全日建連帯労組 関西地区生コン支部執行委員)

講演 丹羽宇一郎氏
「混迷を深める世界、日本の将来を考える」01
「混迷を深める世界、日本の将来を考える」02
「混迷を深める世界、日本の将来を考える」03


以下、概要。

全国の各界各層の怒りと力を結集し、
平和と自主の新たな政治勢力を促す

 自主・平和・民主のための広範な国民連合は、11月18、19日の二日間、第23回全国総会を三重県伊勢市において開催しました。総会には、全国から約200人が参加し、熱心な討論を行い、新しい方針と役員体制を決定しました。
 屈辱的な対米従属政治への国民の支持は完全に失われています。にもかかわらず対抗軸、代わるべき政治方向とそれを担う政治勢力が存在しない中で、この総会は、平和と自主の日本を実現する新たな政治勢力を促す努力を確認しました。この総会の成功は、これからの情勢の中で必ずや重要な意義をもつであろうことを確信します。
 来賓の皆さん、全国で支えてくださった会員の皆さん、とりわけ開催地三重県で奮闘された会員の皆さんに、心からお礼申し上げます。

 初日冒頭、現地実行委員長を務めた中村進一・三重県議会議員(三重県代表世話人・全国世話人)が歓迎のあいさつを行いました(別掲)。続いて議長団が選出され、松尾ゆり・杉並区議(東京世話人)、越川好昭・綾瀬市議(神奈川世話人)、それに澁谷文孝・大阪運営委員(演出家)が就任しました。西澤清・全国代表世話人が主催者を代表して開会あいさつを行いました。
 来賓を代表して、舟橋裕幸・三重県議会議長(三重県日中友好協会会長)、川内博史・衆議院議員(立憲民主党)、大谷篤史・全国農団労書記長から激励と連帯のあいさつを受けました。次いで各界からの発言として、角田義一・元参議院副議長、北原守・福岡県日朝友好協会会長、山内末子・前沖縄県議、萱原成樹・全日建連帯労組関西生コン支部執行委員の4氏が発言されました。
 その後、北海道農民連盟をはじめ各界各団体と国会議員はじめ各級の広範な国民連合推薦議員などからの数多くの祝電・メッセージが披露され、広範な国民連合の活動と連帯の広がりが示されました。

主権すらない実態をなぜ政治は問題にしないのか

 「混迷を深める世界、日本の将来を考える」と題して日中友好協会会長で元駐中国大使の丹羽宇一郎氏が記念講演を行いました。「これから複雑な国際関係の中で日本がどう生きていくか。この問題を考える際に、日本の内部に隠されている『日米合同委員会』のような驚くべき実態がある。日本には国家主権さえなく、米国にバカにされている。日米地位協定の問題は何一つ解決されず、沖縄は犠牲にされ野党もそれを見過ごしている」として、米国に支配されている日本、それを問題にできない現状を批判。さらに、中国が米国を上回る力をつけつつあり、「日本はすでに中国とは国力で大きく差が開いている」などと指摘し、こうした国際関係についての正しい認識が必要であり、「米中の大国間関係に巻き込まれず、挑発のグループに入らず、戦争に近づかない外交をするべきだ」と提起しました。
 また、「5大国だけが核を独占し、さらにインド、パキスタンも保有しているのに、朝鮮だけが持ってはいけないとなぜ言えるのか。こうしたことに勇気をもって発言する人が少なくなっている」「9条改憲問題など安倍政権は明らかに戦争に近づいている。行動を起こしていこう」と力強く呼びかけました。(本誌次号18年1月号に掲載予定)
 有数の商社である伊藤忠商事の社長、会長を務めた財界人で、外交にも深く関わってきた同氏が、戦争に近づかない自主外交など、広範な国民連合の政治方向を支持し、対米従属政治からの脱却を明快に語られた意義は大きなものがあります。その後、加藤毅事務局長が、第1号議案「激動の内外情勢と当面の方針」について提案を行いました。
 第一日目の議事終了後、「交流懇親会」がホテルの会場で開かれました。浜中正幸・広範な国民連合・三重事務局長(元自治労三重県本部委員長)が司会し、吉田伸・代表世話人のあいさつの後、地元伊勢市選出の廣耕太郎・三重県議会議員の音頭で乾杯、交流と懇親が行われました。全日建連帯労組近畿地方本部委員長の垣沼陽輔氏をはじめ全国の仲間たちと三重県議会議員や伊勢市議会議員をはじめ地元の多くの友人たちが参加しました。

朝鮮半島での戦争の危機を止める

 二日目は、武者小路公秀・代表世話人のあいさつで始まりました。武者小路氏は、トランプ大統領のアメリカは最後の力を出そうとあがいているがそれに従うのではなく、「一帯一路」の東の端の国として、中国と協力して地域の平和と発展に貢献する国にならなくてはならないと提起しました。
 その後、この期間の全国活動や、内外情勢、以降の方針について、提案された議案に沿って参加者の活発な討論が交わされました。
 討議では、この2年間の各地での取り組みの経験から、平和と自主の方向をめざして国民運動を強めていくという、広範な国民連合の方向に自信をもった発言が相次ぎました。
 特に、全国地方議員訪朝団の派遣について積極的な意見が相次ぎました。
 福岡県からは、昨年の県南でのTPP反対、今年は北九州市で辺野古への土砂搬出に反対、また先日は柳川市で佐賀空港へのオスプレイ配備反対と、各地域で問題となっている要求を取り上げた報告がありました。こうして全県に影響と組織を広めつつある経験は参加者全体の確信となりました。また、神奈川県では第二の基地県であることから日米地位協定の抜本改定をめざす県民運動を組織していることが報告されました。
 露木順一氏(元神奈川県開成町長、日本大学教授)は、「広範な国民連合は一貫して対米一辺倒の政治を変えることを明確にしている日本で唯一の団体だ。自立した日本をめざすことが最も重要だ。その勢力を強める上で今後のカギは地域の経済問題、どうやってメシを食べるのか、そこでの運動や政策が重要だ。左の勢力はそこが弱い。そこを打開するとともに、さらに全国で県知事を代えていくような大胆な闘いが必要だ」と提案されました。
 会場では、佐賀空港へのオスプレイ配備に反対する「住民の会」が呼びかける佐賀県知事へのはがきが配布され取り組みが呼びかけられ、また、不当解雇と闘う東京のフジビ争議団へのカンパも行われるなど、闘いの雰囲気にも満ちた総会となりました。

 新たに元参議院副議長の角田義一氏が代表世話人に就任するなど、新しい役員体制が提案され、承認されました。新事務局長に就任した山本正治氏が討論のまとめを行いました。佐々木道博・代表世話人が、地元三重県の皆さんの努力に敬意を表し閉会あいさつを行い、二日間の日程を終えました。
 今回の全国総会は、これまでにもまして活気に満ち、今後の方針、課題も鮮明で、展望が広がり、一つの画期をなす総会となりました。戦争も含む激動の情勢の中で、労働者、農民、中小商工業者などの要求と闘いを基礎に平和と自主の新しい政治勢力の発展を促す努力を確認し、展望を胸に、参加者たちは全国に散ることができました。

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