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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2000年8月号
 

沖縄の平和の心を世界へ
県民大行動実行委員会メッセージ
「想像してごらん 基地も
 戦争もない二十一世紀を」

基地撤去を訴え2万7000人
が嘉手納基地を包囲


 私たちは宣言する。戦争のための基地はいらない。
 私たちは今日、アジア・太平洋の米軍事拠点・嘉手納基地を二万七千百人の「人間の鎖」で包囲した。基地の島から、平和の島へ代えるために。
 沖縄戦から五十五年目の夏、そして戦争の世紀といわれた二十世紀最後の年に、私たちは二十一世紀に向けて平和を発信する。
 沖縄を知っていますか。
 太平洋戦争では地上戦が行われ、二十数万人の尊いいのちが奪われた。人が人でなくなる悲惨で汚辱にまみれた戦争だった。
 私たち県民がこの戦争で学んだことは、「戦争を起こすのも人間だが、戦争をなくすことができるのもまた人間だ」ということ。
 しかし、戦後の平和の訪れもつかの間、沖縄は米軍事戦略上、太平洋の要石として、巨大な米軍基地を背負わされた。
 土地を奪われ、人権を奪われ、いのちをも奪われながら、米軍支配の中、そして祖国・日本復帰後もあわせて半世紀以上にわたりこの異常さはいまだ終わらない。
 終わるどころか、日米両政府は「アジア・太平洋の平和と安定」のためと、この沖縄に新たな基地を建設するという。米海兵隊普天間基地の名護市への代替基地は、運用四十年、耐用年数二百年のとてつもない基地建設である。半世紀以上におよぶ沖縄県民の人権抑圧の上に、これ以上、私たち県民にどう耐えろというのだろうか。
 私たちは提唱する。サミットでは、軍事によらない人間のための安全保障の確立を議論すること。国と国、地域と地域、人と人が、対話による平和的外交解決の促進を。G8という世界のトップリーダーたちにはその責務がある。
 私たちは、県民の意思とそれに共鳴する世界の人々が結んだ「人間の鎖」を、軍隊などあらゆる暴力をもっても断ち切らせはしない。沖縄をアジア・太平洋の軍事拠点の島から、文化が息づく平和拠点の島にするまで。
 想像してごらん 基地も戦争もない二十一世紀を


 二〇〇〇年七月二十日

基地はいらない人間の鎖県民大行動実行委員会

基地県内移設に反対し、米軍基地の撤去を
めざす運動を全国で巻き起こそう

 サミットのために沖縄を訪れたクリントン・米大統領は、「平和の礎」の前で「日米同盟があるからアジアの平和がある。その日米同盟にとって沖縄の米軍基地は不可欠」と演説。南北首脳会談という朝鮮半島情勢の激変や基地の重圧に苦しむ沖縄県民の願いに背を向け、東アジア戦略に基づき、引き続き沖縄を拠点にすることを明言した。日本政府も、サミットの沖縄開催や地域振興策をアメとして、名護市への基地移設の強行をねらっている。
 これに対し、沖縄県民は相次ぐ米兵事件に抗議する緊急県民大会、米軍基地に苦しむ韓国やプエルトリコの代表も含めた「基地・軍隊に反対する平和交流集会」を成功させた。さらに二万七千人で嘉手納基地を人間の鎖で包囲する行動を成功させ基地撤去を世界に訴えた。世界中のマスメディアが「まるでアメリカの植民地」など「基地の島・沖縄」の異常な実態を報道した。神奈川県の厚木基地など各地で嘉手納包囲行動に連帯する行動が展開された。
 サミット後、日米両政府は基地県内移設の策動を強めてくるだろう。朝鮮の南北首脳会談が実現し韓国では在韓米軍撤去を求める運動が高まっている。日米安保・在日米軍基地の根拠は薄らいでいる。アジアと共生し、自主・平和の日本を実現するために、沖縄県民の闘いに連帯し、全国で米軍基地撤去の闘いを前進させよう。

米兵事件抗議に七千人が決起
基地被害に怒りの訴え

 七月十五日、宜野湾市内で、米兵によるわいせつ事件などに抗議する緊急の県民総決起大会が開かれた。連合沖縄、沖縄平和運動センターなどの主催で七千人が参加した。
 主催者あいさつで玉城清・連合沖縄会長は「米軍基地の現状にメスを入れない限り、事件・事故はなくならない」述べた。また「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」の高里鈴代・共同代表は「人間扱いしない米軍という暴力は許せない。基地をなくさない限り子供たちの安全は保障されない」と訴えた。さらに集会に欠席した稲嶺知事について、仲宗根・平和運動センター事務局長は「県が先頭に立つべき問題。県政はどこを向いているのか」と批判。
 最後に、事件・事故の根本的防止策、基地の整理縮小など四項目の決議を採択した。