2012年 新年の訴え

国民大多数のための政権をめざして

国の完全独立と国民生活防衛の国民運動を!

 新年おめでとうございます。
 広範な国民連合賛同人のみなさん、『日本の進路』読者のみなさん。日頃のご支援、ご協力に心からお礼を申し上げます。
 米国は昨年夏、一時デフォルト(債務不履行)寸前まで追い込まれました。巨額の財政赤字で行きづまった米国は、アジアに活路を求めて戦略を転換しました。APEC(アジア太平洋経済協力)でのTPP推進に続き、米海兵隊のオーストラリア駐留、インドネシアへのF16戦闘機の大量売却など、経済・外交・軍事で中国を圧迫する姿勢を鮮明にしました。東アジア首脳会議は米中が激しくつばぜり合いを演ずる場となり、アジア情勢は一変しました。  欧州では、ギリシャに始まった債務危機はスペイン、イタリア、フランス、ドイツなどEU全体を巻き込む事態に発展しました。

 2008年のリーマン・ショックで始まった世界経済危機は、本格的な第2幕開始の様相を見せ始めました。リーマン・ショックの危機対策が国家債務危機を起こし、金融や緊縮財政による実体経済の深刻な危機に発展する状況になっています。比較的高成長してきた新興国の経済もインフレや輸出減などで曲がり角です。各国は新たな破局がこれまで以上に避けがたくなっているように思われます。米国で、欧州で、中東・北アフリカで、犠牲を押しつけられた民衆の闘いが広がっています。第二次世界大戦以後では最大の歴史的激動期の中で、どの国も自国の利益を守るため、戦略的な展望をもって対処しようとしています。

 それなのにわが国はどうでしょうか。民主党政権になって野田内閣はすでに三代目ですが、ますますアメリカの言いなりとなり、国民に犠牲を押しつけ、アジアの共生を妨げる日米同盟深化の道にのめり込んでいます。「動的防衛」などと言って沖縄の離島への自衛隊配備を進め、辺野古のアセスメント結果の年内提出を強行するかまえです。米国主導のTPPへ事実上の参加を表明し、中国との対立を深めています。

 大企業には野田政権は減税や様々な支援をしています。一方、国民生活の危機は深刻です。労働者の賃金は下がり続け、失業率は高止まり、農漁民は展望がなく、中小零細企業は廃業・倒産に苦しんでいます。その上、国民大多数には大増税を進めています。被災した労働者、農漁民、中小零細商工業者などの生活と営業は復興していません。原発事故の処理も、損害賠償も、放射能除染も進んでいないのに、原発再起動、原発輸出へと動いています。こういう国の進路、政治に展望があるでしょうか。

 結成以来、「自主・平和・民主の国の進路」を主張してきた広範な国民連合の役割はますます重要になってきていると思います。こうした情勢の中で、昨年秋の全国総会には、広範な国民各層の諸団体や指導的な人々が参加し、連携を深めました。そして「国民大多数のための政権をめざして、国の完全な独立と国民生活の危機突破の闘いを発展させ、広範な国民各層の連合を実現する」ことを基本方針として決定しました。また当面して重視する課題として、以下の課題を重視して闘います。

  1. TPP参加反対、東アジアの共生、
  2. 普天間基地の辺野古移設反対、米軍基地撤去、
  3. 被災者救援・復興、原発廃止、
  4. 大増税反対。

さらに、各県では、「県民大多数のための県政、県知事の実現」をめざして闘います。

 政治への不満と怒りは高まっています。沖縄県民は普天間飛行場の辺野古移設に反対して、頑強に闘いつづけています。8割を超える県民世論を背景に、県議会も県知事も島ぐるみで辺野古移設反対を堅持しています。またTPP交渉参加に反対する闘いでは、全国各地の農業者、消費者、医療関係者などが連携して闘いに立ち上がりました。しかし、残念ながら、野田政権は事実上の交渉参加に踏み切りました。

 どうすれば沖縄の米軍基地を撤去できるでしょうか。どうすればTPP交渉参加を阻止できるでしょうか。闘いの条件は急速に発展しています。生存の脅かされた国民各層は闘いを余儀なくされています。問題は対米従属で財界中心の政治に対抗する「もう1つの、独立自主の国の進路」が国民のはっきりと見えていないことです。昨年私たちが提起したように、震災復興でも「財界中心の復興か」「国民大多数の復興か」2つの道が争われています。沖縄の基地問題も、TPP問題も、対米従属で財界中心の政治を根本的に転換しなければ解決しません。国民大多数の政権をめざして壮大な国民運動を発展させる必要があります。とくに労働運動がこうした国民運動の中心の役割を果たせば、政治を変える壮大な国民運動の戦線は可能となると思います。

 今年は、日中国交正常化、沖縄本土復帰から40年目です。国民大多数のための政権をめざし、国の完全独立と国民生活の危機突破の闘いを発展させ、広範な国民各層の連合を実現する飛躍の年にしようではありませんか。

2011年1月
自主・平和・民主のための広範な国民連合

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