2014年 新年のあいさつ

国の完全な独立とアジアの平和・共生

国民生活の危機を打開するために!

新年おめでとうございます。

 昨年は、強制歳出削減や政府機関の一部閉鎖など、誰の目にも明らかなほどアメリカの衰退が急速に進みました。中国が「新しい大国関係」を求め、アメリカが容認するなど、米中の力関係もきな臭さを伴いながら変化しました。そうした世界の変化のなかで、安倍政権は対米従属下の軍事大国化へ前のめりで踏み込みました。

 今年2014年はどんな年になるでしょうか。

 世界的な動きから言うとアメリカの中間選挙が11月にあり、与野党の対立は激しくなる年です。2月に期限が来る債務上限問題で与野党が合意できるかどうか。昨年のような危機を迎える可能性はないのか。1月から米FRBは量的金融緩和を縮小し、月850億ドルの証券購入額を750億ドルに減らします。「その後の減額ペースは景気のようすを見て。証券購入の終了は来年後半までかかる」と慎重ですが、昨年は縮小を口に出すだけで、新興国の経済や政治は深刻な打撃を受け、日本も揺さぶられました。実際に行われれば、日本はどんな影響を受けるのか。「アメリカがくしゃみをすれば風をひく」対米従属国の日本です。ただではすまないでしょう。 

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 安倍政権は、デフレ不況から脱却すると言ってアベノミクスを始めました。脱却できるでしょうか。安倍政権は財界に賃上げを要請しましたが、応じられるのは大企業だけですし、非正規化が進む中で多くの労働者は賃金が下がることはあっても、全体の賃金が上がることはないでしょう。大企業は国内に投資せず、海外に向かっており、設備投資が増える見通しはありません。中小企業や商工自営業者、農漁民は、円安で燃料費や原材料費が値上がりし、経営を維持するのに四苦八苦しています。4月から消費税は8%に上がり、消費はさらに冷え込みます。デフレ不況からの脱却はできないと思います。

 脱却できないだけではありません。日本の税収等(約45兆円)は国の支出(約90兆円)の半分くらいしかなく、残りの半分(約45兆円)は国債発行でまかなっています。だから、借金は雪だるま式に増えて、いまではGDPの2倍、千超円を超え、利子だけで毎年10兆円も払っています。期限が来た借金は新たな借金(借換債)で返しています。2014年度の国債発行額は借換債も含めて180兆円、日銀が購入する国債額は60~70兆円です。14年度末に、日銀は金融緩和を続けるか否か、選択を迫られます。やめれば国債下落です。続ければ財政ファイナンスで信用を失い、やがて国債下落です。

 アベノミクスがだめならどうするか。不況の根底にあるのは需要不足です。今までの歴史的な経験で言えば、最後の需要はニューディールつまり大規模な公共事業、それもだめなら軍需産業つまり戦争でした。安倍政権は危機感をあおって、日米同盟強化のもとに特定秘密保護法を制定し、国家安全保障会議を設置し、武器輸出と集団的自衛権をセットで唱えました。いずれにしても破たんは避けられません。今から覚悟して、それに備えなければなりません 。

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 こういう時に、本来なら政党や政治家が音頭をとって大衆を組織し、闘いの方向を示して、力を合わせて闘おうと旗をふるべきだと思います。そうせず、集会に来賓で来ること自体に私は疑問を感じています。政党や政治家が役割を果たしていないと思います。安倍政権は各階級、各階層に目を配り、国民各層が団結して政府に歯向かわないように手を打っています。労働組合の中にまで手を突っ込んで来ています。

 安倍首相なんかに負けるわけにはいきません。今年はみんなで学習して力をつけ、闘いの方向を示したり、国民各層の人たちが手をつなげるようにしようではありませんか。

 我田引水になりますが、昨年の暮、東京の国民連合は「オリンピックと国家戦略特区」ということで、いろんな人たちが集まって都政研究の勉強会をやりました。何人かの人たちがいろいろ調べてきて、わかったことを報告してくれました。わからないことも率直に出し合いました。学者を呼んで学習するのも必要ですが、自分たちが手分けしてチューターになってやると、ものすごく力がつきます。すばらしい勉強会でした。

 教室の中だけでなく、労働組合や町工場や商店街や農村、さまざまな労働や闘いの現場に出かけて行って、そこで働いたり闘ったりしている人たちと話し合うことができれば、とてもすばらしいと思います。

 国の完全な独立とアジアの平和・共生のために、国民生活の危機を打開するために。  労働者、中小零細商工業者、農林漁業者の広範な統一戦線をめざして一歩前へ。
 今年をそんな年にしましょう。

2014年1月
広範な国民連合代表世話人 西澤 清

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