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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2002年2月号
1月3日 北谷町美浜のアメリカンビレッジ内にある路上で、約十人の外国人男性が駐車中の軽乗用車を持ち上げて横転させる事件が発生。男性らはYナンバーの車両で逃走。十六日に器物損壊容疑で、米海兵隊員の息子三人が逮捕された。三人は「悪ふざけでやった」と容疑を認めている。
1月5日 北谷町北前の駐車場から普通貨物車を盗んだ窃盗の疑いで、米海兵隊軍属の子弟の高校生(16)を逮捕。
1月7日 北谷町内の女性(24)のアパートに無断で侵入したとして、キャンプ・フォスター所属米海軍兵を現行犯逮捕。
1月9日 森山法相は稲嶺知事との懇談で、日米地位協定の見直しについて「法務省の立場では法律や手続き上、大きな支障があるという具体的なことはない」と、消極的な姿勢。
1月10日 米兵を含む外国人犯罪が多発した北谷町の比嘉吉光助役らは在日米軍沖縄調整事務所を訪れ、続発する事件の再発防止と夜間外出制限を申し入れた。
1月11日 県の親川盛一知事公室長は、米軍当局を含む県内の日米政府機関に対し、頻発する事件に強い憤りを伝え、米軍の綱紀粛正を求めた。昨年から要望している兵士の夜間外出制限の実施を要求したが、米軍側は具体的な対応策を示さなかった。
1月17日 沖縄平和運動センターが主催し、基地や核、戦争のない世界の創造をアピールする「異議あり!自衛隊 戦争への道を許さない市民の集い」が県庁前の県民広場で開かれ、労組員など約百二十人が参加した。同センターの崎山嗣幸議長や宮古地区労の長崎富夫議長などがあいさつ。集会後、デモ行進が行われた。
・在沖米軍兵や軍属などによる昨年一年間の犯罪検挙件数と検挙人数は、七十件、七十二人で、過去五年で最悪だったことがわかった(県警調べ)。二〇〇一年の米軍構成員などによる犯罪検挙数は前年の五十三件、六十七人を大幅に上回った。一九九七年の四十四件(四十六人)、九八年の三十八件(四十六人)、九九年の四十八件(五十九人)から増加傾向にある。
・県議会決算特別委員会で、米軍が県内に対テロ訓練施設の建設を計画していることについて、「新たな基地の建設は容認できない」と与野党の意見が一致。
1月19日 昨年の米兵による暴行事件を受けて発足した北谷町西海岸安全パトロール会が、今年初のパトロールを実施。
1月20日 北谷町美浜の護岸で、若い外国人女性が、沖縄市内の高校生二人の足元に置いてあったバッグ二つを盗んで逃走。女を追跡した高校生は、後ろから外国人男性二人に頭を殴られた。
・名護市長選挙に出馬予定の宮城康博氏の支持母体「名護市の未来をひらく会」が、名護市のヒンプンガジュマル公園で総決起大会を開催、約千人が参加。九七年十二月に行われた名護市民投票推進協議会代表だった宮城氏は、「一番大きな争点は基地建設問題。一九九七年に出た結論を守り実現する、住民本位の市政をつくる」と強調。
1月21日 多発する米兵を含む外国人犯罪を受け、北谷町議会は「米軍人軍属等による事件に関する抗議決議」と国、県に対する「同意見書」を全会一致で採択。
1月22日 昨年六月、米軍ヘリからバッグなどが宜野湾市の民家に落下した事故について、県警の稲嶺刑事部長は「操縦士ら当事者五人が米本国に帰国していたため事情聴取ができなかった」と説明、在沖米軍に対し「極めて遺憾」と抗議したことを明らかにした。
・米軍嘉手納飛行場内の契約拒否地主の所有地約一・〇八ヘクタールの強制使用手続きで、県収用委員会は強制使用を認める裁決を下した。対象の土地は、地主二人が所有する土地約八千六百二十八平方メートルと、一坪反戦地主二千四百三十九人が共有する二千百四十八平方メートル。使用期間は暫定使用期間が切れる直前の今年五月九日から〇三年九月二日まで。
1月24日 勝連町のホワイトビーチに米海軍所属のロサンゼルス級原子力潜水艦ジェファーソンシティ(六千トン)が入港。
・米陸軍は、在沖米陸軍の特殊部隊(グリーンベレー)が県内の海兵隊基地内に対テロ訓練を目的とした施設の建設計画があると認めた。建設場所はキャンプ・ハンセンとキャンプ・シュワブがまたがる中部訓練場の南側としている。
1月27日 名護市長選挙が告示。元ヘリ基地反対協代表の宮城康博氏(社大、共産、社民推薦)、現職の岸本建男氏(自民、公明推薦)など三人が立候補。普天間飛行場の名護市辺野古への移設問題への賛否があらためて問われる。二月三日投開票。
・北谷町と沖縄市で外国人男性二人組による傷害事件が発生。北谷町美浜では、雑居ビルのトイレで用を足していた男性の首を、背後から外国人男性二人が突然絞め付け、顔面を殴打するなど暴行を加えて逃走。沖縄市池原では遊技場のトイレで、販売員の男性が用を足している際に、何者かにいきなり顔や頭を殴られた。犯行の手口から同一犯の可能性もある。
テロ事件後県民生活への影響
・嘉手納飛行場など沖縄本島の主要米軍基地施設上空で「飛行自粛空域」が設定されたまま、「解除」のめどが立っていない。国交省によると、嘉手納など沖縄本島内の米軍基地・主要施設八エリア、半径約八―三キロ以内、高度約九百―三百メートル以下の間で、自粛空域が設けられている(一月十一日現在)。空撮などを行う小型民間航空機会社には、一〇%も売り上げが減ったところもあり、「早く解除してほしい」と求める声が上がっている。本土では、米海軍基地のある神奈川県横須賀や長崎県佐世保でも、飛行自粛の要請が出ている。
・沖縄タイムスの調査では、テロ事件の影響で二〇〇一年度の売上高減少を見込んでいる企業が八八・七%に上る。米同時テロが売上高に「影響ない」「増える」と見込んでいるのは九・八%だけで、既に業績が回復したのは五・六%にすぎない。業績の回復の「めどは立っていない」も三三・八%で、依然厳しい状況が続いている。年間売上高は八八・七%が前年度比減になる見込みで、あらためて影響の大きさが浮き彫りになった。うち二割以上減は四二・二%に達し、七割減のホテルもあった。観光客が激減した要因(複数回答)は「米軍基地報道の多さ」(六一・九%)、「基地への不安」(三八%)とまず基地関連があげられた。また、「国や他府県の対応のまずさ」二九・六%、「間違ったうわさが広がった」二八・二%など。観光と米軍基地が両立するかとの質問には、「両立する」五三・五%、「しない」四〇・八%だった。アンケート対象はホテルや運輸業、旅行社、観光施設、土産品・飲食店など観光関連主要百社。回収率七一%。