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月刊『日本の進路』2000年10月号
米軍基地に反発強まる
沖縄サミットが閉幕して約二ヶ月。沖縄では普天間飛行場県内移設問題の協議が始まり、米国と政府、県、県民の間で攻防が続いている。また、本土各地でも米軍が演習を強行。住民の反発が強まり、友好中断を表明する自治体も現れた。
●代替施設具体化の協議始まる
普天間飛行場の県内移設について国、県、地元市町村が話し合う「代替施設協議会」が八月二十五日に発足。規模、工法、場所など、代替施設についての具体的な協議が始まった。しかし、沖縄県や移転候補地の名護市が移設の前提として求めている十五年の使用期限について政府は問題を棚上げ、「代替施設協議会」では取り上げられなかった。
岸本・名護市長は協議会後「使用期限や使用協定は受け入れの前提条件。話し合いの中で問題にならないならばそれなりの対応をする」と受け入れ撤回もあり得るとした。
名護市ではすでに大手ゼネコンを巻き込んだ受注争いが始まり、案が浮上している海底に杭を打つ、メガフロートなどの工法ごとに推進派の団体が誘致合戦を展開している。
●県内移設に県民が反対の声
サミット後(八月三〜六日)に琉球新報が行った世論調査では、普天間基地の名護市移設について反対が五五・一%と、容認・賛成三九%を上回った。これまで同紙世論調査では容認・賛成が反対を上回っていた。また七月二十日の嘉手納基地包囲行動を「意義があった」と評価する回答が七五・九%を占めた。
八月二十六日にはヘリ基地反対協など三十四団体が加盟する「沖縄から基地をなくし世界の平和を求める市民連絡会」が「県内移設をなしくずし的に既成事実化しようとする暴挙に強く抗議する」とする緊急アピールを発表。ヘリ基地反対協も、抗議する街頭アピールを名護市内で行い、「二見以北十区の会」では岸本・名護市長に対し、協議会への不参加と、住民との対話集会の早期開催を求める要請書を提出した。沖縄では「基地の県内移設に反対する県民会議」が十月二十一日に五千人規模の県民大会を開く準備を進めており、県内移設反対を強くアピールする。
●2+2でも十五年問題棚上げ
日米政府は九月十一日、日米安全保障協議委員会(2プラス2)を開催し、米軍普天間飛行場代替施設の基本計画を策定する「普天間実施委員会」(FIG)の早期再開で合意した。FIGは一九九七年に設置、同年四月以降は開かれていない。しかし十五年使用期限問題は、「緊密に協議する」と再確認しただけで、ここでも棚上げされた。
また2プラス2では有事の際に自衛隊と米軍が「迅速、円滑に」共同作戦行動するための枠組み「日米調整メカニズム」の内容を決定。事実上の統合司令部となる「共同調整所」を防衛庁に設置することでも合意。新たな日米防衛協力の指針(新ガイドライン)の運用体制が整えられた。
●本土各地でも米軍に反発高まる
九月には、硫黄島で行われる予定だった米空母キティホーク艦載機による夜間離着陸訓練(NLP)が「天候不順」を理由に、山口・岩国基地、青森・三沢基地、神奈川・厚木基地などで強行された。本土でのNLPは今年に入って三回目。
三沢市では中止要請にもかかわらず訓練を強行。鈴木・三沢市長は「日本を植民地扱いしている」と米軍を非難し、米海軍との友好関係を中断した。また「今後もNLPをしたら、米海軍基地の撤去を日本政府にも米軍にもはっきり申し入れたい」と表明した。
厚木基地のある神奈川県大和市と綾瀬市でも、NLPに抗議して米海軍との友好関係を一時中断。米軍からの「事前通知」が訓練開始後だった岩国基地では、井原・岩国市長が「突然の通告は信頼関係を損なう」と不快感を表明した。これらの自治体の動きを受けて米海軍は厚木基地でのNLPを中止した。
各地で労働者や市民などの抗議集会や座り込みも行われ、米軍基地や訓練強行に対する反発が各地で高まっている。全国各地から米軍基地撤去の世論を盛り上げよう。