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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2000年1月号
代表世話人年頭メッセージ

北東アジアの平和・友好圏の確立を

槙枝元文


 20世紀最後の年、明けましておめでとうございます。
 昨年は、自民、自由、公明の三党連立による巨大与党の形成によって、日本の進路を誤まらせる数々の悪法の強行をはじめ、経済活動の低迷やリストラによる失業者の増大、壮年自殺者の多発、臨界事故、それに加えて沖縄の稲嶺知事による普天間基地の名護市への移転決定等々、暗いニュースに明け暮れました。ただ、昨年暮れの村山元首相を団長とする超党派国会議員団の訪朝によって、1992年いらい長く閉ざされていた日朝両国政府間に、正式話し合いの窓口が開かれたことがせめてもの明るいニュースでした。
 しかし、今回の日朝国交正常化にしても、米朝会談を通じてのアメリカの対朝鮮政策の転換によるアメリカからの「指示」と、南(韓国)の「支持」によって動かされているという側面も否定することはできません。
 日本の歴代首相がアジア諸国を歴訪して、援助、協力と称してODA予算をバラ撒いて歩いても、日本に対する警戒心と蔑みの心がぬぐい切れず、国連安保理の常任理事国入りの問題にみられるように、信頼と積極的支持が得られない最大の要因は、独立国家としての主体性なきアメリカ追随の日本政府の姿勢にあるとみなければなりません。
 沖縄の米軍基地の縮小・撤廃にしても、石原東京都知事の横田基地の返還・軍民共用の提起に対しても、主権者である国民の声をアメリカ政府に伝えようとすらしない日本政府に対しては憤りを禁じ得ません。
 私は21世紀を展望して「遠くの親戚より近くの他人(友人)」の諺ではないが、先ず「北東アジアの平和・友好圏の確立」を訴えたいのです。
 日本は1910年のいわゆる「日韓併合」いらい、40年近く無謀な植民地支配を続け、戦後の朝鮮戦争では南(米軍)への後方支援にまわりました。またアメリカの世界戦略に沿って日米安保条約の拡大・強化のため、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の脅威を煽って軍備の増強に利用し、北東アジアに不安定要因を増大させてきました。こうした歴史にかんがみ、いまこそ日朝間の国交を正常化し、朝鮮民族の悲願である朝鮮の自主的平和統一を達成し、日本、中国、朝鮮とロシア沿海地域を含む北東アジアの平和・友好国を構成し、四ヶ国が協力・共同して地域の開発と経済の発展を図り、併せて相互に平和と安全を保障し合う体制を確立し、これをアジア全域に広げるという夢をもちたいものです。
 私たち「広範な国民連合」はこうしたアジアの未来を展望しつつ、昨年巨大与党の数の力で強行成立させられた数々の悪法の実施に対して、それぞれの地域で抵抗・阻止に全力をあげたいと思います。同時に、予想されるスパイ防止法を含む有事法制化や、靖国神社国家護持法、危機管理法や教育基本法の改悪等々の阻止、さらには、当面七月のサミットにむけて沖縄米軍基地の新たな建設を許さない運動を、全国民のたたかいとして大きくもり上げようではありませんか。