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自主・平和・民主のための広範な国民連合
『日本の進路』地方議員版6号
 

サミットで基地問題をすり替えるな
普天間基地の名護辺野古沿岸域移設を許さない


〜嘉手納ラプコンの早期返還を〜

沖縄県議会議員  糸数慶子


  返還後も相次ぐ基地被害

 昨年11月11日、沖縄の空を網羅する嘉手納ラプコン(レーダー進入管制)でケーブル切断事故が起き27時間に渡って沖縄の空港が大混乱する事故が起きました。この事故を契機にあらためて嘉手納ラプコン問題が浮き彫りになりました。沖縄県議会では昨年12月全会一致で意見書が採択されました。今年1月12日、県議会各派から5名の代表要請団が上京し政府当局に訴えました。私もその一員として参加し早期返還を強く要請しました。
 嘉手納、普天間両飛行場に発着する米軍機の管制とともに、嘉手納基地上空の半径90キロ、高度6000メートルの空域、久米島上空の高度1500メートルの空域を「嘉手納ラプコン」と称して米軍が管轄しています。日米合同委員会では沖縄が返還された1972年、「安全確保のためには、単一の施設によって進入管制を行なう必要がある」として、「日本政府が管制業務を行なうことができるまでの暫定期間」との限定つきで、民間機もこの空域では米軍の管制を受けることが合意されました。その結果、那覇空港を発着する民間機は、高度約300メートル以下の超低空飛行を強いられ、安全に問題があるとパイロットらから指摘されています。復帰後28年もたって、この状況は主権国家と言えない状況です。この事はいかに県民不在であるか沖縄県民の声を聞き入れていないか表していると思います。
 1月14日には普天間所属の米海兵隊員による婦女暴行未遂事件が起き、同月21日から29日にかけては横須賀を母港とする空母キティホークの艦載機による離着陸訓練があり、付近住民が耐えられない大変な騒音被害が起きています。
 このように沖縄では引き続き米軍基地による被害が相次いでいます。
 
  「辺野古だけに犠牲を負わせないで」
各集落で訴え


 政府は膨大なお金をつぎ込んで公共投資につながるとサミットの宣伝をしています。この間、意図的に県議会、そして那覇市、浦添市、宜野湾市、そして名護市の議会で次々と県内移設を容認しやすいような状況をつくって来ました。辺野古の行政委員会が移設容認の態度表明しましたが、これもきっと目に見えな相当の圧力があったと思います。
 住民投票で移設賛成側が負けて以来、国や県の力の入れ方がものすごく変わって来ているんです。基地問題がサミットにすり替えられてます。子どもサミットなども国が力をいれてやっています。高校生、先生達の中にも積極的にこれを応援するという動きも出てきています。
 大変厳しい状況ですけれどもこれに負けないように運動を展開しています。
 西海岸と東海岸では受け止め方に温度差があります。先だって女性達10名程で「本当に東海岸を犠牲にしていいんですか、辺野古だけに犠牲を負わせないで」と各集落に入りチラシを配りながら訴えて来ました。毎週日曜日、運動を展開しています。
 アメリカや米軍基地があるアジアの国々の人々を招いて女性サミットを計画中です。婦女暴行未遂事件など基地被害は変わらないこと、あるいは新たに基地が出来ることは結局は基地被害を容認することになるので具体的に例を上げて訴えていく行動計画をたてています。名護市長が住民投票の意志に反し名護移設受け入れを表明しましたので、現在市長リコール運動を進めています。
 キティホークの演習には嘉手納町議会、北谷町議会、沖縄市議会で全会一致で抗議決議が可決されました。
 この前の嘉手納ラプコンもそうなんですが住んでいる場所が嘉手納町だと、たとえ保守・自民党であっても切実さを自ら感じています。保守的な方も県民の一人として普天間の基地の移設も含めてもっと根本的なものから考えて反対していただきたいと思います。私たちの努力の足りないところですけれども、もっと幅広く基地反対の行動をしていくという事が大事だと思います。

 全国で憲法第9条を守り、基地の整理縮小 の闘いを

 全国の仲間に訴えたいことは憲法の改悪の動きに関してもっと敏感になって欲しいということです。衆議院選挙がいつになるかわかりませんが、私たちの気持ちを反映させるのは国会です。一票の重みに責任を持って是非投票して欲しいと思います。全国の平和を愛する人たちが結果としてよい議員を選んでいくこと、基地問題は沖縄だけの問題でなくて、日本全体の問題として憲法第9条の問題と安保条約、基地の整理縮小というところまで、自分の問題として考えていただきたいと思います。共に頑張りましょう!
 世界の流れは基地縮小に傾いています。
 日本が主権国家である以上、アメリカに対して基地縮小をはっきりと言う必要があります。アメリカへの思いやり予算は必要ありません。思いやりは日本国民に対してこそ必要だと思います。
                                         (談 文責編集部)