国民連合とは月刊「日本の進路」地方議員版討論の広場集会案内出版物案内トップ


自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2002年6月号

各地の国民連合


「ピースネット5・3」市民のつどい
有事法案に反対するアピール採択 四日市市


 「憲法で保障された平和で民主的な生活を営む権利」を市民と共に考えようと五月三日の憲法記念日に、「ピースネット5・3」市民のつどいが四日市市の市民広場で開催されました(写真上)。この催しは、広範な国民連合・三重を含む県内二十八の市民団体を中心に地区労センターなどの協力を受けて実行委員会が準備したものです。平和・人権・教育・環境・福祉・労働・国際連帯など幅広い市民団体がステージ出演やブースでの展示・出展などに参加しました。有事法案が衆院で審議される中での取り組みで、実行委員会としても熱の入ったものとなりました。
 四日市市長のメッセージに続いて、オープニングステージの「平和コンサート」では、新谷のり子さんの「第九歌謡曲」や「ベイルート一九八二」などの熱唱。午後のステージでは、被差別地区の子供たちの力強い和太鼓の演奏や第九条を世界に広げる活動している宮西さんによる「平和憲法の朗詠」が取り組まれました。また、仮設テントの二十四のブースでは、それぞれの活動の紹介や模擬店も開かれ、参加者が意見交換したり交流する姿が見られました。
 最後に、「有事法案」については、「米国が引き起こす戦争に日本も参加させて国民を戦争に動員できる体制を確立させようとするものです。いま日本がとるべき道は、米国に追随してアジアの不安と緊張を高める有事三法案を制定することではありません。この法案に強い反対の声を上げ、市民が力を合わせて平和憲法九条の理念を世界に広げよう」と参加者に訴えて、この法案を廃案に追い込むための運動を強めることを確認してアピールを採択しました。
 今回の企画は、一月の野田英二郎さんの講演会を受けて取り組んだものです。私たちの目的は、幅広い市民団体が考え方や立場の違いを乗りこえて参加できる機会をすることと、市民運動のネットワークづくりのための条件を確保することでした。
 これらの目的からみると一月の講演会よりも予想以上の運動の幅と広がりができました。また、ネットワークの条件づくりについても、今後の取り組み次第では県政や国政に影響を与えられる市民運動に向けて、初歩的とはいえ一定の条件はできたといえます。
 平和と民主的な生活を営む権利が侵されようとしている現状がそのことを可能にしてくれます。全国のみなさん、共にがんばりましょう。



有事法制問題で講演会
広範な国民連合・愛知


 広範な国民連合・愛知は五月十九日、名古屋市で講演会「同時テロ・アフガンそして有事法制−日本の進むべき進路は」を開催した。会場には国民連合の賛同人をはじめ、有事法制反対ピースアクション、不戦へのネットワークなどの諸団体など五十人が参加した(写真下)。
 寺尾光身・代表世話人が「米国同時テロ以降、政府は有事法制で戦争をできる国にしようとしている。この先は改憲の動きがある。もっと広範な勢力が連合する努力をしたい」とあいさつした。
 講師の前田哲男・東京国際大学教授は「有事法制は、憲法下で初めての戦争法・戦時法である。今回の法案は第一次有事法制であり、さらに二年以内に多くの個別法をつくる。また、自衛隊法改正によって集団的自衛権行使を容認するものである」と、法案の特徴を指摘した。
 そして「有事三法案の一番の眼目は、武力攻撃事態安全確保法案であろう。小泉首相は『備えあれば憂いなし』などと言うが、ペテンである。日本『有事』ではない。例えば、米軍がイラクに米軍が攻撃を行い、沖縄や横須賀などから米軍が出撃すれば、国際法上、イラクが日本を敵対国として扱う。ペルシャ湾には日本のタンカーがひんぱんに出入りする。その日本タンカーを守ると称して、自衛隊が出撃することになる。つまり世界中で日本が武力攻撃を受ける恐れがあれば出撃するということだ。国民には日本『有事』を想定させながら、実は米軍を支えるために世界中で戦争ができる法律だ」と政府の欺まんを指摘した。
 さらに「自治体や民間に対して指示・命令権が首相に与えられる。自治体や民間が拒否すれば、政府が代執行できる。その範囲は、公共的機関や公益的事業を営む者にまで広げられた。NHKだけでなく、民放、NTTやJRなどの企業も首相の指示によって、戦争協力に組み込まれる。違反したら半年の懲役となる」と暴露した。
 この有事法制に対して、「三重県議会でも反対決議がされた。与党内にも動揺があり、全国で自治体決議がされれば、与党にくさびを打ち込める」など様々な運動で、廃案に追い込もうと訴えた。
 最後に「再び侵略戦争への道に進む法案に反対する。政府は二次大戦の公式謝罪、補償を真剣に行い、朝鮮民主主義人民共和国との国交樹立など戦後処理を行い、アジアから信頼される日本を実現すべきだ」との決議を採択した。


