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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2001年7月号
五月二十五日、県勤労福祉会館において、全国一般長崎地本連帯支部の城尾和孝委員長を講師にお迎えし、学習会を開催しました。
連帯労組は、三菱本工と下請け労働者の連帯をめざして一九八五年に結成されています。城尾氏の職場である長崎鋼業所は、プラント用加熱管、加熱炉の製作、ボイラーチューブの加工などをしており、従業員は九十人ほどです。連帯労組の呼びかけで長鋼分会が結成された一九八五年当時、就業規則はなく、年末一時金は餅代程度、退職金は一年につき二万円で、ないのと同然という状況でした。会社側は第二組合を立ち上げて第二組合と労働協約を結んだため、連帯支部からの脱退者がかなり出ました。中小企業は低賃金、安全性の問題など、闘う材料にことかきません。長鋼分会は、労働基準監督署、裁判所に訴えるなどして一定の成果をあげてきましたが、組合員の高齢化がすすみ、どうやってつないでいくかが課題になっています。
三菱長船には子会社が十九社、協力会社が百四十社あります。長崎鋼業所の仕事量の四六%は三菱の仕事ですが、売上でいうと二四%でしかありません。三菱が下請けの努力の成果をかすめ取っているのです。単価を下げられて赤字になるのがわかっていても、下請けは銀行からの借入のために売上を上げる必要があるので、三菱の仕事を受けます。下請法という法律で不適正な単価を禁じているので、長崎県地方労働委員会に買い叩きの申し立てをしたところ、三菱の言い分だけを聞いて帰りました。地労委は重工労組(三菱の第二組合)に握られており、本来の組合活動はやらず、選挙資金を集めるための組織と化しているのです。下請けは加工外注だけでなく、派遣類似の構内下請けもありますが、本工との格差は歴然です。賃金でいうと本工は四十才で三十二万円、下請け労働者は二十〜二十五万円です。本工主義を克服しようとする連帯労組の試みは成功しているとは言えません。
城尾氏のお話で、大企業の横暴と下請け労働者のきびしい実態を知ることができましたが、これが日本の産業構造なのだと思います。私たちは何ができるのか、考えさせられた一時間でした。