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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2001年1月号
神奈川
十一月十八日、横浜市で「日朝国交促進かながわの集い」が実行委員会(代表・武者小路公秀フェリス女学院大学教授)主催により行なわれ、市民や市議など百人が参加した。
集いでは、県朝鮮人強制連行真相調査団の原田章弘氏が開会の挨拶で「南北首脳会談以降、県内最初の集会」と意義を強調。朝鮮総聯県本部の高義甲副委員長は「神奈川では川崎、相模原、藤沢、茅ヶ崎、大和の五市が、朝日国交促進を求める朝鮮総聯の陳情を採択した。三十六年間の長きに渡る植民地政策の謝罪と補償を速やかに行ない、国交を正常化するよう」日本政府に決断を求めるとともに、「この集いが日朝国交促進運動の大きな契機になることを願う」と来賓挨拶。
続いて、神奈川県日朝友好議員連盟第六次訪朝団の団長として、先ごろ朝鮮民主主義人民共和国(共和国)を訪問した県日朝議連会長の武田郁三郎県議が、「これから朝鮮の統一をはかりながら、自分たちが主役になるんだ」というはつらつとした最近の朝鮮の様子を紹介。
政党からは社民党県連代表の福島瑞穂衆議院議員、民主党の斉藤つよし参議院議員、千葉景子参議院議員、安斉義昭県議がメッセージを寄せ、かながわネットワーク運動代表の又木京子県議が挨拶。行政と議会からは、国交促進を政府に要望する議会決議を上げた相模原市の市長と市議会議長がメッセージを寄せた。
各界からは横須賀のNEPAの会代表の清水昭司氏が「南北首脳会談後も、日本海では米日韓が共和国を対象とした共同軍事演習を行なっている。これがアメリカの本音」と指摘。「アメリカは常に国外に敵を求め、共和国や中国を戦争の標的として考えている。アメリカが企む戦争は是非とも止めさせたい」と決意を述べ、「アジア諸国との友好を確立していくことが最高の日本の安全保障」と、日朝国交実現の重要性を訴えた。そのほか、基地撤去をめざす県央共闘会議の二分野治氏(相鉄労組)、日朝友好美術展事務局長の岩田昭三郎氏などが発言。
文化でつなぐ意味から、岩田氏の発言の後、朝鮮の歌と踊りが披露された。
会場からも多くの意見が出された後、伊藤成彦・中央大学教授が「国交が実現しない背景には日本人に朝鮮蔑視の考え方がある。国交実現のためには、政府を変えていかなければならない」と問題提起。集いとして「国交正常化即時実現を求める」政府への要望を採択した後、「今後のアジアを考える上で、いま、はっきりとした態度を世界に対して表明することが非常に大事な時期」と竹田四郎・国民連合神奈川代表が閉会の挨拶を行なった。
神奈川新聞が事前に横浜版の行事案内で紹介、集いの様子は全県版で写真入で報道された。(越川好昭)
愛知
十一月十八日、名古屋市内で「日朝国交正常化の早期実現を求める集い」が開催されました。この集会は、歴史的な南北首脳会談の成功を通じて大きく前進した、北東アジアの緊張緩和のもとで、二十世紀に最期に残された大きな課題である日朝国交正常化の早期実現を求める世論を愛知県でもさらに高めようと、広範な国民連合愛知が主催したもので、多くの労働者、市民が参加しました。県内には日朝友好に熱心な自治体や団体も多く、集会の成功を祝して各級議員や自治体首長などから熱意のこもった祝電やメッセージが数多く届けられました。
集会では、広範な国民連合愛知の寺尾光身代表世話人のあいさつのあと、超党派で日朝友好の取り組みを続けておられる「日朝教育文化交流をすすめる愛知の会」の木村睦路事務局長より来賓を代表して連帯のあいさつがありました。また、基調講演では北九州大学教授の前田康博氏が「朝鮮半島の今日、問われる日本の自主外交」のテーマで講演されました。かつて名古屋で新聞記者として活躍されたことや、愛知の友人と訪朝された体験にも触れながら、南北首脳会談に至った経過やこれまでの日本政府の対応についてわかりやすく説明され、その上で朝鮮半島でも冷戦構造が実質的に崩壊し、北東アジアでも新しい共存体制が模索されている中で、日本が相変わらずアメリカのアジア戦略に追随して、未だに冷戦構造から抜け出せずにいることが問題だと指摘されました。そして、これを打ち破るには、広範な国民の運動が重要であると結ばれました。さらに、自由主義史観などの今日の国内の誤った考え方を糾す運動の必要性にも触れられました。
