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自主・平和・民主のための広範な国民連合
『日本の進路』地方議員版10号(2001年2月発行)

自治体ぐるみで米軍基地への怒り強まる

 21世紀が幕開けした。しかし、米軍基地が存在することによって巻き起こされる米兵の犯行や人権侵害、周辺住民の騒音被害、基地汚染、実弾訓練による山火事などは、より深刻となっている。沖縄をはじめ基地を抱える自治体では米軍基地への怒りをつのらせている。沖縄では遂に「海兵隊を含む兵力削減」を盛り込んだ決議が上がった。戦後50数年たったいま日米安保条約は住民の平和と安全を守るどころか害悪をもたらす元凶となっている。基地被害に苦しむ自治体議会の決議はそのことを具体的に告発している。

沖縄県議会が全会一致で米兵力削減要求

 沖縄県議会は1月19日、臨時議会を開き、「在沖米海兵隊員による女子高校生強制わいせつ事件に関する意見書」と「同抗議決議」を全会一致で可決した。海兵隊を含む兵力削減、綱紀粛正などを強く求めている。県議会で与野党が一致して海兵隊の削減を求めるのは初めて。米軍基地関係特別委員会(宮平永治委員長)の各委員は同日午後、在日米軍沖縄地域調整官ら関係機関への抗議行動を展開した。宮平軍特委員長が提案理由を説明し、国頭村で発生した米軍人・軍属による傷害、器物損壊事件などにも言及し「県民に新たな不安と怒りを与えており、今、米軍に対する不信と不安は頂点に達している」と批判。「米軍人・軍属による犯罪を根絶するためには綱紀粛正と徹底した教育だけでなく、海兵隊を含む在沖米軍の兵力削減を求める必要がある」と強調した。


在沖米海兵隊員による女子高校生強制わいせつ事件に関する抗議決議

 去る1月9日午後7時30分ごろ、沖縄本島において、在沖米海兵隊員による女子高校生への強制わいせつ事件が発生した。
 本県議会は、昨年7月3日に沖縄市で発生した在沖米海兵隊員による住居侵入および準強制わいせつ事件等に関して、抗議決議を行ったところであるが、たび重なる米軍人等による事件の発生は周辺住民はもとより県民に大きな不安と衝撃を与えている。
 本県議会は、これまでも米軍人による事件に対し、厳重に抗議してきたにもかかわらず、またしてもこのような米軍人による事件が発生したことは断じて許されるものではない。
 よって、本県議会は、県民の生命・財産と人権を守る立場から、今回の事件に対し厳重に抗議するとともに、下記の事項が速やかに実現されるよう強く要求する。
               記
           1 海兵隊を含む兵力の削減を行うこと
           2 綱紀粛正を行うこと
           3 兵員に対する教育を徹底して行うこと
           4 再発防止について万全を期すこと
以上のとおり決議する。
         平成13年1月19日     沖縄県議会

三沢、福生、大和、綾瀬、岩国5市がNLP被害サミット開催

 1月29日、NLP被害サミットが開催された。在日米海軍の空母艦載機による夜間離着陸訓練(NLP)が行われている米軍基地を抱える全国5市の市長が神奈川県大和市役所に集まり、各地の激烈な騒音実態を報告しあい「NLPは絶対に許さない」という意志一致を行った。三沢市と大和市は昨年から、NLP騒音が依然として解決していないことに抗議して米海軍との友好関係を中断している。サミットでは各市長は国や米政府に連携して働きかけを強化していくことを決議で確認。自治体ぐるみの連携が強まっている。


共 同 声 明

 横須賀を母港とする米空母の艦載機によるNLPについては、日米合同委員会で硫黄島が暫定施設として提供されることで合意し、平成5年から硫黄島での訓練が本格的に始まりました。平成11年までは、NLPの大半が硫黄島で実施されてきましたが、昨年はその基本が崩れ、国が公表した資料では硫黄島での訓練は約24%と激減し、一方で三沢、厚木、横田、岩国という本土の飛行場の使用が大幅に増加しました。また、スケジュール的に短期間だからという理由で最初から硫黄島で訓練を実施しなかったり、1か月に2回も訓練を実施した基地や、事前通告もなしに突然訓練を始めた基地等、周辺住民への配慮に欠ける状況が多発しています。こうした状況の中で、4基地周辺では訓練期間中、艦載機によって大変激しい騒音被害を受ける市民から連日のように「耐えられない」「なんとかしてほしい」などの苦情が殺到し、一部自治体では米海軍との友好中断もせざるを得ないほど緊迫したものとなっています。
 私たちは、一部の基地周辺住民だけが受忍の限度を超える騒音被害を受けるのは納得できないと考えます。
 そこで、今回の意見交換会の内容を踏まえて、次の事項を確認しました。
(1)NLPは、硫黄島で実施すること。
(2)硫黄島が暫定施設であるとするならば、他の方策を真剣に検討し、実施に移すこと。
(3)今後、議会、他のNLP関係市町や都、県等にも働きかけ、情報交換を密にして、国等に要請するなど必要に応じて連携し対応すること。
    平成13年1月29日
                       福生市長   野沢 久人
                       大和市長   土屋 侯保
                       綾瀬市長   見上 和由
                       岩国市長   井原 勝介
                       三沢市長   鈴木 重令
                       (代理)助役 冨田 善作