自らの住まう地域に
自らが責任を持つ当事者意識が大事
宮城大学特任助教・陸上自衛隊予備自衛官補 阿部 晃成
2011年3月11日の東日本大震災で一晩の漂流を経験した私は、津波によって壊滅的な被害を受けた宮城県石巻市雄勝町の復興に当事者として関わってきました。復興まちづくり協議会への参加や、雄勝町の雄勝地区を考える会といった自治組織も運営しました。実際に進められた被災者の多くが故郷を離れざるを得なくなる〝災害危険区域〟の指定や、3階建てのビルより高い9・7mの巨大防潮堤などの復興計画に対して、現地再建や原型復旧といった対案を示しました。しかし、結局のところ石巻市は被災者の意向を丁寧に聞くことなく、トップダウンの復興計画を実行してしまいます。 続きを読む