国民連合とは月刊「日本の進路」地方議員版討論の広場集会案内出版物案内トップ  

自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2000年8月号
 

各地の取り組み  


広範な国民連合福岡第八回総会
佐久川政一氏の講演


 自主・平和・民主のための広範な国民連合・福岡の第八回総会が七月一日に福岡市において開催された。総会には百五十名が参加。
 開会宣言の後、主催者を代表して久保山教善・筆頭代表世話人から沖縄への連帯などを強調したあいさつが行われた。議長団が選出され、宮田こずえ事務局長より議案が一括提案された。選挙後すぐの総会ということで、総選挙の評価や激動する世界情勢や国民へのしわ寄せが強まる国内情勢などを展望して、広範な国民運動の形成をめざした二〇〇〇年度の方針、当面の沖縄との連帯行動などが強調された。次に監査報告を岡村正義・小郡日中会長が行い、財政の確立などが指摘された。
 提案の後、新村雅彦・社民党福岡県議から総選挙後の情勢と憲法擁護を訴える連帯あいさつが行われた。討論では、広範な国民連合・長崎から田代事務局長が十一月に長崎で開催予定の全国総会のアピールが行われ、続いて的野国雅・元福岡県農協青年部長が県内の農業問題で発言。国民連合・八女地区から介護保険の集会の取り組みなどが報告された。
 議案が承認された後、二〇〇〇年度役員が提案され、拍手で承認され、新年度役員を代表して重岡富男・元吉井町議員から力強い決意表明。
 第二部ではまず来賓挨拶。在日本朝鮮人総聯合会福岡県本部国際部長の金清吉氏から南北朝鮮首脳会談を受け、喜びにあふれた熱のこもった挨拶が行われた。続いて福岡県農協中央会農政広報部部長の松永元裕氏は、食料の自給があってこそ日本の平和は保てるという視点から国民連合との連携を強調。福岡県教職員組合副委員長の伊藤邦彦氏が広範な国民連合・福岡の賛同団体としての立場から力強い連帯の挨拶。福岡県知事、那覇市長、沖縄県人会長、平和フォーラム、三重野栄子参院議員、松本龍衆議院議員や県下の市町村から多数の祝電や国民連合中央などからメッセージが寄せられた。
 記念講演は「九州・沖縄サミットに問う沖縄の心と日本の進路」と題して佐久川政一氏(沖縄大学教授・前学長)が行った。講演はたいへんわかりやすく、沖縄の基地を抱えた現状や沖縄サミットのねらいが、具体的に報告された。
 最後に、沖縄に連帯する行動を呼びかける特別決議が満場一致で採択され、総会の幕がとじた。
 第八回総会に、たくさんの労働組合や団体などから支援をいただいたことに御礼申し上げます。
 その後、沖縄の米兵による少女へのわいせつ事件や、ひきにげ事件が起こったことに対して、国民連合・福岡としても総会の特別決議にそって抗議行動をおこなうことにしました。七月十三日に筆頭代表世話人の久保山氏や沖縄県人会の石垣氏ら四名で米国領事館を訪問し、抗議文を手渡し、抗議の意思を示しました。    (事務局長 宮田こずえ)


