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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2001年1月号

代表世話人からの新年メッセージ

21世紀に、日本女性の政治進出をすすめよう

大槻勲子


 二十一世紀の新春を平和に迎えることができたことを、よろこび年賀のご挨拶を申し上げます。新しい世紀の幕開けに、二十世紀を省みて、人間が、自然や地球環境を、人間生活の物質的豊かさのために、略奪し尽した時代とも云えると思います。二十一世紀は、戦争ではなく、みんなが、手を結んで、いかにして豊かな世界をつくっていくかということが課題です。日本の政治の現況から、近未来を展望してみるとき、新世紀に立ち向かう希望が見えてこない状況です。
 二十世紀末頃に、一月からの省庁の再編に備えた森内閣の第二次改造が行われましたが内閣の支持率は一八%に低下、国民の信任は下がるばかりです。年末に決定をみた本年度予算をみても、財政の国債への依存率が高く、七〇年代に赤字国債を発行して以来、現在、中央、地方合わせて六六六兆円の巨額の借金を、二十一世紀に先送りした出発になります。二十世紀最後の百五十臨時国会で政府与党は、今年の参議院選挙を有利にするため、参議院比例区への非拘束名簿式導入の選挙制度改悪をきめてしまいました。その他日米地位協定、あっせん利得罪、少年法改正等、与党ペースで、どんどん法案を通過成立させたことを、私は、民主政治確立の立場から、深く憂慮しています。
 今年は、日本国憲法にとっては大変なときになっています。改憲がスケジュールにのっていることを念頭に、参議院選挙で、改憲阻止のために、私たちの一票の行使をしましょう。
 二十一世紀は、ひとりひとりの力で、私たちの暮しの場から、地域から政治を変えてゆかねばならないと思います。特に女性の政治参画を実質的に進めることが期待されています。地道に、民主政治を建て直してゆく具体策を提案出来るのは、女性たちです。しかし日本女性の社会的地位は、国際比較の上からも、あまりにも低い現状です。何故でしょう。
 昨年六月の衆議院選挙で、女性議員が、二十五名から三十五名に急増したが、それでも七・三%にすぎず、世界ランキングでは、一〇七位にしかならないのです。選挙制度を女性に不利な制度に変えられている事が、問題です。女性の賃金格差で云えば、男性の収入に対する女性の割合は五二%と、世界平均の七五%を大きく下回っています。
 国連開発計画が毎年発表するジェンダーエンパワーメント測定に於ける日本女性の順位は毎年下り、二〇〇〇年には四一位と、先進国中最下位です。
 日本女性の政治参画を飛躍的に向上させるには、法制度の整備に加えて、女性自身、また男性のジェンダーに敏感な意識への変革が課題です。