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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2000年4月号
 

全国各地で改憲阻止の幅広い共同行動の早急な追求を!
愛知での実践


自主・平和・民主のための広範な国民連合愛知代表世話人  寺尾 光身


  今年に入って衆参両院に憲法調査会が設置されそれぞれ活動を開始しています。実質的には満身創痍の憲法であるとはいえ、憲法改悪を許さない強力な運動が今求められています。憲法改悪を阻止するには、運動が後手ごてにまわらないようできるだけ早く運動を開始すること、憲法改悪阻止という共通の目的の為に小異を残して大同につく幅広い共同行動を組織すること、が必要ではないでしょうか。
 そんな思いから、かつて名古屋へのオリンピック誘致を市民の力で断念させ、その後も市民運動に積極的な役割を果たしている水田洋名大名誉教授や、日本戦没学生記念会事務局長の安川壽之輔名大名誉教授に相談を持ちかけました。さらに憲法を守る運動では欠かせない愛知憲法会議の事務局長をしている憲法学者の森英樹名大教授、第九条の会日本事務局代表の勝守寛中部大学名誉教授、愛知憲法会議評議員の憲法学者小林武南山大学教授にも助言を頂き、上記5人と私の6人が呼びかけて、憲法問題に関する意見交換会を3月9日に開きました。
 参加要請の送り先は、愛知国民救援会、愛知平和委員会、愛知革新懇、安保破棄実行委員会等の平和団体や不戦へのネットワーク、旧日本軍による性的被害女性を支える会、「日の丸・君が代」の強制を考える市民ネットワークその他の市民運動体を中心的に担っている方々、真宗大谷派やYWCA、カトリックの宗教者、自由法曹団その他の弁護士、大学人や予備校講師など20人でした。そのうち出席できたのは11人、他に飛び入りが4人でしたが、呼びかけ人の幅の広さを反映して、出席できなかった方々も強い関心を示し、今後の連絡を希望されました。
 当日は、森さんが、憲法調査会に至る流れとそこでの議論の概要そして今後の予定について説明され、改憲論の中でも今年1月18日に提出された21世紀懇(21世紀日本の構想懇談会)報告書の、国際国家・大国日本として統治構造の大きな改変を行うとする改憲論に注目すべきことを指摘されました。また勝守さんから、昨年五月に行なわれたNGOのハーグ平和市民会議で、アジェンダの筆頭に各国議会が第9条にならい戦争禁止を議決すべきことが採択されたこと、今年5月ニューヨークでのNGOのミレニアム・フォーラムで更に戦争放棄を広めようとしていること、などが紹介されました。
 次に、議論のたたき台として、それぞれの団体・グループが憲法改悪阻止の独自の運動を強力に進める一方、必要な時にはいつでも共同行動を立ち上げられるような組織(仕掛け)を作っておきたいという私の意図を述べ、皆さんに自由に意見を出してもらいました。単に共同行動を組織するだけではもったいない、憲法を大事にして行こうという声や日本がとんでもない方向に持って行かれようとしていることを国民に知らせ強くアピールすることができるような組織とすべきだとか、マスコミが協力しない今、多くの団体が共同して危機的状況を市民に伝えるデモや集会を、というような積極的な意見もありました。他に、改憲派のほうが先に行っている、国家改造論から検討する必要があり、勉強会も必要、向うが憲法調査会ならこちらは「改憲」調査会で改憲の動きをウォッチングし、情報を持ち寄って私達の情報を豊かにし、それをベースに置いてネットワークができれば面白いなど、多様な意見が出されました。
 次回から情報収集、勉強会、運動の交流などを積み重ね、幅広い共同行動を追求しようと思っています。