失業者の救済を求め市に要請
広範な国民連合・吹田


 五月二十日、大阪・吹田市へ「失業者の救済」を求めて、要請行動を取り組みました。要請文は、吹田の国民連合の会員の有志、賛同人の連名での申入れ。行動には、吹田の失業者七人と国民連合の会員七名の十四名でおこないました。また吹田市議の激励も受けました。
 要請では、失業者の方々から、切実な声が多く出されました。「明日から来なくていいと、突然解雇された」「「私は障害者だけど、解雇されて、専門学校に行って、福祉の仕事につき、自立したいと思っている。しかし、授業料を払うお金もない。なんとかならないのか」「高齢者雇用の助成金のおかげで、私は解雇され、別の高齢者に入れ替えられた。制度自身に問題がある」「銀行のリストラで解雇された。妻も同じ時期に解雇され、三人の子供たちの就学費をどうしようかと悩んでいる。吹田市として、失業者の家庭への就学補助を考えて欲しい!」「起業、ベンチャー、ITと聞くと、むしずが走る。私たち高齢者は、そういう分野が仮に盛んになっても働くことができない!」など。申入れは一時間以上にわたりました。
 申入れ後、交流会を行い、今後とも申入れ行動を継続しようと確認しました。


愛媛で沖縄戦ビデオ上映会

 サンフランシスコ条約発効五十周年を迎えた四月二十八日、日米安保や沖縄のことを考え、同時に、有事法制について意見を交換する集会を企画しました。集会は広範な国民連合・愛媛が呼びかけた実行委員会の主催。
 集会では、沖縄戦のビデオ「未来への証言」を上映し、参加者全員で感想を述べ合いました。「悲惨な沖縄戦の実像だ。言論の自由が奪われた結果、悲惨な戦争に動員された」「青年たちにも是非見せたい」など意見が出ました。
 「えひめ丸事件」でご長男を失われた寺田御夫妻も見えられ「沖縄のビデオを見ていると、あの事件とダブって、涙が出てしまう。愛媛県は『えひめ丸の事件』で『国の意向ですから』と、被害者のことより日米関係を最優先に考えて事を運んだ」と訴えました。
 最後に、広範な大衆運動で、有事法制を阻止しよう、という確認して集会を締めくくりました。


知事の有事法制発言の撤回を申し入れ
広範な国民連合・愛媛


 五月二十四日、広範な国民連合・愛媛の代表が県庁を訪れ、有事法制の必要性などを認めた定例会見(二十三日)での加戸知事の発言撤回を求める申し入れ書を出した。
 申し入れ書は、有事法制は米国が引き起こす戦争に日本を引きずり込み、憲法違反であり、地方自治も否定しているなど問題点を指摘。県知事は政府や米国ではなく県民に責任を負うべきと指摘し発言の撤回を求めた。