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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2002年6月号
昨年の都道府県別の年平均完全失業率で福岡県は全国ワースト四位、また高卒の就職率ではワースト三位であり、福岡県の雇用問題は全国的にも深刻な状況があります。
五月一日に「五・一祝メーデーくらしを守るシンポジウム―ストップ・ザ・リストラ、生み出せ雇用、許すな有事法制!」を福岡市内で開きました。主催は、社民党福岡県連合と福岡県政治労働懇談会(福教組、高教組、全国一般、都市交、全農林などで構成)の主催で行われ、約七百人が参加しました。この取り組みは昨年暮れに九百名規模で開催された「経済・雇用危機突破県民集会・デモ行進」などの一連の取り組みとして開催されました。
シンポジウムでは、九州大学の福留久大教授が「ストップ・ザ・小泉流−不況を生き抜くために」というテーマで基調講演しました。そのあと、四人から意見発表がありました。大型店進出のために深刻な状況に追い込まれている商店主の発言、首切り合理化もあり春闘も終わっていないという全国一般労組の発言、三年前の不当解雇と闘っている柳川高校の労働者の代表の発言、社民党の石橋氏からは失業者の深刻な生活と取り組みについて報告がされました。
集会後、参加者は県庁に向けてデモ行進しました(写真上)。また、代表が県知事への要請を行いました。応対した副知事に「福岡県の雇用実態について詳細な調査を実施し、現状把握と分析・対策を行うこと」「その実態調査に基づき、福岡県の『雇用基本計画』を策定すること」「若年層の雇用対策」など八項目の要請を行いました。副知事からは、深刻な状況なので補正予算も含めて対応したいとの回答でした。
県側は、福岡県の産業構造が旧産炭地など特殊な事情を抱え恒常的な失業がある。それと中小企業が多く、支店都市ということで失業が多いと弁解していました。政府の緊急雇用対策を消化するものが多く福岡県独自の緊急雇用もわずかです。一方で、大型プロジェクトはそのままで結局大手ゼネコンが入札し、地場産業は潤わない。シンポジウムでもそういう構造的な問題が指摘されました。
昨年四月に登場した小泉内閣は、「痛みを分かち合う」といいましたが、痛みを押しつけられたというのが実際だと思います。「構造改革」という言葉で、銀行など大企業だけが助かって、労働者や中小企業や商店など国民が犠牲にされた一年だったと思います。 (文責編集部)