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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2003年1月号
第十回総会の決議を見る通り、国民連合は沖縄問題に大きな力を尽くしてきました。深く感銘しています。
向こう一年の方針でも重要な柱として位置づけられ、頼もしい限りです。
昨年は復帰三〇周年とあって基地問題はじめ所得格差等に国民運動を広げて下さいましたが、依然として解決を見ていません。
本土並みの生活が期待されていましたが、現在、一人当たりの国民所得は、全国平均の七三%で相変わらず最貧県となっています。
失業率も本土の五・四%にくらべ、沖縄は八・四%で一向に改善されていません。
「たっぷり予算をつけるから基地のことはあまり言わんでくれ」と政府はくり返し県民をなだめてきました。しかし大きな公共事業は東京でゼネコンが入札し、沖縄の企業はその下請けをさせられているだけで、「ザル経済」になっています。軍事基地の重圧は復帰後ますます増大してきました。
さて、昨年十一月に起こった米軍海兵隊少佐による強姦未遂事件をめぐって、日米両国とも県民をあざむきました。一カ月たってやっと十二月十九日に容疑者の身柄が県警に引き渡されました。案の定、米側は地位協定をたてに起訴前の引き渡しを拒みつづけてきたのです。
米側は、未遂だから凶悪犯罪ではないとの認識でした。被害者に告訴取り下げと示談を持ちかけてきたが、被害者の女性から拒否されていよいよ裁判が近づくことになります。
起訴前の身柄引き渡しは、あくまで米側の裁量に委ねられており「運用改善」の限界を見せつけられ、全県民の怒りをかっています。
治外法権の地位協定は抜本的な見直しの時期に来ています。四十年たって一度も見直されないのが不思議であり、占領の遺物としかいえません。これが主権国家かと疑いたくなるほど、日本政府は米国にいいなりの従属国になっているのです。基地の提供を義務づけられている日米安保の廃棄と、米海兵隊の撤退なくして米軍犯罪の防止はできません。
米国を動かすには、同じ基地を抱えている韓国や米軍が駐留しているフィリピン、米軍の演習でトラブルが発生しているインドネシア等、アジア各地と手を取り合うことです。アジアを中心とした国際世論を背景にして米国を譲歩させ、祖国復帰を実現した経験を生かすべき時だと思います。
韓国では女子中学生を轢殺した米兵を無罪にしたため、反米集会が盛り上がっており、米国でもかつてないイラク戦争反対のデモや集会が全土に広がっています。
日本は米国の核の傘にすがって平和を維持することをやめて、平和憲法の基本的人権感覚を取り戻すべきです。沖縄では近く超党派で島ぐるみの抗議集会を持ちますので、全国民の連帯を訴えます。(沖縄人権協会理事長)