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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2001年7月号
広範な国民連合・長崎第八回総会
講演「これでいいのかアジアの中の日本」
七月七日、長崎県自治会館において、広範な国民連合・長崎第八回総会が開かれました。
平野伸人代表世話人のあいさつに続き、社民党長崎県連合幹事長・佐藤龍一氏、長崎県平和運動センター事務局長・坂本浩氏より、連帯のあいさつをいただきました。つぎに、部落解放同盟などのメッセージが紹介され、議事に入りました。
討論では、「右傾化を防ぐために、長崎でどうくい止めるか。皇国史観がどういうふうに作られてきたか勉強する必要がある」「今や閣僚たちも戦争を知らない世代。しかし、日本の侵略被害を受けた国々はけっして忘れてはいない、ということを認識すべきだ」などの意見が出されました。
議案が一括採択されたあと、新役員が紹介され、「国民の立場に政策の実現をもとめ、小泉内閣の早期退陣を切望する特別決議」が読み上げられて第一部を終了しました。
休憩をはさんで、長崎純心高校教諭・新海智広氏の「これでいいのかアジアの中の日本」と題した講演がありました。氏は「つくる会」教科書の白表紙本(検定前の教科書)の記述から、皇国史観による中国観、アジア観をさぐり、それが現在の高校生たちにも引き継がれていることを、アンケートによる調査ではっきりと示されました。
また九月十八日(柳条湖)と七月七日盧溝橋事件がどのように扱われているか、中国と日本の教科書を比較し、日本がこれらの日々を心に刻んでいない、と話されました。さらに、八月十五日に戦没者を追悼することはあっても、犠牲になったアジアの民衆に思いを馳せることはない、とドイツの姿勢との違いを指摘されました。
日本は新たな歴史観を育てなければならない、そのためには「心に刻む」ことが重要だと話されて講演を終えられました。
広範な国民連合・埼玉第四回総会
講演「アメリカのアジア戦略と日本の進路」
七月二十日さいたま市民会館うらわで、広範な国民連合・埼玉の第四回総会と記念講演が行われました。当日は参議院議員選挙の期間中であり猛暑でしたが世話人の方々の努力で成功しました。
まず、奥田芳郎代表世話人が主催者を代表して「異常な小泉人気のもとで、参議院選挙が行われているが、小泉政権では平和も生活も危ないのではないか。今日の講演会と総会を通して小泉政権の改革が国民に対してどの様に降りかかってくるのか、また、それとどのように闘っていくのか理解と議論が深まることが大事である。また、今秋に埼玉で全国総会を開催するので多くのみなさんと協力して成功させていきたい」とあいさつがありました。
次に「アメリカのアジア戦略と日本の進路」と題して武者小路公秀氏(中部大学教授)の記念講演にはいりました。六月の広範な国民連合・東京での講演内容が七月号に掲載されていますが、小泉政権の評価や日米首脳会談の評価、また京都議定書など重要な課題での日本の対応について言及されました。「ブッシュ共和党政権はアメリカがグローバリズムを押しつけて、ひたすらアメリカ一国の利害を追求している。これはEUやロシア、また中国などアジアからも孤立している。日本はアメリカに追随していて、アジア諸国のみならずEU諸国からも信頼されていない。アメリカの軍事産業を背景とする世界経済の戦略は、先進科学技術の育成をはかり、世界的にアメリカの経済支配を確立していくことと深く結びついていること」など指摘されました。
第四回総会は、議長に笠井博之、穂積ひとみ世話人が選ばれ、市原光吉事務局長が総会議案の提案を行い、質疑応答に入りました。この一年間は沖縄に連帯して日本の進路についての取り組みや、朝鮮の首脳会談を契機に朝鮮の自主的平和統一をめぐる取り組みにも役割をはたしました。また、組織面では旗を作り世話人を拡大し、世話人会議を定例化するなど、一歩一歩と前進してきました。さらに、県民の切実な生活と営業の利害をめぐって大きな役割を果たす国民連合・埼玉にして行こうという提案でした。
質問として「かつては社会党が大衆運動の中で大きな役割を果たしていたが、今では闘う側の勢力が分裂して小さくなっているので、大きな団結を促す必要があるのではないか。国民連合が小泉改革に対してまだまだ小さな勢力だから大きくすべきだ」などが出ました。
この総会には社民党、新社会党、民主党の代表及び議員、土屋義彦埼玉県知事をはじめ、さいたま市、川口市など多くの首長、また、日教組埼玉、新運転労組はじめ埼玉県生態系保護協会など各界からのメッセージ・祝電が届けられました。
最後の懇親会では十七人が参加し、ある韓国の若い学生は「胸に理想をかかげ、現実を生きている感じがした」とのべ、参加者の交流もはかられました。
今年の十一月の全国総会成功にむけたステップとなりました。