自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2000年1月号
代表世話人年頭メッセージ
「移設反対」が県民・市民の世論だ!
政府は県民をだましている
福地曠昭
12月23日、名護市議会は普天間基地の移設促進決議を賛成多数で可決した。政府主導による年内決着をすすめてきた通りの結果となった。名護市長が、これを受けて12月27日に受け入れを表明するという段取りである。移設に反対する県民の意志は、県民・市民投票、名護市長のリコール、世論調査で明確にされた。現在も不動なものだ。
ところが2000年7月に開かれる沖縄サミットによって様子が急変した。県民あげてサミットを成功させようとしている矢先、昨年六月クリントン大統領が「基地問題が未解決のままでは沖縄に行きたくない」と述べた。
それ以来、政府は年内決着のマニュアルを作成し、首長が移設容認しやすくするための議会決議を促した。県議会はじめ那覇市、浦添市、宜野湾市、そして名護市と次々決議を強行させたのである。稲嶺知事は12月県議会で移設先を名護市辺野古沿岸域に選択した根拠を追及されたが、まったく具体性がないため議会は空転した。県は名護市に依頼書を手渡しただけで、まったく説明できず、名護市長でさえ困惑した。規模、工法等まったく示されず、日米政府の意見の違いを残したままである。とりわけ「軍民共用」と「15年期限」の条件は米国側から拒否され、政府も努力するというだけで担保を与えていない。
米国側はヘリだけでなく、大型輸送機が使用できる規模拡大と有事の場合、米軍を優先させることを政府に迫っている。米国は15年期限が日米安保宣言に反するとし、200年の耐久年で40年間の使用期限を主張してきた。しかもヘリではなく、名護市東海岸に配備される主力機は四軍共用のMV22オスプレイ(垂直離着陸兵員輸送機)である。沖縄を拠点に朝鮮半島や東シナ海を飛び回ることになり新しい基地の機能強化となる。