集会の後半では、朝鮮人の強制連行の実態調査を通じて日朝友好を進める愛知県朝鮮人強制連行真相調査団の豊田弘事務局長、文化交流を進めるハムケと共にコンサート実行委員会の櫛田幸一郎氏、永く運動を続ける日朝協会愛知県連合の小出裕事務局長、非武装地帯に鉄道を建設し南北を結ぶ運動を進める三千里鉄道の韓基徳事務局長、朝鮮総聯国際統一部長の李博之氏などから日朝国交正常化への想いや運動の紹介があり、ともに連帯して運動を進める提起がされました。
集会の最後には、日本の責任の清算、補償を優先し早期に国交正常化を求める集会アピールを全会一致で採択し盛会の内に閉会しました。
愛媛
さる十一月十九日、広範な国民連合・愛媛第四回総会を開きました。この一年の活動を振り返って、七月の沖縄サミットを前半の主な活動目標として、県内での沖縄反基地闘争への連帯を追求してきたこと、また森首相の「神の国」発言や一連の教育の反動的改悪計画に反対する声明や申し入れをおこなったこと、さらに後半では、本総会に元防衛庁官房長の竹岡勝美さんをお招きして記念講演「朝鮮半島情勢と日本の進路」を開催したこと等が成果でした。
記念講演で竹岡氏は「戦後、日本の総理大臣が国際社会で二つのこと、即ち、超国家主義と軍国主義の跳踉(ちょうりょう)を厳しく反省し、平和と民主主義を守るために平和憲法を制定したというのが常であった。しかし、岸や賀屋の復活は戦争への反省なき戦後政治が続いたというべきだ。人間の命を殺し合う戦争ほど愚かなものはない。ゴルバチョフの登場によって東西冷戦は終わった。不信から信頼へ、対決から対話へ。相手国の安全を保障しなければ自国の安全は守れないことが分かってきた」「一九九三、九四年に北朝鮮の核疑惑があった。アメリカが北を叩けば第二の朝鮮戦争になり、米軍五万、韓国軍四十九万、民衆百万以上が死亡する」「昨年、周辺事態法がわずか六十日の審議で可決された。周辺とはどこか明らかにされていないが、北朝鮮の南進を想定して日米の軍事訓練が行われている。何をねらっているか明らかだ。そんな矢先、今年の四月から六月に南北朝鮮の首脳会談が開かれた。私は喜びました。南北朝鮮の和解は本当は日本の首相が音頭を取るべきだ。なぜなら三十六年間の植民地支配という南北分断の罪があるからだ。しかし、マスコミは冷たい。『拉致疑惑』というが相手の主権を認めていないのに『けしからん』はおかしい。またミサイルの国際的規制はない。沖縄サミットでのG8声明にも遅れている」「朝鮮半島の和平のために全力を尽くすことが日本とアジアの平和のためであり、民族の大義だ」と熱っぽく訴えられ、会場からも「そうだ」の声が上がりました。
今回の取り組みを各界各層に呼びかけ、その中で南予のみかん農家の人に県世話人になっていただきました。 (事務局 武田正光)
三重
十一月十八日、三重県伊勢市の「いせトピア」で国民連合・三重第四回総会と記念パネルディスカッションが開催されました。
総会ではまず、この一年間の活動を振り返り各方面から議論がなされました。国民連合・三重として二月に「日の丸・君が代を強制するな」という申し入れを県教委に行ないましたが、この課題が県内で大きな焦点になっていたこともあり、テレビや新聞で大きく報道されました。しかし情勢が大きく動いている中、こうした取り組みがまだ弱く、国民連合の存在を広範な人々にアピールできていない、もっと積極的に闘おうという意見が出されました。そして日朝問題、安保、沖縄の課題、また近鉄北勢線廃止問題など県民生活に関わる課題など闘っていくことを確認しました。
