国民連合とは月刊「日本の進路」地方議員版討論の広場集会案内出版物案内トップ  

自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2000年4月号
 

憲法改悪の潮流を食い止めよう

平和を守り、くらしに憲法を生かす会・旭川事務局長  永江 力


 憲法改悪と庶民いじめの政治が強まるなか、去る1月19日、旭川市で『平和を守り、くらしに憲法を生かす会』を立ち上げました。皮肉なことに、翌日20日に通常国会が始まり、冒頭『憲法調査会』が設置され、明文改憲に向けての始動でした。
 「生かす会」結成への取り組みは期間としては短いものでした。昨年10月、有志12名が額を集め「呼びかけ人」となり種々論議を重ね、まず賛同人を募ることから始めました。それぞれ関わりある組織や団体、知人・友人へ「呼びかけ文」を届け、憲法を中心に意見を交わし、理解・納得、賛同のパターンでひと月余り集中して取り組み、百名をこえ感激。年令も学生から高齢者まで、職業も多様で宗教者が多いのが特徴です。公務員などサラリーマンから年金生活者と幅広い市民の顔ぶれです。
 11月26日に結成準備会を開催。(1)具体的運動のすすめ方、(2)役員体制、(3)規約などを協議し、「準備会ニュース」を年明け早々発行。さらに結成総会を1月19日と決めました。このあとは、正月休みもそこそこに、総会成功は何よりも人が集まることが第一との準備会での確認から、賛同いただいた方々へ出席要請の取り組みを「呼びかけ人」チームが暇を見つけて声かけを続けて行きました(呼びかけ人は知名度もあるが多忙な人ばかりで大変)。
 100余名の賛同人を中心に「準備会ニュース」を300近い市民へ届け本番を待ちました。さて、いよいよその本番の日です。あいにくの降雪と厳寒の夜、会場の勤労者福祉会館は50名をこえる参加を得て、タイムテーブルによる進行です。
 前段は、旭川大学の石垣茂光助教授(民法)による「憲法と私たちのくらし」の演題での記念講演です。市民の生活と権利について感銘を受けました。後半の結成総会では、(1)結成までの経過、(2)平和憲法をめぐる情勢と課題、(3)2000年度活動方針、(4)規約、を全体で討議。一部修正を加えて決定。役員(代表委員、事務局、幹事等)を選出、最後に「平和を守り、くらしに憲法を生かす市民アピール」を採択して総会は締めくくられました。前途多難な政治情勢のもとですが、いよいよくらしに憲法を生かす取り組みがスタートすることとなりました。
 活動方針論議の中で、ある中年女性の発言がチクリと胸に応えます。「――今、民主主義の危機だ、護憲だ、と語調を強めても、たとえば若い者が来ますか。固い言葉でいくら叫んでも彼らの胸には響かない。彼らの目線で一緒に語り、悩み、考え合う場は作れませんか。子連れの親たちが『行ってみよう』とビデオとか歌も交えて『平和って何だ』『ケンポーって』と考え合い共感できるつどいは出来ないものか、そんな取り組みができる会を。若者は改憲勢力の強大さをちゃんと知っていますよ。若い人たちを味方にぜひ―」。
 憲法の危機は、平和と民主主義の危機であり、それは一人ひとりの市民の生活と人権の危機といえます。護憲の旗を高く掲げ、「平和・人権・福祉・環境・教育」の諸課題と一体的にとらえ、広範な市民の力を結集して活動に立ち上がらなければと、さかんに自分に言い聞かせているところです。
 旭川市はかつての軍都(旧七師団)、現在は自衛隊第二師団の駐屯するまちです。一方では、『平和都市宣言』(1983年5月3日)を行っている36万都市でもあります。目下、5月の憲法行事の策定中で、肩肘張らずに胸を張って頑張るつもりです。