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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2002年6月号
五月十五日、全国のトラック事業者が経営危機突破全国総決起大会を開いた。東京・日比谷公会堂には、鉢巻とタスキ姿のトラック事業者約二千四百人が集まった。
大会であいさつした高橋副会長は、「長引く不況のため、この十年間の貨物輸送量は六%も減少する一方、規制緩和の結果として新規事業者が三八%も急増する過当競争にある。荷主企業からの運賃引き下げ要求で運賃は低下。また、排ガス規制など環境対策によるコスト負担の増加などでトラック運送事業の経営は危機的な状況にある」と述べた。
また、浅井時郎会長は、「トラック運送事業はわが国物流の基幹産業として国民生活や経済活動を支える重要な役割を果たしてきました。この現状を打破するには、過重な負担となっている軽油引き取り税暫定税率七円八十銭の撤廃をはじめ、世界的に例をみない高水準にある高速道路料金の値下げが絶対に必要だ」と訴え大きな拍手を受けた。
地方からの発言で、嶋津和夫・宮城県トラック協会会長は「東北ではこの十年間で事業者が六八%、車両は四四%も増えたが、荷物は一六%も減った。経営は危機的だ。軽油取引税が値上げされた九三年、政府は『価格に転嫁してよい』といっていたが、規制緩和による過当競争で転嫁は困難だ」と減税を強く求めた。
総決起大会は軽油取引税暫定税率七円八十銭の撤廃、高速道路等通行料金の大幅引き下げ、環境対策への助成措置の強化などを求める大会決議を採択し、終了した。大会終了後、参加者は、国会周辺と銀座周辺に向けてデモ行進を行った。
日本の物流の九〇%以上を担うトラック運送事業者は全国で約五万五千社あり、約百二十万人の従業員が働いている。トラック業者はその九九・七%が中小企業で、トラックが十台以下の中小零細が約半分を占めている。
小泉政権の「聖域なき構造改革」は労働者、中小商工業者など国民各層の生活と営業を耐えがたいものに陥れている。国民各層が力を合わせて、国民犠牲の小泉改革に反対しよう。(編集部)