│国民連合とは│月刊「日本の進路」│地方議員版│討論の広場│集会案内│出版物案内│トップ│
自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2002年10月号
中小企業家や失業者が活発に発言
広範な国民連合・神奈川八回総会
国民連合・神奈川は九月十六日、第八回総会を開催した。
総会には各界の中心的な人々が来賓として参加、あいさつを行った。活動報告と活動方針等の提案後、会場からも中小企業家や失業者、大学教授、町議などの発言が相次ぎ、日米安保を破棄してアジアと共生する方向に政治を変えるために、国民連合が文字どおり県民各層の連携を広げ、強めて役割を果たすことができるということを確信させる総会となった。
来賓あいさつで阿部とも子・衆議院議員、小泉親昂・社民党県連幹事長、鈴木保・厚木基地爆音防止期成同盟委員長、大槻勲子・国民連合全国代表世話人はそれぞれ小泉改革や有事法制反対で運動を盛り上げようと訴えた。川崎北工業会の岩井芳勝氏は中小企業の実情を訴え、仲間の中小企業経営者や国民連合・神奈川の世話人とともに川崎市に対して支援要請を行っていることを紹介。「皆さんと心が一つだということを伝えたい。政府はダイエー一社に四千億円を支援した。その金を中小企業に回してくれれば、たくさんの企業が生き延びれる。川崎市に要請しても市はやる気がない。明日、市役所に押しかけるが、具体的な回答を得るまで頑張りたい」と決意を述べた。朝鮮総聯県本部のリムジョンギュ国際部長は、朝鮮総聯への弾圧の現状を語り、日本政府の北朝鮮敵視政策の転換、朝日友好を訴えた。
総会後、竹田四郎(国民連合全国世話人・元参議院議員)が「二十一世紀の日本の進路―ドル依存をやめてアジアの共生を」と題して講演を行った。竹田氏は、日米安保条約は日本が経済政策でもアメリカに従属することを求めていることを指摘。アメリカが進めているグローバリズム経済では国内の経済危機はますます深まる。グローバリズム経済に対して、全世界で反発が強まっている。日本は対米従属をやめアジアとの共生が必要と、政治経済的な根拠を示して訴えた。
総会は活動方針として、(1)県民の雇用危機、生活危機を打開する。そのために雇用危機生活危機突破のための県民共同行動を追及する。(2)米軍のイラク攻撃と小泉政権の戦争加担・反動政策に反対し、米軍基地の撤去を求める。そのためにイラク攻撃反対・有事法制制定反対で、県内平和勢力の共同行動に向けて努力する。(3)アジアの平和・共生で国の進路を打開する。そのために、国の進路「ドル依存と日米安保を清算し、アジアの共生」をめざす幅広い県民世論形成のために努力する、を決議。活動方針の実現に向けて新しい役員を選出した。
講演 ドル支配からアジア経済圏の構築へ
国民連合愛知
国民連合愛知主催の表記の集いが、九月二十九日名古屋で開かれ、竹田四郎さん(元参議院議員、国民連合全国世話人、国民連合神奈川代表世話人)の講演と、参加者との話し合いが行われました。
竹田さんの講演要旨は次の通り。
(1)六〇年に改訂された日米安保以降、国際経済との食違いを直すことが約束され、アメリカの政策に従うことが義務付けられている。
(2)安保があるので日本の経済発展が可能になったとの議論は間違っており、日本が経済発展するとアメリカが押さえるという日本攻撃の構造が特にレーガンの頃から定着している。
(3)アメリカの貿易と財政の双子の赤字を抱え、イラクへの戦争でも金は日本に出させようとしている。
(4)アメリカ同様小泉内閣の経済政策が依拠している市場原理主義は、情報の非対称性(情報が万人に平等に共有されてはいないこと)から成立しない。
(5)その結果、貧富の二極分化が一国内でも国家間でも進んでおり、市場のグローバリゼイションにより貧富の差の拡大は必至である。
(6)日本の金融政策は場当たり主義で一貫した方針が存在しないことが一番の問題点である。
(7)ナスダックの大阪からの撤退に象徴されるように、アメリカは日本に見切りを付けており、米系通信社も日本から撤退している。
(8)円はアジアでさえ貿易決済通貨とされておらず、円に対する信頼が失われる可能性がある。
(9)二〇〇八年オリンピック中国開催まで中国は経済成長を続ける可能性が大きく、アジア通貨圏を作れば日本の生きる道ができる。
(10)グローバリゼイションの行方によっては第三次世界大戦も有り得る。
(11)アメリカの独善的一国至上主義は大問題であり、日本では有事法・住基法の問題もあり、もっと広い視野で全てを考えて行く必要がある等々。
難しい経済問題をできるだけ素人にわかり易くお話し下さいました。
その後の話し合いでは、「六百兆円をこえる日本の借金の解消にはインフレしかない」との意見に、「インフレは資産を持つものと持たざるものとに不平等であり賛成できない」との竹田さんの回答。「アジア経済圏という言葉に過去の大東亜共栄圏のにおいが感じられる」「日本はもっと小さくなって良いのでは」との意見に、「過去は過去として反省すべきだが、技術的には日本はまだ中国より進んでおり、環境問題を含め技術移転に協力すべきだ」との回答。「二大政党制が失敗しているが政治を変える具体的方法はなにか」「アジア平和連合(APA)がアジア経済圏の形成に役立つのでは」との意見に、「同じ目的のために共同する国民連合の考え方が重要、APAは進められるべきだ」「IMFのアジア版(通貨バスケット方式)は有効であり、アジア共通通貨を作りまずは貿易決済に使うことから始めたら」との回答がありました。さらに、資源や環境問題で大変な制約があることが共通の認識であることが確認できたと思います。
経済問題に関するこのような講演はあまりなく、大変有意義な集まりでした。