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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2003年1月号

代表世話人からの新年メッセージ

新しい年に「憂事」を招かない為に

大槻 勲子


 明けましておめでとうござます。
 二〇〇三年の年頭にわが国の政治状況を展望して、広範な国民連合が「自主・平和・民主の進路」を政治方向として掲げて活動し、国民各層の連合した力で、真に国民のための政治を実現しようと十年余の運動は正しかったと思い、この政治方向を今こそ一層高々と掲げて、闘わねばならない時だと思います。
 米国は、国連の大量破壊兵器査察によるイラク問題解決をよそに、なんとしてもアフガニスタンと同様の空爆や地上戦によるフセイン政府の壊滅を意図して、武力攻撃を準備しています。わが政府は、この動きに追随し、周辺事態法、テロ特措法の米軍支援などの基本計画に新たに輸送任務を追加し、給油のみならず、建設重機等をアフガニスタンに送っています。インド洋に自衛艦を派遣し、十二月四日にはイージス艦の派遣を決定し、十六日には横須賀を出向してしまいました。平和憲法をふみにじるこのようなことは許せません。
 国内的にも、小泉内閣の憲法改悪への動きは、世論づくりがされつつあり、中央教育審議会が教育基本法の見直しをめざす報告を提出したのは、平和憲法の外堀を埋めさせる政治的意図を感じます。そして、昨年の国会で継続審議となった有事三法案が、新春の通常国会で、また継続審議されます。これらは、日本を戦争ができる国にしたいという動きと結びついています。
 いま、「性別役割分業の見直し」「ジェンダー・フリーが家庭を崩壊する」と、国会、地方議会、メディアを通して叫んでいる動きがあります。全国の自治体が進めている「男女共同参画条例制定の動き」に対する、性別役割を固定化し、女性差別を再生産するようなバックラッシュ現象が各地におきています。山口県宇部市では、市長の諮問を受けて答申された条例案には「男女の人権の尊重、男女があらゆる分野への共同参加」「子育、介護への社会的支援」等、積極的内容が含まれていましたが、「この条例案に危惧の念あり」と、一議員からストップがかけられ、更に、宗教団体等からも、(1)男らしさ女らしさを否定せず、(2)家庭尊重を積極的に、(3)専業主婦を否定しない等七項の要望が出され、何と市議会では、この要望を全部とり入れた条例を制定してしまったのです。大阪府では昨年九月議会で、「この条例の中身では家庭が崩壊する、離婚がふえる」と攻撃し、基本理念に「家庭の重要性を認識し」と入れさせてしまいました。千葉県の例のように、議員の中に「ジェンダー・フリーは日本文化を破壊する危険な思想」とか「性別にかかわりなく、を削除せよ」という驚くべき議員がいるのです。これらは、「国を愛する心を」もちこもうとする中教審の動きとも通ずる危険性を感じます。
 今年こそ、広範な国民連合の力を結集し、これらバックラッシュ行動をゆるさず、有事法制を廃案にし、「国の憂事に」しない運動を進めようではありませんか。