沖縄と連帯し米軍基地の縮小・撤去を求める集い   横浜・川崎

 七月三日と四日、横浜と川崎で、沖縄と連帯して米軍基地の撤去を求める集いが、石川元平・沖縄県教組元委員長を招いて行われた。七月二十日に大和市の引地台公園で予定されている「嘉手納基地包囲に連帯し、厚木基地撤去をめざす神奈川集会」を成功させようと、行われたもの。
 横浜では三日、かながわLプラザで竹田四郎・元参議院議員や横浜YWCAなどの呼び掛けによる実行委員会が主催して、「沖縄と結ぶ横浜の集い」を開催した。竹田氏は主催者を代表して、「沖縄は本土の犠牲になって米軍基地負担の重圧を押し付けられた。本土の人間が沖縄の基地をなくすという強い決意を持って取り組む必要がある。二十日の大和の集会にもそういう決意で臨みたい」「南北首脳会談が行われた。南北が和解すれば朝鮮半島に軍隊を置く必要はなくなり、在日米軍の必要性も薄くなる。日本から米軍基地をなくさなければ、日本はアジアで孤立する。アジアに米軍基地はいらない」と挨拶。
 連帯の挨拶として、鈴木保・厚木基地爆音防止期成同盟委員長は七月二十日の県民行動をアピール。「沖縄と本土でやることに価値がある。基地を包囲することはできなかったが、二コースでデモ行進し基地を包囲することになるので、気持ちは、沖縄の嘉手納基地を包囲する人々とつながる。元気が出る集会にしたい。ぜひ大勢の皆さんが参加するように呼び掛けたい」と訴えた。
 石川氏は「サミットに向けて沖縄はいま〜沖縄基地問題のもつ全国的意味〜」と題して講演。沖縄サミットの政治的意図は「世界の紛争予防のために、沖縄の米軍基地を利用することを世界に発信すること」と暴露。サミットに向けた沖縄の民衆の対応や様々な取り組みを紹介。嘉手納包囲は基地撤去に向けた新たな県民意志の結集の場になると話した。
 川崎では四日、川崎総合自治会館で「沖縄と川崎をつなぐ市民の集い」が、七・二〇を成功させる川崎実行委員会の主催で行われた。
 連帯の挨拶を伊藤成彦・中央大学教授が行い、この間の取り組みを紹介した。鈴木保氏は石川氏の講演の後に挨拶を行い、厚木基地の飛行訓練を三日間阻止した経験を紹介して、「当時は、地域の女性が道路を隔てて滑走路の前に身を挺して抗議行動をすることで、飛行訓練を阻止することができた。基地を撤去させようとすれば、頼んでいてはダメ。相手が困ることをやらなければ物事は解決しない」と訴えた。
 なお、四日午前中には厚木で石川元平氏を囲んだ懇談会が行われた。


広範な国民連合・長崎第七回総会
街づくり問題で座談会


 七月二十二日、長崎県勤労福祉会館において、第七回総会が開かれました。主催者代表の挨拶につづいて、佐藤龍一・社会民主党長崎県連合幹事長、林虎光・在日本朝鮮人総聯合会長崎県本部委員長より連帯のあいさつをいただきました。
 事務局から一九九九年度活動報告並びに会計報告がされ、二〇〇〇年度活動方針と予算案の提案。議案が承認された後、「沖縄に連帯する特別決議」が読み上げられました。
 第二部は「潤いのある人に優しい街づくりをめざして」と題した座談会が行われました。発言者として長崎駅前商店街より荒木保博氏、繁華街に近い築町商店街より荒木文枝氏、市内東部の新大工町商店街より佐藤洋氏の三人をお迎えし、賛同人の一人である井原東洋一氏がコーディネーターを務めました。
 大型店が次々とオープンする中での商店街の現状が報告され、行政に対しては「助成金を申請しようにも、自己資金の条件があったり、使途が制限されて難しい」「数年前からインフラ整備の要望を出しているのに、人事異動で人が替わって引き継がれていない」などの声が出されました。また、「顧客をつなぎ止めるために手作りのはがきを出す」「お客はお年寄りが多いので、お年寄り向けの景品を考える」などの工夫が語られました。バス停に大型店の名前が付けられそうになったのを商店街がやめさせたこと、用途地域変更の話が出たときに大型店誘致を心配して商店街が理事会を開いたことが報告されました。
 参加者から「商店街の行動やまじめな努力が消費者に見えていない。もっと市民に訴え、消費者と連携して何かやってほしい」との意見が出されました。さらに別の参加者から「努力は大切だが、長崎の小売業者に行政の光は当たっているのか、というマクロな目での声の発信が必要では」という指摘がありました。十一月の全国総会会場は、築町商店街内の施設を予定しており、今後も商店街を応援していくことを確認して閉会しました。


