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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2001年11月号

Monfhly 沖縄 2001年10月

日米安保のみえる沖縄の動き


10月3日 嘉手納基地の滑走路付近に監視用とみられる矢倉二棟が確認された。高さ約三メートルでカメラのようなものが設置されている。

10月9日 沖縄市美里で白人男性数人の乗ったYナンバーの車からモデルガンが発砲され、プラスチック製の弾が洗車中の男性の顔に当たった

10月10日 県ホテル旅館生活衛生同業組合は、県に対しホテル業界の救済策を要請。キャンセル続発を「基地集中から派生した災害」と位置付け、国の補償、沖縄振興開発金融公庫による無利子の運転資金融資などを要請した。
・沖縄平和運動センター(崎山嗣幸議長)など平和、労働団体が米国の報復攻撃に抗議する緊急集会を県庁前の県民広場で開いた。約百五十人が参加し、軍事報復を糾弾するとともに、テロ対策特別措置法案と自衛隊法改正案の廃案を求めた。

10月11日 国頭村の県乳用牛育成センター敷地内の牧草地に、米軍ヘリ一機が不時着。不時着したのは米陸軍ヘリMH47で、在韓米軍大邱基地の特殊作戦飛行連隊の所属。十二日には、上原村長らが那覇防衛施設局や県庁を訪ね強く抗議した。また同村議会は同型機の飛行中止や再発防止などを求める抗議決議と意見書を全会一致で可決した。

10月15日 県議会は「沖縄観光の安全宣言に関する決議」を採択。
・「命ど宝・平和を求める女たちの二十四時間行動」で県庁前に約三十人が座り込んだ。「米軍はアフガン攻撃をやめ平和的解決を。日本は憲法を守り人道的支援を」と訴えた。
・那覇市内の銀行に米海兵隊伍長(23)が偽の米百ドル札約八百九十枚を持ち込み、日本円に両替しようとし、偽造外国通貨行使の疑いで逮捕。

10月24日 午前十時ごろ、米軍の装甲車が沖縄市の国道三三〇号を走行し、嘉手納基地第三ゲートから同基地に入った。装甲車の走行経路や移動の目的は不明。

10月26日 浦添市西洲の海岸に米軍用訓練とみられる弾が百個入った箱が漂着。弾は長さ約十センチ、直径約五センチのプラスチック製。

10月29日 在沖米海兵隊は基地ゲートの警備にあたる日本人従業員に、警護用の小型ピストルの携帯を義務付けた。全施設に拡大させる計画。

10月30日 テロとアフガン報復戦争に反対する中部住民集会が北谷町で開かれ、約千五百人が集まった。


テロ事件後、県民生活への影響

・ホワイトビーチに隣接する民間地域を銃携帯の兵士が出歩き、住民から不安の声が上がっている。日米地位協定では民間地域の警備行動や武器携帯を認める条項はなく、県も「明らかな協定違反である」と反発。

・琉球銀行調査部の試算では、二〇〇一年度の観光客数が一〇%(四十六万七千八百人)減った場合、観光収入は四百八十四億円減り、間接的な波及を含めた名目県内総支出の減少額は六百十一億円に上る。さらに、完全失業率を〇・四ポイント押し上げ、沖縄経済はマイナス成長に転じる(県ホテル旅館生活衛生同業組合の調査では、十月十日現在のキャンセル数は計十一万人)。

・米軍関係者の消費が激減、基地周辺は深刻な打撃を受けている。沖縄商工会議所の調査では、胡屋地区商店街の約四百事業所のうち三百四十六事業所を対象に調査した結果、約四割が「テロ事件後に売り上げが減った」と回答。