記念パネルディスカッションは、「今、日朝関係を考える」をテーマに行われました。日朝友好三重県民会議会長の森田治さんと朝鮮総聯三重県本部委員長のパクヒィグンさんにパネラーを引き受けていただき、コーディネーターを国民連合・三重代表世話人の山村ふさがつとめました。森田会長は、今年八月に県民会議で食糧支援の訪朝団を出し、コメなど六十トンを届けたこと、また朝鮮人民の熱烈な歓迎に感激したことなど報告されました。そして日本の植民地支配への謝罪と補償を行い、国交正常化を果たさなければならないと訴えられました。パク委員長は、南北の統一に向けたこれまでの経過を詳しく報告しながら、民族の前途に大変希望の持てる情勢になったことを熱心に報告されました。会場からも、元衆議院議員の角屋堅次郎さん(がんばれ護憲の社民党三重の会代表)、三重県議会議員の中村進一さんなどが、日朝友好の重要さや県議会での努力など発言されました。
福岡
十二月二日、福岡市中央区の福岡市民会館において、「今こそコリアンとの友好を!日朝国交正常化を求める福岡の集い」が開かれ、県内各地から二百名以上が参加しました。
日朝国交正常化を求める気運が高まる中、県民の側から声を上げた初めての試みで、県内各地から、各界から、さまざまな県民がたくさん集まった意味は大きなものがあり世論にも影響を与えました。
主催運営は、呼びかけ人・賛同人など超党派でつくる実行委員会。朝鮮総聯福岡県本部が協賛。国民連合福岡が事務局を担いました。
福岡朝鮮歌舞団の歌や踊りは、日朝友好を基調に、日本と朝鮮の歌、朝鮮民謡、舞踊など九つの演目を披露し、参加した人を魅了しました。
来賓の朝鮮総聯福岡県本部の鄭泰文委員長は「日本と共和国の関係改善を県内二万三千人の同朋が願っている。過去に対する清算さえはっきりすればすぐにでも国交正常化はできる」と述べました。
北九州大学の前田康博教授の基調講演も、たいへんわかりやすく「日朝国交正常化交渉に前進がないのは、日本政府が相手を信頼していないのが原因。友好な手をうてない日本政府に民衆、有権者の力で圧力をかけるべきだ」と訴えました。
各界からの発言の中では、今年十一月に八回目の訪朝をするなど長年日朝友好、日韓友好の活動に携わってきた北原守福岡県議が個人の立場で発言。「国交正常化は北朝鮮も決断している、この流れが変わることはない。問題は日本側の態度で、明確に謝罪することがなによりも大事だ」と発言し、地域で日朝国交正常化のための世論をたかめていくことを訴えました。
また、朝鮮学校を支える会、ウリサフェ(在日の人権と生活を共に創造する会)、アジア九州学生会議、福岡県教職員組合などからそれぞれの立場で発言がありました。最後に森首相、河野外相に対して「早期の国交正常化を求める要請文」を拍手で確認しました。
集いは当日のTNC、KBCテレビニュースで放映、翌日の西日本新聞、毎日新聞も報道しました。
大阪
「日朝国交正常化を求める緊急集会」が十二月十五日、大阪市のアピオ大阪で開催された。
緊急集会は、実行委員会が主催し、有元幹明(日朝国交正常化早期実現を求める大阪府民の会)、小笠原美都子(日朝音楽芸術交流会会長)、奥薗健児(全日建連帯労組近畿地本委員長)、岡本知明(元大阪総評議長)、辻元清美(衆議院議員)、丹羽雅雄(弁護士)、馬場徳夫(おおさかユニオンネットワーク代表)、松平要(東大阪市議会議員)、村上シヅ(大阪退職婦人教職員協議会会長)、吉田伸(広範な国民連合・大阪)の十氏が実行委員会のよびかけ人をつとめた。府下各地から労働者、市民など百四十名が参加した。また、日朝議連会長の中山正暉衆議院議員、植田むねのり衆議院議員をはじめ多数のメッセージが寄せられた。
槙枝元文氏(朝鮮の自主的平和統一を支持する日本委員会議長、広範な国民連合代表世話人)が行い、わが国が植民地時代を謝罪し、戦後補償をまず行うこと、そのことが国交正常化交渉の前提であることを、具体的な歴史を振り返りながら必要性を明らかにした。また、政府・外務省の対米追随外交の具体的暴露、米国の一極支配の終焉など、アジアの共生のために一刻も早く国交を正常化させようと訴えた。
続いて、各界からの発言として、よびかけ人の有元氏、小笠原氏、丹羽氏からの発言のあと、在日の立場から朝鮮総聯大阪府本部国際部長の金政義氏、韓統連大阪事務局長の金昌五氏からも発言が行われた。
集会は、森内閣総理大臣、河野外務大臣あての要請書を採択し、馬場氏の閉会あいさつを行った。
参加者は今後さらに府民運動として強化していくことを誓い合った。
なお、政府への要請書は、よびかけ人が外務省大阪分室を十二月二十二日訪問し、直接届けた。