沖縄の痛みを共に考える
宮崎住民の集い 広範な住民連合


 七月九日、平和・民主・共生のための広範な住民連合主催の「沖縄の痛みを共に考える宮崎住民の集い」を宮崎市JAアズムホールで開催した。問題提起は、毎日新聞鹿児島支局長の大賀和男氏。
 大賀氏は鹿児島勤務の前、自ら希望して毎日新聞那覇支局に赴任し、米軍基地沖縄の暮らしを県民と共有しつつ、その実態と県民の痛みや怒りを全国に発信し続けた。また、九一年には、日本軍侵略の爪痕が残る中国各地を訪ね、わい曲されようとする加害の歴史事実を、正しく国民に伝えようとしてきた人である。
 大賀氏は、沖縄の現状について述べると共に、沖縄問題を理解するためには、一六〇九年薩摩の侵略以来、ヤマトに虐げられ続けてきた沖縄の歴史を理解する必要があること。虐げられてきた歴史、沖縄戦、米軍基地被害について何も知らず、知ろうともしないヤマトの人間の罪について述べた。ヤマトの人間として、強い反省を迫られた一人ひとりの心に響く講演であった。
 集会には、親泊・那覇市長、中村文子氏、仲村善幸氏からのメッセージが寄せられた。参加者が励まされる集会となった。
 集会では、サミット参加各国外相あての沖縄問題を訴える書簡、嘉手納基地包囲「人間の鎖」に対するメッセージを採択した。参加者五十人ではもったいない集会であった。


ここが変だよ沖縄サミット
武藤一羊氏の講演     愛媛


 沖縄サミットの開催を間近にした七月十六日松山市で「ここが変だよ沖縄サミット」という集会が五十数名の参加で開かれた。主催は同実行委員会で、広範な国民連合・愛媛も実行委に参加した。
 集会の第一部は人形劇。クリントンと森の会談の様子を風刺を交えて熱演し、沖縄サミットのぎまん性を参加者に分かりやすく解説しました。また世界の貧しい国の債務取り消し要求を描いたビデオを上映、バンド演奏も行われました。
 第二部では「沖縄サミットは何のため、誰のために開かれるのか―『先進国』の繁栄と沖縄の基地」と題するピープルズプラン研究所共同代表の武藤一羊さんの講演。
 講演の中で武藤さんは、「一九八〇年代、レーガン、サッチャー、中曽根が自由化、市場原理、規制緩和を提唱し、新自由主義を進めてきた」「九〇年代、ソ連の崩壊によって冷戦は終わったが、実際には軍事力が増強された。米軍は十万人の兵力を東アジアに駐留させている。アメリカの東アジア戦略にとって日米同盟は要で、沖縄の米軍基地はそのまた要である。二〇二〇年までにアメリカはヨーロッパからアジアへ軍事的中心を移すと言われている」「民衆の安全保障と国家の安全保障は違う。軍隊は自国の民衆を守らない。国家はナショナリズムをかきたて危機をかきたてている。アメリカの世界的な権力が作られようとしている中、米軍の存在とナショナルな政策は矛盾している。いろいろな意味で沖縄の反基地闘争は重要な意味をもっている。相手は何なのかがわかれば、どこに味方がいるか分かる」と述べられました。
 最後に七月二十日、嘉手納基地包囲大行動に連帯して松山駅前に集まろうと呼びかけ終了しました。
 七月二十日には、松山駅前で実行委員会を中心に街宣とビラまきを行いました。(愛媛事務局 武田正光)


