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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2002年11月号

中小企業団体全国大会

小泉改革への怒りの声渦巻く


 全国中小企業団体中央会主催の全国大会が十月十七日、約六千七百人集めてさいたま市で開かれた。不良債権処理の加速や増税を明言する小泉政権の「改革」で、中小経営の危機的な状況が一段と高まっている。景気対策、資金繰り、税制(外形税、消費税)改悪反対などで怒りの声が相次いだ。以下、大会での発言などの一部を紹介する(文責編集部)。

主催者あいさつ(全国中央会副会長)
 中小企業は改革の痛みのみを押しつけられている状態にある。ひとり中小企業は暗闇の中に置かれている。全国の中小企業は、これ以上の経営状況悪化に、戦々恐々としている。外形標準課税導入、消費税の改悪などは言語同断で、苦境の中小企業に追い打ちとなり、怒りさえ覚える。

意見発表(全国工場団地協同組合連合会会長・坂戸誠一)
 政府が進める改革で、倒産や失業が増え、自殺者まで出ている。中小企業はこれ以上の「痛み」はもうごめんだ。政府は景気対策を最優先にし、不良債権処理に伴う倒産防止など万全の対策をとるべきだ。
 中小企業の資金繰りは悪化の一途をたどり、このままでは中小企業は壊滅してしまう。こういう時期だからこそ、中小企業にとって商工中金など政府系金融の役割が大きい。これを廃止するなどの改革議論をすべき時期ではない。

意見発表(石川県中小企業団体中央会副会長・伍嶋耕太郎)
 法人事業税への外形標準課税導入には、断固反対だ。なぜ、景気を冷やす税制をやろうとするのか。外形標準課税は人頭税であり、雇用や設備投資などへの悪影響は計り知れない。赤字法人はもちろん、黒字の中小企業でも七七%が大増税になる。政府は、消費税の特例措置など景気浮揚の税制をとるべきだ。


大会決議(抜粋)

 日本経済の担い手として、また、雇用の担い手として大きな役割を果たしてきた中小企業は、デフレ経済の中で海外製品との競合、単価の引下げなどによる売上高の減少や大企業の再編・破綻などの影響をまともに受け、極めて厳しい状況に置かれている。このままの状況を放置すれば、さらに多くの中小企業が悲惨な状況に迫い込まれ、我が国経済は壊滅的打撃を受けることとなる。
 このような時期に、政府は痛みを伴う構造改革を断行しようとしているが、その痛みは中高年齢者の雇用や中小企業に集中して現れている。
 昨年の倒産件数・負債総額は戦後二番目を記録し、失業率も依然高止まりを続けている。我が国の自殺者数は、四年連続で三万人を超え、その原因は、経済・生活問題が二番目多く、雇用失業情勢の悪化による生活不安が大きな影を落としている。
 まずデフレ経済を脱却し、景気を回復させるための適切な経済運営を果敢に推進することが最重要の課題であり、民間需要を引き出し、新規の雇用を創出するための措置を早急に実施に移すべきである。