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『日本の進路』地方議員版7号
キャンプハンセン実弾演習による山火事被害
がまんも限界 生命の危険と自然破壊
沖縄県金武町議会議員 石川真明
今年2月、米軍実弾演習による山火事があった直後に、那覇の防衛施設局、外務省の特使、県議会議長、米総領事にこういうことが起きないよう要請しました。
ところが3月30日には5度目の山火事で105万uが焼失しました。いくら我々が抗議し要請しても改善のあとが見られません。町議会は全会一致で意見書を決議し、代表8名が上京して額賀副官房長官はじめ関係省庁に訴えました。
山火事があると水源かん養林が焼失し飲料水、農業用水がなくなります。雨が降ると海に赤土が流れ、珊瑚礁に堆積して多いところでは1mにもなります。珊瑚も死に、沖縄特産のもずくもとれなくなりました。かつては南風で海が荒れると海草が砂浜に打ち上げられました。蛤もいっぱいとれていました。それがいまは海草も蛤もとれなくなりました。海は汚れ仮死状態になっています。被害ははかり知れません。
自然が破壊されると人間の情緒や心もおかしくなります。特に感受性の強い若者、子どもに与える影響ははかり知れないものがあります。私は住民700名くらいの伊芸区に住んでいます。私達のところは米軍演習の標的の様にされおり、1988年に、米軍によって9発の弾が撃ち込まれ、1発は民間人の腹をかするという被害がありました。この時はすぐに町民大会を開き、基地撤去、全面返還を決議して、東京まで行って直訴しました。
SACO合意によってギンバル訓練所が返還されることになりました。しかし、これは条件付き返還なんです。ヘリパットがブルービーチに移動することによって新たに海の公害、墜落事故、騒音公害等の問題が発生します。本土の皆さんもこの沖縄の現実をもっともっと知って欲しいと思います。
もうがまんも限界です。改善されないと、住民大会でも開かなければと、日に日に不満が高まっています。 (談 文責編集部)
日本の進路・地方議員版7号より
米軍演習による山火事に対する書見書
平成12年3月30日、キャンプハンセン演習場レンジ2付近に於いて実弾演習による山火事が発生し27時間も燃え続けた。現場は過去にも幾度となく火災を繰り返しているところであります。
再三再四の抗議にもかかわらず、今年に入ってからすでに5度目であり、米軍は、今回もまた、105万平方メートルにおよぶ膨大な面積を焼失せしめた。
再生しつつある自然が破壊され、赤土が流出し海浜を汚染しています。
金武町はみどり豊かなやんばるへの入口であり、無惨な姿を露にした山肌は本町への心象を著しく阻害しています。責任はすべて、何の対策もとってこなかった日本政府と米軍にあることは言うまでもありません。本町議会は米軍による山火事に抗議し対策を強く要求してきましたが、米軍は町民を愚弄し演習をつづけ、なんら改善が見られません。これ以上の被害を被ることは絶対に許せません。
よって、本町議会は自然環境及び町民の生命・財産を守る立場から渾身の怒りをこめて抗議し、下記事項の実現が図られるよう地方自治法第99条第2項の規定により意見書を提出します。
記
1 実弾演習場を廃止すること。
2 消火体制の確立を図り公表すること。
3 山火事の原因を明確にすること。
4 山林原野のみどりの再生に特段の努力をすること。
平成12年4月6日 沖縄県金武町議会