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代表世話人からの新年メッセージ
昨年九月十一日のアメリカ、ニューヨークの同時多発テロをテレビで見たときは驚いた。飛行機二機、アメリカ世界貿易センターに突っこんだ。そして約三千人の罪のない、女、子どもも含めて瞬時に惨殺された。
そして、ブッシュ大統領の火をはくような報復宣言、最初から戦争という。
再び、テレビに、パレスチナの子どもたちの笑顔のVサイン。ブッシュ大統領の「十字軍発言」。子どもたちのVサインの笑顔は、アフガンの事件はイスラエルに連動していることを示す。ブッシュ大統領の「十字軍」を聞いたとき、背筋が冷たくなるのを覚えた。十字軍は、十一世紀末から十三世紀にかけて、西欧キリスト教徒が起こした異教徒討伐軍、聖地エルサレムの奪回を目的としたが、七回も八回も、宗教目的ばかりより現実的利害にも動かされた。「十字軍」で、ブッシュ大統領の高慢さが見えた。
そして、このテロ事件の説明にたびたび現われる太平洋戦争のはじまり、「真珠湾奇襲」。あの時いかにアメリカが腹を立てたか、また、いかにあわてたか、そして国民世論が統一されて、ルーズベルトが十二月八日を「屈辱の日」として、人種差別が燃えあがって、「人間以下」「爬虫類」といって日本人を罵った。そして、日米戦争は、まさに、「憎悪の極」の戦争となった。真珠湾奇襲攻撃のアメリカに与えたショックの大きさが日本人は今やわかったことだろう。
そして、今度の場合、アメリカ以外の国には、「テロにも戦争にも反対」という考えがそれぞれの国民の中に大きく渦をまいている。しかし、アメリカにはそれがない。あの日以来四カ月にもなれば、アメリカも、なぜテロかを考えてほしい。
私も、テロにも戦争にも反対である。
考えてみると、アメリカの軍艦がきて、日本の近代化が始まり、その発展は急速で、順調で、果敢であり、最後は予想もしなかったような狂気にかられ、残忍となり、みずから破滅していった。一九四五年、鋼鉄を輝かせたアメリカの大艦隊が来て、ペリー以来九十三年間の夢を閉じた(ジョン・ダワー「敗北を抱きしめて」より)。
アメリカは、軍備も、経済も、政治力も世界最大、しばらくは不愉快な平和が続くのだろうか。