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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2002年5月号

米国の戦争に国民を動員する
有事法制を廃案に!


 小泉政権は四月十六日、有事法制三法案を閣議決定した。有事法制は、米国の起こす戦争に国民を動員、協力を強制するものである。アジアと敵対させ、日本の平和と進路を誤らせるものである。全国各地での反対運動を発展させ、広範な国民運動で有事法制を廃案に追い込もう。

異議あり!有事法制

 四月十六日、日比谷野音で「異議あり!有事法制―世界の人びとともに戦争を止めよう」が開かれ、労働者、市民など約三千人が参加した。主催は、フォーラム平和・人権・環境や原子力情報資料センターなどの呼びかけによる集会実行委員会。
 集会は日教組の司会で始まり、四月二十日に全米反戦行動を呼びかけている反戦団体からメッセージが読み上げられた。
 実行委員会呼びかけ団体を代表して、フォーラム平和・人権・環境の太田敏夫事務局長代行が「有事の範囲はあいまいで、限りなく拡大される危険がある。有事法制は基本的人権などを統制し国民を戦争へ動員するもの。働く者を職務上否応なく戦争に加担させ、従わなければ罰則をかすもので絶対に許せない。しかし、政府やマスコミの世論操作によって国民の関心はまだ低い。職場・地域で有事法制への関心を高め、広範な運動を展開しよう」と呼びかけた。
 日本YWCA憲法改悪阻止プロジェクトの清水ゆう子氏は「戦争はわずかな金持ちのためのもの。絶対的貧困にある多くの人びとのことを考える必要がある」と訴えた。
 全日本海員組合の平山誠一・政策教宣局長は「有事法制は戦時動員法そのものだ。第二次大戦では民間船員はすべて徴用され、六万人が犠牲になった。うち十四歳以下の少年が九百人、十八歳以下の青年八千三百人もいた。政府は『徴兵は憲法違反だが民間徴用は構わない』と開き直っており、絶対に許せない」と小泉政権を批判した。
 日本消費者連盟の富山洋子氏は「有事法制を必要としない政治こそ重要であり、そのためには小泉政権を倒さなければならない」と訴えた。また、パレスチナで平和デモの最中にイスラエル軍の発砲で右足を負傷し、帰国した日本人学生からパレスチナの現状が報告された。
 最後に、「有事法制の危険性を指摘し『異議あり有事法制』の声を高めよう」というアピールを採択し、銀座周辺をデモ行進した。

【埼玉県】
 四月十九日、「異議あり有事法制!守ろう平和憲法埼玉集会」がさいたま市民会館で開かれ、三百人が参加した。主催は埼玉平和センターなどの実行委員会。集会では東京国際大学の前田哲男教授が「有事法制の内容とねらい」と題して講演を行った。

【神奈川】
 四月十九日、横浜市の大通公園で「有事法制を許さない神奈川県緊急集会」が開かれ、県内労働団体などなど約二千人が参加した。主催は神奈川平和運動センター。主催者あいさつで県平和運動センターの宇野峰雪代表は、「有事法案が通れば基本的人権など平和憲法が破壊される」と訴えた。集会宣言を採択し、集会後、デモ行進で有事法案反対を訴えた。

【石川県】
 四月二十五日、「県憲法を守る会」が金沢市で「有事法制に反対し憲法を守る県集会」を開き約二百五十人が参加した。「航空労組連絡会」の村中哲也副議長が講演し、新ガイドライン関連法の制定後、自衛隊や米軍による民間航空の利用が増えたことなどを挙げ、「有事法制の正体は、米国が起こす武力攻撃につきあわせるものだ」と指摘。また、「攻撃や報復、誤爆などの危険性に加え、民間機の軍事的利用は国際民間航空条約と航空法に違反する」と語った。

【山口県】
 四月二十日、有事法制関連三法案に反対する「国際反戦連帯・なぜ、いま有事法制! 異議あり有事法制県民集会」が、山口市であり約二百人が参加した。山口大学経済学部の立山紘毅教授が基調講演をし、「日本は軍隊が最優先される国になり、自由が失われる」などとする集会宣言を採択した。集会後、市内をデモ行進した。

【長崎県】
 四月二十日、長崎市内で「STOP!有事法制(戦争法)」県民集会が開かれ、千五百人が参加した。主催は県平和運動センターなどでつくる実行委員会。県平和運動センターの中崎議長は「有事三法案は私権の制限など日常生活に影響が出るし、憲法から見ても紛争解決に武力を使うべきでない」とあいさつ。続いて吉元政矩・元沖縄県副知事が「沖縄は戦前、戦後を通じ有事法制の枠組みに置かれていた」などと講演した。参加者は「有事法制は戦争法であり憲法の平和主義を真っ向から否定する」などという宣言文を採択し、市内中心部をデモ行進した。
 海上自衛隊佐世保基地の護衛艦「さわぎり」がインド洋から帰港した四月二十五日、佐世保地区労は、市中心部の公園で抗議集会を開いた。有事法制関連三法案の即時撤回などを求める決議文を採択し、商店街をデモ行進した。

【沖縄県】
 四月十七日、沖縄平和運動センターは、県庁前広場で有事関連三法案の廃案を求める集会を開いた。労組員、政党関係者ら約百人が参加。国会へ提出される同法案を「戦時体制下に戻るもの」「戦争への道を開く」と糾弾し、絶対反対をアピールした。
 四月十八日、那覇市内で、「四・一八有事法制(戦争法)を許さない緊急集会」(主催・平和市民連絡会)が開かれた。崎原盛秀事務局長は、「地方自治体の権限を取り上げ、首相に権力を集中させる危険性があり、戦前をほうふつさせる。これは憲法九条を否定する戦争法だ」と語った。参加者は法案を阻止を訴え国際通りをデモ行進した。

【東京】
 四月十九日、陸・海・空・港湾の労働組合(海員組合、全港湾、航空労組安全会議など)を中心にした集会「STOP!有事法制」が日比谷野音で開かれ、五千人が参加した。有事法制ができれば、職務上、アメリカへの戦争協力を強制される航空労働者や医療労働者から有事法制に反対する訴えが次々と行われた。最後に、「戦争の加害者にも被害者にもならない」というアピールを採択し、都内をデモ行進した。