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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2003年1月号
昨年は個人的にはいい年であった。六月に、韓国と日本の平和交流に貢献したとして「韓日平和交流功労賞」の第一回受賞者六人の一人として表彰された。一九九三年に被爆都市の現職市長として初めて訪韓し、被爆者の見舞い活動を実現したのが評価されて、韓国原爆被害者協会釜山支部の車貞述会長から牌をいただいた。
九月にはドイツ政府から功労勲章一等功労十字章を授与された。大阪・神戸ドイツ総領事館(大阪市)によると、私が第二次世界大戦に関し、被害者としてだけでなく、自らの加害者としての立場を認めた平和政策を呼びかけたことが評価された。ヨハネス・プライジンガー総領事は、「さらに民主的に成熟すべき」とする私の警告がドイツにもあてはまると述べ、強い道徳心によって二十一世紀の日独関係を築いていきましょう、と言って勲章を手渡した。勲章をもらってこんなにうれしいことはなかった。
ひるがえって世界をながめると、いい話はない。私の友人の吉田康彦教授が、米を集めて北朝鮮に送っている。他にも新潟港あたりから支援の米が出ている。ところがこれを非難する日本人がいるから困る。人道支援と拉致問題とはまったく関係がないことにしたい。男だろうが女だろうが、老人だろうが子供だろうが、罪人だろうが、食うや食わずの人を支援するのを人道支援というのだ。おおかたの日本人はこのことがわかっていないようだ。
メディアというものは信用してはいけない。たとえば憲法九条を護るつもりの記者でも、自衛権があるとか言い出した政治家がいたら取材にいかないといけない。心の中では反対であっても、その考えを理解して報道するうちに、いつの間にかミイラとりがミイラになってしまう。我々はこのことに注意しないといけない。
アメリカは同時多発テロに対する報復をやっているはずだったのに、今では何をやっているのかわからなくなってしまった。直接の敵のアルカイダがまだいるのにイラクを攻撃しようとしている。ビン・ラディンが敵だったのにいつの間にかフセインが敵になっている。
テロが二十一世紀の新しい脅威といわれるが、わけもなくいつもいつも起きるものではない。必ず原因があるのは明らかだ。日本にアメリカの軍事基地がなかったらテロに狙われることはない。九・一一の事件の後、沖縄に行くはずの修学旅行がドッと長崎に流れてきたが、「基地があると危ない」という日本人の心情がよくわかった。
アメリカは石油の支配を狙っているといわれている。同盟国の人間からまでいわれるとは気の毒なことだ。アフガン、イラク、あるいは北朝鮮にしても、そこに住んでいる女、子供、老人の最低限の生活は守られなければならない。これを守ることが、世界の義務であると考えている。