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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2001年3月号
一月三十一日、静岡県焼津市上空で、日航機同士がニアミス(異常接近)し、四十一人が負傷する事故が発生した。航空事故調査委員会は、管制官が便名を取り違えた、二機のパイロットと管制官との意思疎通の不足などの要因を指摘している。
しかし、マスコミなどがあまり報道していない、もう一つの原因として日本全土に張りめぐらされた「米軍事空域」の問題がある。
例えば沖縄上空には米軍の軍事空域がある。嘉手納基地を中心に半径約九十キロで高度六千メートル以下、および久米島空港を中心に半径約五十六キロで高度千五百メートル以下の空域は、嘉手納の米軍が航空官制権を一手に握っている。嘉手納と普天間基地の米軍機を優先するため、那覇空港に発着する民間機は危険な飛行を強いられている。
日本で最も交通量の多い首都圏の空には、羽田や成田を利用する民間機だけでなく、米軍の横田基地や厚木基地、自衛隊の百里基地などを発着する軍用機が飛び交う。その首都圏の西の空には米軍横田基地が管制権を握る横田空域(図)がある。この国内最大の軍事空域のため、とくに羽田発の西行きの民間機は危険な飛行を強いられている。
このように北海道から沖縄まで日本全土の空には、「見えない米軍基地(軍事空域)」が広がっている。日米安保条約と地位協定によって、地上の基地だけでなく、軍事空域と航空管制権を米軍が握っている。「航空法米軍特例法」が存在し、日本には空の主権もないのが現状である。
さらに本州から沖縄にかけて七カ所の低空飛行訓練空域がある。事前の通告もなく、米軍機が山中のダムや建物、時には民間機を「訓練の標的」にした危険な超低空飛行を繰り返している。九四年には高知県の早明浦ダムに墜落。最近では九九年一月高知沖で米軍機二機が接触、墜落。翌日には米戦闘機が釜石市の山中に墜落した。墜落事故が絶えない。
米軍機が日本の空をわが物顔に飛び空の安全を脅かしている現状を打開する道は、日米安保の解消である。