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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2002年6月号

有事法案はいらない


異議あり!有事法制集会に四千人

 五月二十三日、「異議あり!有事法制−戦争の準備にはNOを−全国集会」が東京・日比谷野外音楽堂で開かれ、労働組合や市民団体など約四千人が参加した。フォーラム平和・人権・環境(平和フォーラム)や原子力資料室などが呼びかけた。
 浅見清秀・平和フォーラム副代表が「有事法制は、戦争協力を強制したり地方自治の権限が無視されるなど国民生活を脅かすものである。地方議会も含めて全国各地で広く国民に呼びかけ、有事法案の廃案に向けて闘おう」と主催者あいさつ。
 新聞労連の畑衆氏は「戦争のために二度とペンは握らないと決意して労働組合をつくった。有事三法案は絶対に認めることはできない。この法案と闘うかどうか日本の労働組合が問われている。力を合わせて廃案に追い込もう」と訴えた。
 大分平和運動センターの河野泰博氏は「二月以来、学習会、街頭宣伝や大量のチラシ配布、千カ所の立看板、署名活動、各種集会と闘ってきた。県内全自治体に反対決議の要請活動も行う。九州規模では六月九日に福岡市で一万人集会を開く。国民一人ひとりに訴えれば有事法案は廃案にできる」と訴えた。
 日本国際ボランティアセンターの谷山博史氏は「私たちは湾岸、ユーゴ、パレスチナなど紛争の現場で活動した。そこで戦争の悲惨さ、住民を守らない軍隊の姿、戦争は作られる、ということを見てきた。米軍やNATO軍は相手を悪玉と名指しして軍事行動を行うが、罪なき民衆が犠牲にされている。米国はイラク攻撃を準備している。有事立法によって米国のしかけた戦争に巻き込まれる。なぜ戦争に協力しなければならないのか。また、個人情報保護法などによって市民活動は規制・否定されようとしている。絶対認められない。共に頑張ろう」と訴えた。
 福山真劫・平和フォーラム事務局長が、国会前座り込み行動、六月十二日の一万人集会、地方議会への要請行動など今後の取り組みを提案した。
 最後に「有事三法案を廃案にして戦争への道を阻もう」とアピールを採択し、銀座周辺でデモ行進を行った。


一坪反戦地主関東ブロックが集会

 五月十五日、東京・港区の公園で「沖縄『復帰』三十年・日米安保五十年、有事法制を許すな!5・15行動」が開かれた。沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの呼びかけで約百人が参加した。
 沖縄から駆けつけた一坪反戦地主会の比嘉宏・事務局長が、沖縄の基地をめぐる現状と日本政府の態度を批判し、「沖縄の基地問題は日本全体の問題である。本土の皆さんと連帯して基地撤去の闘いを続けたい」と訴えた。続いて、東水労青年女性部、東京清掃労組、市民団体などから連帯あいさつが行われ、集会後、参加者は日比谷公園までデモ行進を行った。


STOP!有事法制大集会、四万人が結集

 五月二十四日、東京・明治公園で「STOP!有事法制大集会」が開かれ、約四万人が参加した(写真右)。有事法制に反対する陸海空など二十の労働組合や宗教団体などの実行委員会主催。
 国会内外から有事法制反対のアピールが行われ、最後に「有事三法案の廃案を求める」集会宣言を採択し、参加者は国会コースなど三コースに別れてデモ行進を行った。


全国の自治体からも反対の声

 有事三法案に全国の地方議会から反対の声が上がっている。すでに東成瀬村議会・稲川町議会(秋田)、北上市議会(岩手)、小金井市議会・西東京市議会(東京)、喬木村議会・南牧村議会・戸倉町議会(長野)、三重県議会、大山崎町議会・八幡市議会・向日市議会(京都)、那覇市議会(沖縄)で有事法制反対の意見書が採択された。撤回、反対、慎重審議などを求める意見書は全国に広がっている。また、長野県知事、高知県知事、徳島県知事など首長も反対を表明している。
 こうした中で、五月二十二日、衆議院第二議員会館で有事法制に反対する地方議員を中心にした集会が開かれ、北は東北から南は九州まで約七十人が参加した(写真左)。この集会は「有事法制に反対する地方自治体議員・共同アピール」を行ってきた地方議員が呼びかけたもの。布施哲也・東京都清瀬市議の経過報告の後、新倉裕史(非核市民運動ヨコスカ)が問題提起「自治体での取り組み」を行った。今後も全国の地方議会で反対決議を上げていくことなどを確認し終了した。


神奈川の学者らが「廃案」の声明

 有事関連三法案に反対する神奈川県内在勤、在住の大学研究者五十人が五月二十九日、三法案の廃案を求める共同声明を発表した。横浜大空襲から五十七年を迎えた同日、横浜大空襲被災者で呼びかけ人の安田八十五・関東学院大教授は「有事関連法案は絶対に認められない。廃案にできるよう努力したい」と強調、今後、シンポジウムやデモなどを行っていくことを明らかにした。
 声明に賛同した五十人は、県内に所在する横浜国大、横浜市大、神奈川大、フェリス女学院大や県内在住で東大、立教大などに所属する学者らで、今月上旬から、電子メールなどで個人的に賛同者を募った。