自動車産業のリストラに抗する
労働者の討論集会  愛知県豊田市


 七月一日、豊田市で「講演と討論の集い・本格化する自動車産業のリストラ、トヨタはどうなる!」が開催され、多くの労働者、市民が参加しました。
 昨年秋以降、日産自動車や三菱自動車などで工場閉鎖や人員整理を含む大リストラが始まり、労働者の生活や地域経済に深刻な影響を与えています。日産自動車では労働組合が十分に対応しない中でもこれに反対する労働者の運動が始まっています。この集会はそうした労働者の闘いと連帯し、トヨタ自動車の城下町でもある愛知県西三河地区でも強固な労働者の運動を構築しようと地域の労働者が中心になって実行委員会を作り、地区労議長、社民党支部長、元県議、宗教者などが呼びかけ人となり準備を進めてきました。
 集会では、基調報告としてルポライターの鎌田慧氏が自身の工場労働体験を振り返りながら、自動車産業のリストラの現状を報告。続いて、日産自動車村山工場で配転を強制されている日産労働者のN氏から生々しい現場からの報告がありました。ある朝突然に全員が集められて、社長から構内テレビを通じて工場閉鎖が告げられ、人事から一人ずつ呼び出されて遠隔地の工場への配転か退職かを選択せよと迫られたこと、家族との別れ、今後の生活などの不安に苛まれ眠れない夜が続いたことなどが切々と語られました。参加者も怒りと悲しみに包まれました。
 このあと、トヨタ自動車、三菱自動車、公務員労働者などからの会場発言が続きました。いずれも、労働者としての連帯と闘う決意に満ちたもので、発言の度に大きな拍手と激励の声があがりました。また、リストラで生活苦に追いやられた在日外国人労働者を支援する地区労やフィリピントヨタの労働者への連帯を呼びかけるカトリックシスターの報告も感動的でした。
 会場受付には、「檄・がんばれ日産労働者」と書かれた赤旗が置かれ、参加者は次々と署名しカンパを申し出る人も現れるなど、新しい運動の構築を目指す労働者の闘いと連帯を称えました。       (愛知 事務局)


沖縄と平和を考える講座PART2     愛知県豊橋市

 七月十五日、愛知県豊橋市で前沖縄県教職員組合委員長の石川元平さんを招いて沖縄と平和を考える講座PART2「サミットと沖縄の基地、私たちは何をするか」が開かれました。主催は前回の六月と同じ、愛知県東部の東三河・沖縄の声を聞く会。
 講演に先立ち九五年十月二十一日の県民総決起集会のビデオが放映され、参加者は改めて沖縄の基地の現状と県民の感情を確認しました。講演では、石川さんはサミットを前にしての警備の異常さやサミット前にも頻発する米兵犯罪の本質を指摘。アメリカのアジア戦略と日本政府のアメリカ追随外交によって、基地固定化につながる危険性を指摘しました。また、沖縄の歴史を振り返りながら沖縄が一貫して武器のない平和な生活を目指してきたこと、近辺の諸国との共生で繁栄してきた経過を述べ、今後の自立の方向性と展望についても語られました。
 講演後、参加者からは沖縄の独立問題や沖縄経済の現状などについての質問が相次ぎ、司会者が時間を制限するほどの熱心さでした。


異議あり沖縄サミット!
名古屋で集会とデモ


 七月十六日、名古屋市で「異議あり!サミット 沖縄に新たな基地をつくらせない七・十六集会」が開かれました。この集会は一昨年から新ガイドライン関連法案に反対して、これまでに三度の大衆集会とデモに取り組んできたピースアクション実行委員会(広範な国民連合愛知など十数団体と多くの個人が参加)が呼びかけたもので、当日は炎天下の野外集会にも関わらず多くの労働者・市民が参加しました。
 集会に先立ち、沖縄に心を寄せるシンガーソングライターが沖縄民謡や自作の歌を披露して会場を盛り上げた。実行委員会を代表して挨拶した寺尾光身・前名古屋工業大学教授は、沖縄の基地問題を本土の私たちの問題として取り組むこと、粘り強く運動を続けることの必要性を訴えました。
 続いてのリレートークでは、前沖縄県人会連合会会長の渡久地政司氏、沖韓民衆連帯のト・ユサ氏、浜松NO!AWACSEの会、国労新幹線分会、広範な国民連合愛知の代表など十数人が五分間のもち時間でそれぞれの思いを熱く述べました。また、沖縄県出身者で桑名教会牧師の平良夏芽氏の沖縄報告はサミットを巡る政府の沖縄懐柔策を批判しながら、基地問題は全く進展がなく逆にサミットを通じて基地の固定化が計られるだろうというもので、参加者は一層の運動高揚の必要性を感じました。
 このあと、参加者は思い思いのプラカードや幟を立てて「沖縄に基地はいらない!」「アメリカ軍は沖縄からも本土からも出て行け!」などシュピレヒコールを繰り返しながら名古屋市の繁華街をデモ行進しました。